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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年4月8日月曜日

自分は自分!!①〇〇らしさ(リライト版)

ボクは、「〇〇らしさ」という言葉が嫌いです!とっても(笑)


男らしさ

女らしさ

先生らしさ

患者らしさ

教師らしさ

生徒らしさ


ボクは今まで深く考えずに、その『らしさ』という言葉を嫌ってきたけれども、よくよく考えてみると、それは〝個性を奪う言葉〟なのだと認識したときから、腑に落ちるようになりました。

そして、その『らしさ』にこだわる事が、とっても大きな弊害を生み、それを押し付けたり押し付けられたりすることが『生きづらさ』の原因になっているのでは?と考えるようになりました。


ボクの生まれ故郷は、岐阜県の山奥です。そしてボクは本家の長男として産まれ、小さな頃からなんとなくそれを意識して育ってきた気がするんですよね。田舎の土地の本家だから、盆・正月には親戚一同が集まるし、冠婚葬祭は盛大に行われるのはもちろんのこと、家屋や田畑、山林の世話に至るまで本家長男の役割として、代々、受け継がれてきました。


少し余談になるのですが、先日、母と話をしていて、昔々、このような本家の行事ごとの度に母は、大変な苦労をしていた、と聞きました。食事一つとってもそうだし、その土地の風習や習わしに則った“やり方”があって、それを守らなければならない。

それにいくら親戚(勝水家の血縁)とはいえ、人間的に合わない人やなんとなく反りの合わない人もいるわけですよ(笑)そりゃ~仕方がない。だってお互い、人間だもの。けれど母は文句一つ言わず、父や勝水家を支えてきたわけです。

「内助の功」とはよく言ったもので(笑)
ちなみに…この「内助の功」の語源となったのが、土佐国高知藩主:山内一豊(やまのうちかずとよ)の妻である見性院(けんせいいん)である、とされており、なんとこの見性院さん、岐阜県郡上市の出身と言う説もあるんです!

話を元にもどしますね(笑)。


ボクは、それら「勝水家長男としての役割」みたいなものが嫌で嫌で仕方ありませんでした。

自由がないと思ったし、田舎の非常に狭いコミュニティ、あの世界の中だけで生きていくのはとても耐えられないと思ったから。だからボクは、高校を卒業と同時に実家を離れ、できるだけ接点を持とうとしてきませんでした。


少し話は逸れますが(またか!)昨今の同性婚問題も、日本人特有の「らしさ文化」に根付くところがあるのではないか?と思ってしまうわけです。

ただ、同性愛というものに対し、何らかの嫌悪感を抱く人がいるのは、当たり前だろうな、とボクは思います。それはある種、遺伝子に組み込まれている感覚もあるのかなぁ~と。以前、このblog『汚いモノは嫌われる?!行動免疫システム!!』でも話題にした『行動免疫システム』に近いものが私達ヒトの中に組み込まれていて、「理由はないけどなんとなくイヤ」みたいな事があるんじゃないのかな、とボクは考えます。だからそれは、ある意味仕方のないこと。

けれど、嫌悪することと差別行動を起こすことは別だと思っていて。ましてや、法律で「あれやこれや」と理由をつけ、majority(マジョリティ:多数派)のもつ権利をminority(マイノリティ:少数派)には与えないというのは、いかがなものでしょーか?

特に、人口減少がおき始めている日本において、majorityだけを認めるような法律・法案というのは、日本という国を滅ぼしかねない、とも考えられるわけで。minorityを認めmajorityとの格差を埋めるだけでも、国力になるのではないのかな~と、ボクは考えます。


ゴメンナサイ(汗)話が飛躍しすぎました。


ボクは産業カウンセラーであり、理学療法士であり、社会福祉士です。

どれも対人支援・対人援助のお仕事で、どれもそうなのですが、一番大切にするのは「その人らしさ」であったり「その人の幸福を考える事」です。ボクはそれを大切にしてそのお仕事をしてきたし、今からもそうでありたいと思っています。


そして、ボク自身もボクらしく、またボクなりの幸せを掴み取り生きていきたいと思っています。

2024年4月1日月曜日

死を考える④人は二度死ぬ~49歳になって~

4月になりました!
2024年度も「勇者の部屋」ならびに担当カウンセラーである、産業カウンセラーの勝水健吾を、これからもどうぞよろしくお願いいたします🙇🏻‍♂️

私事で大変恐縮ではございますが、2024年3月29日に49歳の誕生日を迎えることができました。これもひとえに皆様の温かいご支援や励ましの言葉などのおかげと思っております。

