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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2023年9月13日水曜日

クララが立った!!ってクララは何の病気なの?その1

あの有名な「アルプスの少女ハイジ」皆さんも一度は目にする事はあるでしょう。

そう、そして有名なあのシーン。
「クララが…クララが立った!!」

そもそも、なぜ、クララは歩けなかったのか。立てなかったのか。

時代的な背景と共に医学的な見地から、色々な事が言われていて、調べれば調べるほど面白い事実が分かってきたので、思わず筆を執りました。



原作はスイスの作家ヨハンナ・シュピリによる児童文学作品で、1880年から1881年に執筆されました。原題は『Heidis Lehr- und Wanderjahre』(ハイジの修行時代と遍歴時代)で、1880年に出版されました。


僕はアニメを再放送で見ているだけで、しかも小学生低学年くらいだったから、「アプスの少女ハイジ」のストーリーそのものを忘れてしまったので、少し、調べました。


ハイジは、幼い頃に両親を亡くし母親の妹であるデーテに5歳まで育てられていました(ただし両親の死因は不明)。しかし、デーテがフランクフルトでの住込みの仕事を得たため、ハイジを連れて行くことができず、山奥のアルプスに住む祖父であるアルムおんじに預けました(じつは祖父の正式な名前は不明なんです“アルムおんじ”は通称)。
デーテは、ハイジの祖父アルムおんじが、ハイジを可愛がって育ててくれるだろうと考えていました。また、ハイジは、アルプスの自然の中で、心豊かに成長してくれるだろうとも考えていました。実際、ハイジは、祖父アルムおんじの元で、自然や動物たちと触れ合い、心豊かに成長していきました。

では、ハイジとクララの出会いは…
スイスのフランクフルトに住むクララの親であるゼーゼマンは、裕福な商人でした。しかし、クララが幼い頃に妻を亡くし、一人でクララを育ててきました(死因は不明)。クララのためには、どんなことでも惜しまない、愛情深い父親です。ハイジの叔母に当たるデーテは、ハイジの母のつながりからゼーゼマンと知り合ったようです。ゼーゼマンはデーテにハイジと言う姪がいることを知り、2つの理由からハイジをゼーゼマン家に呼び寄せたと言います。

1つ目は、クララの病気を治すためです。クララは、幼い頃から病気で、足が不自由になっていました。ゼーゼマンは、アルム(アルプス)の自然がクララの体と心に良い影響を与えることを知り、ハイジを呼び寄せることにしました。

2つ目は、クララの心を癒すためです。クララは、病気のために、外出や遊びを制限されてきました。ゼーゼマンは、ハイジの明るく陽気な性格が、クララの心を癒してくれるのではないかと考えました。


さて、ここで問題です。
クララはどんな病気で、足が不自由になったのでしょうか。
実は、原作にもその点については書かれていないのです。そこで、色々な人が色々な見解を述べていて、時代背景とともに具体的な病名が浮かび上がってきました。

ビタミンD欠乏性くる病」と言う病気です。
小さな子供の頃、人間は成長するために、骨もドンドンとより長く、より太く、より固く成長する必要があります。骨がカルシウムで出来ていることは有名な話なのでご存知の方も多いと思いますが、実は骨というのは、コラーゲンというタンパク質の周りにカルシウムやリンと言うミネラルがくっついて固くなります。この“ミネラルがコラーゲンにくっつく”ためにはビタミンDが必要と言われていているのですが、ビタミンDは食べ物から取り入れることの他に、皮膚に日光を当てることによって「活性型ビタミンD」と言うものに変化して、初めて骨を作るために働けるようになるのです。

「アルプスの少女ハイジ」の原作が書かれた1800年代(19世紀)というのは、スイスでも産業革命が起こり1860年代には最盛期と言われた頃です。その頃のヨーロッパというのは、化石燃料を盛んに燃やして産業に活用していたため、大気汚染がかなり進んでおり、昼間でもなお薄暗く、工場が沢山立ち並んでいた都市部では、日光を十分に浴びることが出来なかったと想定されています。

つまり、クララはフランクフルトと言う都会に生まれ育ち、十分にビタミンDを摂取せずかつ日光にもあまり当たることがなかったため、骨の成長が不十分で「ビタミンD欠乏性くる病」になり、立って歩くことが出来なかった、と言うのが、多くの見解です。


しかし、ここで理学療法士として、「クララが…クララが立った!」には疑問を感じずには言えない事実があるのです。

それを次回、理学療法士の視点から見解を述べていきます。

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