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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2023年9月24日日曜日

心理カウンセリングで症状悪化?!あり得るんです。

心理カウンセリングを受けたことがある方だと、そのセッションが終わった後に「何となく道が開けた」「少し前向きになれた」「モヤモヤが晴れた」などの気持ちを味わったことがあると思います。

しかし、中にはその様に一筋縄ではいかない場合もありまして…




今現在、苦しんでいる様々な症状の原因が、実は幼少期の体験が影響していたり、顕在化していない(無意識下での)トラウマであったり、見て見ぬふりをしている家族関係であったりすると、セッションを重ねる毎に、徐々にその問題が顕在化・表面化してくる事があります。

そうすると、クライエントにとってみたら、意識したくない事や忘れてしまいたい事、無意識のうちに蓋をしてしまった事などをえぐり出すわけですから、その事を頭の中で追体験してしまったり、その当時の感情が蘇ってきたりして、かなりツラい事になりかねません。

また、その様な経験や出来事を、クライエントは重要と思ってもみなかったりすると、突如湧いてきた感情に戸惑ったり、さらにその感情を否定的に受け止めたりする事にもなり得るんです。

そうなると、過去の自分自身と向き合いそして対峙せざるを得なくなり、今現在のクライエントでも処理しきれなかったり、上手く受け入れられなかったりすると、さらにこじれてしまいます。


以下の様な疾患や障害の場合、もしかしたから、前述した事が原因である可能性もあります。



心理療法の中に「催眠療法(ヒプノセラピー)」は皆さんご存知だと思います(メディアなどで「催眠術」などと言う表現の仕方は誤りで、正しくは「催眠療法」です)その催眠療法の中に「退行療法」「年齢退行」という技法があり、催眠状態のクライエントの、無意識下に押し込められた経験や事実を、顕在化してく方法があります(催眠療法は熟練者が行うもので不用意に行うものではありません。ご注意下さい)。



催眠療法では、かなり強固に抑圧されている過去の経験やそれに伴う感情を想起させることも可能です。しかし、そうでなければ一般的な心理カウンセリングでも対話を通して、抑圧が外れることも、よくあります。

そこで「状態が悪くなった」「心理カウンセリングが原因で悪化した」と思い、中途半端に心理カウンセリングを辞めてはいけません。それこそ、もっと酷い心理状態になり、それが身体化(精神症状が身体症状として現れること)してしまう恐れもあります。

この段階で、過去の自分と対峙し真正面から向き合い、隠されていた感情などに気づきが得られることで、過去の自分では処理しきれなかった経験やその感情を、様々な人生経験を積んだ今の自分が、キチンと受け入れ認めることで、様々な問題が解決に向かっていきます。

ここで強調したいのは、あくまで抑圧してきた事実や感情は、今の自分よりずっと幼く稚拙で、その対処法しか知らなかった、出来なかっただけなのです。言い換えれば、今の自分自身であればキチンと受け止め、対処し、楽に処理できる可能性が高い、ということです。

そしてそのお手伝いをするのが心理カウンセラーです。
過去のご自分と向き合うことは非常に困難で辛いことですが、心理カウンセラーが適切な距離感を持って、クライエントに寄り添い支えます。

誤解を恐れずに言うと、解決するのはクライエント自身です。あくまでも。私達、心理カウンセラーは、そのお手伝いをするに過ぎません。



僕がインテーク面接(初回のカウンセリング・セッション)で、クライエントの主訴や状況を把握し、上記の様に過去の体験や抑圧された感情が原因であると見立てた時には、正直にお伝えするようにしています。このままセッションを重ねることで、一時的に状態が悪化する可能性とその理由についてお伝えし、その上で継続していくかどうかを。その上でどうするかの決断をしていただきたいと思っています。

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