ボクはこの半年、多くの方と『心理カウンセラーとクライエント』と言う形で関わらせて頂きました。皆さんと一緒に過ごした時間が、ボクにとってどれほどの人間的な成長の糧となり生きるエネルギーになったことか!!言葉では表し尽くせないほど感謝しております。

本当にありがとうございます🙇🏻‍♂️😄😘


そんな新年度一発目のテーマが『死を考える④人は二度死ぬ』と言う、一見、重いテーマなのですが、50歳という大台を目の前にして、「ボクがこの先どの様に生きていきたいのか」を考えた時、どうしても「自分の死」と言うものを考えずにはいられなくなり、この様なテーマにしました。

ま、いつもの様に気楽に読んで頂ければと思います。


タイトルにも書きましたが、皆さんも一度は何処かでこの言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?「人は二度死ぬ」。

ボクも色々と出典元を探したのですが、どうやら、作詞家でエッセイストの故:永六輔 氏が何処かでお話になられたのが日本で広がったようです。

昭和ド世代のボク(笑)には記憶に新しいところなのですが、あまりご存じない方の為に少しだけ、永 六輔氏 についてご紹介させて下さい。


永六輔

永 六輔(えい ろくすけ、本名:永 孝雄(えい たかお)、1933年(昭和8年)4月10日~2016年(平成28年)7月7日)は、日本の放送作家、作詞家、エッセイスト。

テレビやラジオなどを中心に活躍。軽妙な語り口と歯に衣着せぬトークで人気を集めた。1961年7月に坂本九により初演され、その後世界中でヒットしたポップソング『上を向いて歩こう』の作詞者として知られる。また短く簡単な言葉で物事の本質を突く、短文の名人としても知られ、著作も多い。『大往生』は200万部を超える大ベストセラーとなった。




確か、彼がエッセイ『大往生』の中で「人は二度死ぬ」と言う言葉を遺された(と思います)。さて、この言葉の意味なのですが、どの様な事を言っているのかというと…

“「一度目の死」は肉体の死、「二度目の死」は人々の記憶から消えること”

と言う意味であると語っています。

深い…非常に深い。


また日本にはこの様なことわざ(慣用句)があります。

『虎は死して皮を残し人は死して名を残す』

コレはどの様な意味であるかというと…

“虎は死後に毛皮が珍重され、人はりっぱなことをなすことによってたたえられ、死後に名を残すことができる。人は死後に名が残るような生き方をすべきである。と言う教訓”


一部SNSで、誕生日に迎えるにあたって、今のボクの心境などお伝えしていますので詳しくは割愛させていただきますが、ボクはHIV陽性者です。人生100年時代という世の中で50歳と言うのは、ちょうど折り返し地点です。しかし我々HIV陽性者は、「平均寿命まで生きられるようになった」と言われていますが、実際のところ、それを科学的に証明されているわけではありません。

それはココのblog『慢性感染症に注意?!微小炎症とフレイル・サルコペニア』でもお伝えした通り、HIV感染症という病気が微小炎症を起こし、健康な人よりも10~15年老化が早く進む、と考えられていて、もちろん命が尽きるのもそれくらい早い“かもしれない”と言うことです。

人生100年時代、とは言え、今の日本の平均寿命は男性で81.05歳、女性が87.09歳くらい(2022年統計)なので、HIV陽性者であるボクは、もうとうの昔に人生の折り返し地点を過ぎているわけで(笑)

仮に男性の平均寿命を81歳とすると、ボクの寿命は71~65歳である可能性が高いんです。そうすると、あと、20年弱“しか”残っていません!!成人式1回分ですよ!!また、ボクはゲイですので、もちろん今は女性と結婚しておらず、また、自分の子もいないため、ボクの遺伝子はボクで終わります。

そうやって考えると、自分の『死』と言うものが、とっても現実味を帯びて感じるわけです。メチャクチャ、ドキッとしまして(笑)


先にお伝えしました虎の様に、死しても皮を残せるほど偉業をなしえたいとか、物凄いことをしたいわけではありませんし、世の中をひっくり返すような大事(おおごと)をなし得たいとも思っていません。ただ、世の中に爪痕を残したい(笑)

