ボクのblog内に「カウンセリングなんて…って思っている人へ」と言う全3回のシリーズの中で、ボクの『チョー持論』で「うつ病に対する運動の効果を検討した研究には“バイアス”がある」と強く主張してきました。
ここにきて、面白い研究結果がでてきましたので、少し紹介したいと思います。
バイアスとは…
一般的には偏りや傾向を示す概念のことです。統計学では、測定値と真の値との間の系統的な差異を指します。これは、測定器具の誤差や観察者の主観などにより生じるものであったり、また、機械学習においては、モデルが真のデータ分布を適切に捉えられないことによる誤差を指します。
この研究報告は、「感情障害ジャーナル(Journal Of Affective Disorders)」と言う雑誌に掲載された介入研究です。
介入研究とは、ある疾患や障がいをもった人達をいくつかのグループに分け、それぞれ違った治療法をしその後の治療成績を比較する研究のことです。
うつ病または不安症の診断を受けた141人の患者が参加。患者は2つのグループに分かれ、1つは週に2回、みんなでランニングプログラムに参加するグループ。そして、もう1つは選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と呼ばれる一般的な抗うつ薬を服用するグループです。どちらも16週間のプログラムでした。
結果から言いますと、研究期間の終了時に、両グループそれぞれ約44%の人に症状の明確な精神的健康の改善が見られ、寛解と見なされています。しかし、グループの間には大きな違いもありました。つまり、『運動をしても抗うつ薬を飲んでも効果は変わらない』と言う結果だった、といっているのです。
ほれ見たことか!!
そして、この研究の興味深いところは、対象者を2つのグループに分ける時に、まずは「無作為に分ける(患者が運動するグループになるか薬を服薬するグループか選べない)方法」と「対象者が好きな方法を選ぶ方法」のどちらかにするのかを対象者が選択する、と言うところから始まります。
そして、「対象者が好きな方法を選ぶ」を選んだ対象者のうち2/3がランニングを選択肢したそうです。そしてランニンググループの参加者のうち、16週間のプログラムを完全に守ったのは52%だけでしたが、一方、抗うつ薬を服用していた人のうち82%がプログラムを遂行していたのです。
つまり、自分自身で「ランニングします」と言っておきながら、16週間、週2回のランニングのプログラムをやり遂げたのは「たった52%だった」と言うことです。
ほれ見たことか!!
この論文を発表したBrenda Penninx教授は、「抗うつ薬は一般的に安全で効果的です。ほとんどの人に効果があります。うつ病を全く治療しないことは悪化を招きます。なので、抗うつ薬は一般的には良い選択肢とされていますが、抗うつ薬に反応しない患者や、服用する意志のない患者も存在するのです」とPenninx教授は述べています。
運動は患者にとって魅力的な代替手段かもしれませんが、この研究でランニングを続けた人の割合が低かったのは、多くの人がルーティンを維持するのにサポートが必要であることを示唆しています。またPenninx教授は「患者に走るように言うだけでは足りません。運動療法を取り入れるには、適切な見守りと励ましが必要なのです」と付け加えています。
結局のところ運動は「誰かと一緒、または励まし導いてくれる人がいると継続できる」「一人で継続して行うのは困難」だと言うことですね。
ボクのblog「医療従事者の言うことは絶対に守るべし?!コンプライアンスとアドヒアランス」にも記載しましたが、セルフケアと言うのは、継続することが非常に難しいです。「それが健康のために良い」とか「病気を改善してくれる」と分かっていても、もともとの習慣がなければ、続けることは難しいのです。
志を同じくし、互いに励まし合いながら切磋琢磨する…「同志」のような存在が必用なのです。
決めました。
実はボク、最近になって体重が増えていたんです。
運動します。だって近くに市のスポーツセンターがあるんですよ。しかもボクは身体障害者なので利用料が無料です。
ただね~やっぱり一人じゃ…って思ってスポーツセンターのサイトを確認したら、毎週木曜日にエアロビクスをやってるんです!ボクが唯一「楽しいと思ってやれるスポーツ」がエアロビクスなのです!(あとヨガも好きです)
もう、やらない理由がありません。
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