ここ最近、セクシャルマイノリティの同性婚問題に関連して、『Ally(アライ)』と言う言葉を耳にするようになりました。皆さん、この『Ally(アライ)』と言う言葉の意味、キチンと理解されていますか?先日、SNSでとても気になる投稿を見たので、それに感化されまして(笑)ボクなりに深掘りしたいと思います。
(セクシャリティ問題における)allyとは…
ストレート(異性愛者)のシスジェンダーやセクシュアル・マジョリティ(性的多数者)ではあるけれど、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者/LGBTQ+などの当事者)が社会的に不利な立場に置かれていると認識し、当事者を支援する人々を指す。
つまり、「私はallyですよ」と公言すると言うことは「セクシャルマイノリティの味方です」と“わぞわざ”周囲に伝える、と言う事です。
では、『ally』の語源は何でしょうか?
[自他動] 同盟する [自動] 提携する [名] 同盟国
この語源から考えるにallyと言う言葉が使われる時、1対1または1対複数の関係性を表していて、その両者には上下関係はなく並列に扱われるべき関係性であると思います。
では『ally』の対義語は何でしょう。
『ally』の対義語は『opponent』と言う単語になります。
opponentとは…
競技や議論などにおいて自分と対立する立場にある人物を指す言葉である。対戦相手や相手、対抗者といった意味合いが含まれる。スポーツやゲーム、政治やビジネスなど、さまざまな分野で使用される。
では『opponent』の語源は?
[名] 対戦相手・敵 [形] 対立する
言葉の意味を考える時、その語源や対義語を知ることで、より深くその言葉の意味を知ることができるのですが、今回『ally』と言う言葉の意味を考える時に、その語源や対義語を知ることで、ボクはより一層、今、日本で使われている『ally』と言う言葉に違和感を覚えずにはいられません。
そしてボクは、その違和感に気づきました。
つまり『ally』と言う言葉を使うことで必然的に『allyではない=opponent』になってしまう、と言うことです。
恐らく、今の日本で、セクシャリティにおけるマジョリティの人たちが、マイノリティの人たちと接する中で、わざわざ「私はallyです」と言う立場をとる人が、どれだけの人数いるか、と言うことです。
「allyでもない。でもopponentでもない」と言う人が大多数ではないでしょうか?
「セクシャルマイノリティがそこにいて当たり前」と思っている人たちがあえて『ally』と言う言葉を使う必要があるかどうか、と言うと、ボクはそれは違うと思います。
セクシャリティ問題におけるallyと言う言葉が、いつ頃から使われ始めたのか少し調べたのですが、はっきりとした事は分かりませんでした。ただ、1つ言えるのは、やはりSDGsが話題になりだした2015年頃からや、日本における同性婚問題が明るみに出始めた頃に、よく耳にするようになったように感じます。
ここからは超持論なのですが(笑)正直、『Ally』と言う言葉を使うその意図には、どうしても「お金」の匂いがしてなりません(笑)。
企業や団体が『Ally』をアピールすることで、何らかの利益を得ると言う、きな臭さがあるような気がするんです。
もっと言うならば、「LGBTQフレンドリー」と言う言葉の方が、よほどしっくり来ます。
もう、ここまでくると理論的ではなくほとんど「印象」とか「感性」の問題になるかもしれませんが(笑)でも、ボクはそんな気がしてなりません。
ボクはよく、「言葉に対してキチンと理解して使う」と言うことを、常に意識しています。その理由の1つはボクが心理職であるということが関係していて、「言葉」というのは「自分以外の誰かに何かを伝えるための手段」ですよね。だから、「その言葉を使う(発する)人」と「その言葉を受取る人」の間に、理解のズレがあっては正しく伝わらない、と思っていて、それって心理カウンセリングでとても大切なことだと思っているんです。
感情を表現する言葉だけではなく、環境や状況を正しく伝えて理解すると言う事はとても大事です。
もう一つは、医療短大時代の恩師の教えです。
医療の分野では、論文を書いたりレポートと書いたり、または書籍を読んだりする機会は非常に多いです。つまり自分自身が伝えたいと思っていることをキチンと相手に伝えるために言葉を正しく使う、と言う事が必然的に求められるからです。
話が逸れました…(笑)
先程述べたように『ally』と言う言葉を使うことに、何らかの利益を生むために使われているのでは?と言うボクの推測のもう一つの理由に「言葉がおしゃれ」「響きが良い」「なんとなくかっこいい」と言うような理由で使われている印象もあります。
「LGBTQフレンドリー」と言うより「ally」と言ってしまったほうが、そんな印象うけませんか?(笑)
言葉は時代とともに変化するものではありますが、それはそれでいいと思うのです。
しかし、「そもそもこういう意味で使われていてこういう使い方だったんだよ」と言う“源”を知っておくことは、とても大事だと思っています。
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