そう。そうなんです。

「ああ、あんな人もいたな」
「あの人、あんな事言っていな」
「あの人が居てくれたおかげだな」

ボクが死んだ後、そんなふうに思い出してくれる人がいて欲しい、と思っています。

そのための方法と言うか手段が、今、ボクが行っている様々な活動に全て集約されていて、それがボクの生きる原動力になっていると思っています。


今、自分の人生を振り返ってみると、沢山の回り道や寄り道をしてきました。たくさんの人に迷惑をかけたりもしましたし、やりたい放題やらせてもらってきました。でも、どれも無駄なものは一つもなくて、今のボクを形作っているものだと思います。

そして今からは、肉付けされた部分をどんどん削ることで研ぎ澄まし、磨き上げられていくような人生を送りたい、そう思っています。

多分、今からの人生が、ボクの本当にやりたいと思ってきたことに繋がりそれは、生き方になっていくんだと思っていますし、そうしなければならないとも思っています。


もしボクが70歳の誕生日を元気に迎えることができ、このblogを読み返すことができていたら、もうそれは、ボクにとっての奇跡かもしれません(笑)



もしよければ、皆さんがその歴史的瞬間の目撃者であって欲しいな、と密かに願っています。

2024年3月27日水曜日

悲観的な人がポジティブな情報を受け入れられない?!認知的免疫化とは

 ボク、最近、すごく実感していることがあって。それは『感情と認知はとても関係性が深い』と言うことです。まあ、知ってる人は知っているし、当たり前っちゃ~当たり前だし、『認知行動療法』なんかは、その原理を応用しているわけだから、そりゃーそーなんだけど(笑)。

色々なバックグラウンドを持った様々なクライエントと接する中で『あ!こーゆー認知の仕方をしているからこーゆー感情が生まれるんだ』とか『この方はこーゆー受け止め方をしているから、今、こんな事に悩んでいるんだ』とか『こーゆー捉え方をするともっと楽になれるのにな~』とか、ボク自身にも気付きがいっぱいいっぱいあって。

今までココのblogでも認知の事に関して、たくさんのお話をお伝えしてきましたが、その都度お伝えしているように、認知の仕方というのは、その人が今まで生きてきて取捨選択し自分自身で正しいと思った方法を自分自身に取り込んだ結果なので、なかなか変えられない。

ここであえて『修正』とは言いません。『修正』と書くと何となく、ソレまでの認知の仕方が『誤っている』『間違っている』と言う印象を受けるから。ね。

その人が獲得してきた認知の方法と言うのは、ある意味仕方のないことだったと思うんです。その人がその時、それが最善と思って選択したことであるし、それを否定したところで何も建設的な話にはならないので。

ただ、それはソレとしてご自身で受け入れ、「今までの自分、良く頑張ったね。でも今からもっと楽に生きていくために、今までの自分と少し距離を置くね。大丈夫。見放すわけじゃないから」みたいな感覚で、認知の話を読んで欲しいなあ~と思います。


さて、前置きが長くなりました(笑)
今回、お話するのは「悲観的な人はどうしてポジティブな情報までネガティブな事として受け止めてしまうのか」と言うお話です。

ボクのblog『楽観的に生きるって?!防衛的悲観主義・戦略的(方略的)楽観主義』に悲観主義(ネガティブシンキング)に関して詳しく記載していますので、そちらもご参照下さい。

今日、お話するのは主に『うつ病』の方によくある思考や認知についてお話しますが、いわゆる『悲観的』であったり『ネガティブ思考』であったりする人に共通する部分も多いと思いますので、ご紹介させて下さい。

『Biased belief updating in depression(うつ病における偏った信念のアップデート)』では、〝うつ病の患者さんで認知行動療法を行っても上手くいかない人には、「自分は失敗者だ」「人は信用できない」「世界は不公平だ」などの信念を抱いている可能性があります。〟と言っています。しかも、〝困難な課題でよくやったと言われるなど、自分と矛盾する肯定的なフィードバックを受け取ると、通常はそのような信念を修正します。しかし、うつ病患者は、肯定的でポジティブな経験をしているにもかかわらず、否定的な信念に固執することがよくあります。〟と述べています。

つまり、客観的にみて良い結果を出したり、肯定的な結論に行き着いたとしても、それを否定するような思考を強化してしまう傾向にある、と言うわけです。


以前のblog『自分で自分が信じられない…インポスター症候群!』に通ずるものがありますね。

認知行動療法を体験したことがある人は何となく分かると思うのですが、事実を客観的に見て、それを正当な評価を下す必要があることを学んだり、自分自身の認知の仕方が主観的過ぎる事を知ることで、沸き起こる感情に変化をもたせることができるのですが、あまりにも強い信念を持っていると、そこから脱出できなくなってしまう、とこの論文では言っています。

