人は、様々な場面で「泣く」。そして「笑う」。
先回までblogに書いていた「カウンセリングなんて…と思っている方へ」のシリーズの中でも述べてきたが、カタルシス効果を得るために「泣く」こともある。
実は「泣く」ことで『コルチゾール』というストレスホルモンの分泌が抑制され、その代わりに『エンドルフィン』『オキシトシン』と呼ばれる、別名「幸せホルモン」が分泌される。
この「幸せホルモン」であるが、性的接触や抱擁やキスなどのスキンシップをした時、また笑っている時に多く分泌される。言い換えれば“快”の感覚を味わっている時に分泌されるホルモンである。
ここで「ん?」と疑問に思われるかもしれない。
「泣く」ときと「笑う」ときで、同じ「幸せホルモン」が分泌される??
まるで真逆の状況であるかのような時に、同じホルモンが分泌されるというのは、いささか納得がいかない部分かもしれない。
人はどんな場面で「泣く」のだろうか?ご自身の体験を思い返してみていただきたい。
①悲しい時
②怒りを感じた時
③喜びを感じた時
④恐怖を感じた時
⑤過度の緊張状態にある時
⑥助けを求めたい時
…などなど…
③以外の時というのは、できれば避けたい心理状態であり、それが極限まで達すると生命の維持行動(危険から身を守る・逃げる、摂食・排泄行動をするなど)を行えなくなってしまう危険性がある。そのため、そのような心理状態から脱するため、また回復するために「泣く」と言う反応が起こり「幸せホルモン」が分泌されることで、生命の維持行動が行えるような心理状態に導くために働く。
「幸せホルモン」である『オキシトシン』が分泌されるとどのような効果があるかというと…
①愛情や信頼を促進する
②ストレスを軽減する
③痛みを緩和する
④免疫力を高める
⑤記憶力を向上させる
⑥学習能力を向上させる
⑦睡眠の質を向上させる
などがあると言われている。
ここからは私の持論であるが、「泣く」「笑う」両者でも「オキシトシン」は分泌されるが、どのような状況・精神心理状態で「オキシトシン」が分泌されるのかによって、より得られる効果は違うと思われる。
例えば「泣く」時に「オキシトシン」が分泌されると①②③④の効果が、「笑う」時に「オキシトシン」が分泌されると①④⑤⑥⑦の効果が得られるのではないだろうか。
(これはあくまでも持論であってエビデンスはない。経験から想像するに、である。)
ここで一つ心に留めていただきたいことがある。
先にどんな時に「泣く」のかを述べ、次に「泣く」時に分泌される「オキシトシン」の効果について述べた。つまり、「泣く」であろう場面で“泣かない(泣けない)”ということは、本来「泣く」時に得られる「オキシトシン」の効果が、得られなくなってしまうということである。
何を伝えたいか、というと、
『泣きたいと思った時には泣いたほうが良い』
と言うことである。
「泣くことは心の弱い証」「泣くことは恥ずかしいこと」「男は泣いてはいけない」そんな根拠のない言葉に振り回されてはいけない。「泣く」ことは正常な身体の反応で(一部、正常でない場合もあるが)「泣く」こと事態を非難するのはお門違いである。
以前「男が泣いて良いのは産まれた時と親が死んだ時だけ」と言うパワーワードを耳にしたことがあるが、日本人には特に男性が「泣く」ことへの否定的な印象が強いのではないだろうか。
私事ではあるが、50歳を目前にして、異常に涙もろくなった。
「年をとると涙もろくなる」とよく言われるが「じゃあ何故、年をとると涙もろくなる」のか?調べてみたところによると…
①涙腺の機能が低下する
②ストレスや疲労が溜まる
③ホルモンバランスの変化
④一部、薬剤の副作用
と言う理由があるそうだ。
私自身、双極性障害であるため、精神に作用するお薬を服薬しているので、④の影響も大きのかな?と。更に「涙もろくなる副作用をもつお薬」について調べてみると…
①抗うつ薬
②抗アレルギー薬
③高血圧薬
④降圧薬
⑤糖尿病薬
⑥抗凝固薬
⑦抗炎症薬
⑧抗がん剤
⑨ホルモン剤
⑩ステロイド剤
出るわ出るわ!!その多さにびっくりするのであるが、副作用というのは、そのお薬を服薬していて誰しもがかならず出るというものでもないので、これだけの数が挙がるのだと思われる。
しかし…
私は、①④を服薬しており、さらに年齢を加味するとホルモンバランスも崩れているのかもしれない(笑)。
それで精神心理が安定するのであれば、まあ、良しとしよう。
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