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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極性障害)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2023年10月4日水曜日

マインドフルネス(瞑想法・呼吸法)の医学的根拠『ちょー持論』

 最近、よく耳にするようになりましたね。『マインドフルネス』と言う瞑想法、とでも言いましょうか。スマホのアプリにもありますし、You Tubeでも沢山の“専門家?”が色んなコンテンツを紹介しています。

実は僕もやってます。アプリを使って(笑)

その方法を正しく理解して、タイミングよく使えば、気分を落ち着けたり、高ぶった興奮を鎮めたり、カタルシスを得られたり、様々な効果が得られると思います。




僕は27歳の時にHIV陽性告知を受けてから3年間くらい、月に一度、臨床心理士さんのカウンセリングを受けていました。それはHIV陽性告知を受けたことが原因で引き起こされたメンタル不調もありましたし、気軽に相談が(セクシャリティも含めて)できず、自分の中で処理しきれない感情もあったりしてお願いしていたからです。そしてメンタル不調の一つの兆しとして「不眠」がありました。僕の場合は「入眠障害」です。

入眠障害とは…
ベッドや布団に入っても、なかなか寝付けない状態。睡眠障害の一種で、ベッドや布団に入っても1時間程度経っても寝られない場合は「入眠障害」とされます。

それで、HIV診療の主治医からは「睡眠導入剤」をもらっていてそれを定期的に服薬していました。

睡眠導入剤とは…
睡眠障害を改善するためのお薬の一つ。「睡眠薬」と一般的にまとめて表現されることが多いのですが、「睡眠薬」には効果の効き方の違いで『超短時間作用型』『短時間作用型』『中時間作用型』『長時間作用型』の大きく4つに分類されます。一般的に「睡眠導入剤」と呼ばれる睡眠薬は、この4つの中でも『超短時間作用型』のお薬で、その効果は1~3時間程度と言われているものです。

僕はお薬を服薬することに対する抵抗感は特に持ってはいないのですが(お薬は上手に使うもの、と言う認識をしています)、やはり、寝られないと言うのはストレスからくる自律神経系の働きの不調だと思っていたので、自分で何かできることはないか?と探していました。そこで見つけたのは「自律訓練法」でした。


引用元を見ていただくと分かるのですが、いわゆる「自己暗示」をかけていくわけです。心の中でそれぞれの“言葉”を自分自身に言い聞かせ、その言葉通りに感じるように訓練してくのですが、僕にとっては非常に困難でした。

何故か。

“言葉”を心の中で唱え続けるという事が、とても難しいのです。その“言葉”を心の中で唱えているつもりでも、いつの間にか他の事を考えていたり、物音が気になったり、様々な要因がその集中を妨げるのです。

何度やっても、何度やっても、何度やっても、何度やっても、上手くできませんでした。当時の僕の診断名は「うつ病」でしたがおそらくこの頃から「双極性障害」の気質があって、僕の頭の中というのは、常にグルグルといろいろな事を考えており「頭の中がうるさい」状態でした(笑)。ですので、静かに集中すると言うのは難しかったのだと思います。


色々な事情があって、通院先の精神科クリニックを転院することになり、その転院先の臨床心理士さんによるカウンセリングで「認知行動療法とマインドフルネスをセットで行うと相性が良い」と言うことを教えていただき、カウンセリングの中でもマインドフルネスを取り入れて行ってもらうようになりました。

マインドフルネスのことを「瞑想法」とか「呼吸法」とか様々な呼び方がありますが、それぞれ言い当てています。詳しいことは、ここでは割愛しますが、マインドフルネスを行う際、注意する事が2つあります。

1.常に「呼吸」に意識を向ける。
2.ふと頭に思い浮かんだことや思考が逸れた時、それはそれとして思考が逸れた事に対し良し悪しの判断をせず、頭の中でやりすごし、再び「呼吸」に意識を戻す。

この2つです。
実はこの2つの注意点というのは、誠に理にかなっている!!と僕は思っています。


1.常に「呼吸」に意識を向ける
自律訓練法も頭の中で自分に向かって“言葉”を唱えるのですが、マインドフルネスでは実際に身体で行っている「呼吸」に意識を向けるので、非常に集中しやすいと思います。「呼吸」というのは、下の図のように横隔膜と言う筋肉の塊が動いたり、肋骨が筋肉によって動かされたり、鼻の中や口元に空気が通ることでその摩擦を感じたりと、様々な観点から「感じる」事ができるのです。頭の中で言葉を唱える事と、この様に身体から生じる色々な刺激に対する感覚があるという事を比較すると、圧倒的に後者のほうがソレに集中しやすいのです。