この様な現象を『認知的免疫化』『認知的予防接種』『メンタル・イノキュレーション』などと呼ばれます。

この『認知的免疫化』は本来、肯定的な意味合いで使われます。たとえば…

①誤った情報の典型的なパターンを学習する
誤情報の拡散によく使われる手法(感情に訴える、権威を利用する、二分法的に考えるなど)を理解することで、類似の情報を見抜く力を高めることができます。

②誤った情報の対抗となる情報を事前に学習する
特定のテーマについて、信頼できる情報源に基づいた正確な知識を身につけることで、誤った情報に惑わされにくくなります。

③批判的思考スキルを鍛える
情報の信頼性や論理性を見極めるためのスキルを向上させることで、誤った情報の論理的な矛盾や信憑性の低さを発見しやすくなります。


しかし一方で、認知的免疫化がネガティブに働いてしまうことで、前述したようなうつ病の方にありがちな思考や認知になってしまうこともあります。

では、何故、うつ病の方はこの様な認知的免疫化を引き起こしてしまっているのか。ドイツの研究者であるTobias Kubeは、こう考察しています。

〝うつ病患者の多くは、自分の否定的な信念が「正しい」と証明されたと感じた過去の経験、たとえば、失敗と認識された経験を持っています。このような(まれな)経験は失望や不快な感情を伴うため、うつ病患者はそれを非常に重要なものとみなし、そのような失望の再発を何としても避けようとする可能性があります。その結果、「後悔するよりも安全なほうが良い」というアプローチを採用することで、彼らは(意識的にせよ無意識的にせよ)否定的な信念を修正するよりも、それを持ち続けることを好むかもしれません。なぜなら、信念の修正は、結局物事が悪くなった場合に再び失望するリスクを伴うからです。〟

つまり、その方の今までの経験上、失敗や過ちを経験した時に絶望や失望、悲壮感などを味わってしまい同じ経験を繰り返したくない、と言う思いがあるため、これから経験することに対しても同じ感情を味わいたくないと思ってしまっています。同じ様な経験や体験をする事を予期した時に、成功による達成感や肯定的な感情を味わうかも知れないと期待して失敗した時に絶望するよりも、むしろ最初から期待しない事を選択したほうが『心や精神を護ることができる』と考えてしまうから、と言っています。


なんだかとっても悲しいですよね…

こんなふうに世の中の出来事を感じることしかできないなんて…

この様な思考過程や認知の仕方に陥ってしまうと、ご自分一人ではなかなか抜け出すことができないと思います。

じゃあどうするか。

やはり心理カウンセリングを頼るのが良い、と多くの研究では言っています。しかもいきなり『認知行動療法的に言ってあなたの認知過程は誤っています』とお伝えするのではなく、まずはクライエントが、客観的な認知過程を受け入れるための準備運動が必要だ、と言っています。

それは例えば何気ない日常の楽しいことであったり、クライエントの興味関心のあることであったり、楽しい思い出などを語って頂き、クライエントがオープンマインドになるために、その固くとさざれた心の扉を、クライエント自ら開く、開こうとする事に導いてあげる、と言うことです。

えっと、思いっきり心理カウンセラーの手の内をバラしてますよね(笑)。でも良いんです。心理や感情のお話って、なんだか雲を掴むようなあやふやな物として捉えている方も多いと思うので、キチンと理論的思考で説明することが大事だ!とボクは思っていますので。



今回のお話はいかがでしたか?
もし、ご自身で思い当たるところがあれば、ぜひ、ボクと一緒に問題解決のための旅に出ていませんか?

2024年3月21日木曜日

万病の元!⑥自己否定思考

 日本人には『謙虚』と言う美学がありますよね。奢り高ぶらず、自分の能力や権力をひけらかすことなく、自分以外の人と接する…そんな事を考えていたら、ボクはふと『妖怪人間ベム』と言うアニメを思い出しました(笑)。


このアニメを知っている人は、少なくとも40代ですね(笑)。そしてこの記事を執筆するため、色々と調べていくと、実はこのアニメ、日本産だったんです!ストーリーの中で出てくる人物や服装、建物などかなりヨーロピアンだったので「海外からの輸入物か?」と思ったのですが。

詳しいストーリーは割愛しますが、彼らは人間になるために、人知れず悪者を退治し善行を行う、と言うのが大まかなお話なのです。

彼らは究極の『謙虚さ』を持ってそれを生きる糧にしているようです。


さて、実際のボクたちの生活に目を向けてみましょう。

やはり日本人は、自分の能力や権力をあからさまに表現する人に対して一種の『嫌悪感』を抱く民族です。自分がどれだけの功績を残してきたか、どれだけ人のために役立っているかなど、自ら表現することに抵抗感を覚える人も多いのではないでしょうか?