そして、「呼吸」に集中すると言う点で僕なりに良いと思っていることがあります。呼吸というのは、意識しなくとも勝手に身体が動いてくれる運動です。しかし、呼吸を早めたり止めたりと意識してコントロールできる運動でもあります。“意識しなくても勝手に動いている運動”の代表として心臓があります。心臓も勝手に動いていますが、意識してその鼓動を早めたり止めたりできませんよね?ここが非常に『みそ』だと思っています。

先程も少し話題にしましたが、身体の内臓の動きというのは「自律神経」によって動かされていて、「交感神経」と「副交感神経」に支配されます。「交感神経」はストレスのかかる状況や緊急事態に際して体の状態を整える働き(闘争・逃走反応)を担っています。一方「副交感神経」はどちらかと言うと日常的な状況下で正常な体の機能を維持する機能を担い、リラックスしている時に働いています。

両者の働きはおおよそ拮抗していて、交感神経が働けば脈拍、血圧、呼吸数を増加させ、副交感神経系はこれらを減少させます。しかしこれは、大体の場合において無意識下で行われており、意識的にコントロールできません。

しかし、「呼吸」だけは意識してコントロールできるんです!!

交感神経が沢山働き呼吸が早くなっていたとしても、意識的に呼吸をゆっくりに鎮めることが可能ですよね(もちろんそうでない状況もありますが)。呼吸がゆっくりになる=副交感神経が働き出す=リラックスしていく、と言う公式になっていくわけです!!!!

皆さんも一度はしたことがありますよね?緊張した時に大きく深呼吸をする、と言うことを。それです。それ。


2.思考が逸れた事を良し悪しの判断をせず、再び「呼吸」に意識を戻す。
「良し悪しの判断をしない」というのが「みそ」です。
僕のように真面目な?(笑)人間は、こういう事に取り組んでいると、してはいけないこと、ルールから外れたことに対して「それはダメなこと」とジャッジしがちです。ジャッジしてしまうと途端に集中が途切れ「思考が逸れた自分はダメな自分」と思い込み、その「ダメな自分」に思考が囚われてしまい、落ち着かなくなります。


(上の図はマインドフルネスのやり方の方法の一つですが、姿勢は基本的に決まり事はあまりありません。椅子に腰掛けてもいいですしベッドに寝ていても大丈夫です。ただ、最初は腰掛けていたほうが集中しやすいです)

「意識が逸れたらそれに良し悪しの判断をせず呼吸に意識を戻す」と言う事を拡大解釈すると「呼吸という“今”に集中する」と言うことに繋がります。

人が不安に陥るときというのは「この先どうなるのか」と言う“先取り不安”や「あの時あーすれば良かった」と言う“過去の囚われ”に起因することが多いと言われています。人はそういった不安や後悔を積み重ねると「今を生きる」事が困難になります。不安や後悔に心が占領されてしまうと「今、何をすべきか」を忘れてしまい、それが原因で不幸な結果を招いてしまう。そしてそれが後悔の原因となる。そんな悪循環が生まれてしまいます。

「呼吸という“今”に集中する」=「今、何をすべきかを考える」と言う繋がりができてくると、自分に対しての客観性がうまれ、後悔しない(しづらい)行動をとりやすくなり、結果的によい循環へと変化していきます。


このような方法というのは、万能ではありません。僕も、感情の振れ幅があまりにも大きい時はかえって「イライラ」の原因になることもあるので、マイルールとして「やって良い時・やってはいけない時・積極的にやるべき時」に分けて実行するようにしています。

そして、アプリを使うことで、アプリの音声で色々な指示をしてくれるのでそれに合わせて自分の意識や思考を順応させるという、利点やとっつきやすさがあります。



もし、精神疾患をお持ちで、お薬やカウンセリングだけではなく、セルフケアとしてやってみたいという方に、ぜひお勧めします。

マインドフルネスについてもっと聞いてみたいということがあれば、当公式サイトの「お問合せ」からご連絡いただければ、僕のできる範囲でお答えしていきたいと思います。どうぞ、ご活用下さい!!

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