しかしそれも行き過ぎてしまうと、メンタルヘルス上、あまり良くない影響を及ぼすこともあります。


ココでは【謙虚過ぎる≒自己否定思考】としてお話をさせていただきます。

自己否定思考をするクセをお持ちの方というのは、実際、どの様な考え方をしてしまうのか、いくつか具体例を挙げてみますね。

・自分の能力や価値を低く見積もる
・些細なミスや失敗で自分を責める
・他人と比べて落ち込む
・「私なんてダメだ」という考えが頻繁に頭に浮かぶ
・ポジティブな意見や褒め言葉を素直に受け取れない

以前、ボクのblog『自分で自分が信じられない…インポスター症候群!』でお伝えしたことがあるのですが、この『自己否定思考』が行き過ぎてしまうと、自分の周りの人の事を信じられなくなってしまい、疑心暗鬼になるという、一種の病的な状態「インポスター症候群」になってしまいます。

ここまでいかなくとも、ご自身の性格傾向として、上記に挙げたような自己否定的な思考をしてしまうクセをお持ちの方って、多くおられるのではないでしょうか?

自己否定思考を繰り返していたり、それが当たり前だと思っていると、実は以下のような弊害が生まれてしまうのも事実です。

・自己肯定感の低下
・モチベーションの低下
・うつ病などの精神疾患
・人間関係の悪化
・新しいことへ挑戦することへの躊躇
・レジリエンスの低下

レジリエンスとは…
レジリエンスとは、困難で脅威を与える状況にもかかわらず、うまく適応する過程や能力、および適応の結果のことで、精神的回復力とも訳されます。


では自己否定思考になりやすい人の性格傾向について、もう少し掘り下げてみましょう。以前、ボクのblogでも解説した部分もありますので、そちらはリンク先をご参照下さい。

①完璧主義
完璧主義者は、常に完璧な結果を求め、自分自身に対して非常に厳しい基準を設けています。そのため、少しでもミスや失敗をすると、自分を責めたり、否定したりしてしまう傾向があります。

②低い自己肯定感
自己肯定感の低い人は、自分自身を価値ある存在だと認識できていないため、自己否定的な思考に陥りやすいです。自分の能力や価値を低く見積もり、他人と比べて落ち込むことも多いです。

③ネガティブ思考
ネガティブ思考の人は、物事を悪い方へ考えてしまう傾向があります。些細な問題でも大げさに捉えたり、将来への不安を過度に心配したりするため、自己否定的な思考に陥りやすいです。

④自己批判
自己批判とは、自分自身の欠点や弱点を過度に批判することです。自己批判が強い人は、自分の良いところよりも悪いところに目が行きやすく、自己否定的な思考に陥りやすいです。

⑤悲観主義
悲観主義者は、物事を悲観的に捉える傾向があります。どんな状況でも、悪い結果しか想像できず、自己否定的な思考に陥りやすいです。

⑥人からの評価を気にしすぎる
人からの評価を気にしすぎる人は、常に他人からの目線で自分自身を評価しているため、他人からの批判や否定的な意見に大きく影響を受け、自己否定的な思考に陥りやすいです。


何度もお伝えしていまうが『思考』または『認知のクセ』というのは、アナタがコレまで生きてきて培ってきた性質・性格であり、アナタが良いと思って取捨選択してきた結果が、今のアナタの『思考』であり『認知のクセ』です。

そのため、この様な『自己否定思考』を改善するには以下の方法が良いとされています。

・自己肯定感を高める(自己否定思考の書き換え)
・認知行動療法
・マインドフルネス

そして、何度もいいますが、これらの方法というのは、一人で行うのは、本当に難しい!もし一人で行えてたとしたら、それはかなりの軽症か熟練しているか、その方法が間違っているかのいすれかだと思います(笑)。


認知行動療法はもとより、マインドフルネスにご興味がおありでしたら、一度ボクの心理カウンセリングを受けてみて下さい。

認知行動療法とマインドフルネスをセットで行うと、それぞれ単体で行うよりも相乗効果がえられると言われていますし、ボク自身、以前、お世話になっていたメンタルクリニックの臨床心理士さんの心理カウンセリングで、これらを体験し実感しております。


大切なのは、

【今、ココに生きる】

と言うことです。

2024年3月19日火曜日

万病の元!!⑤抑圧的思考

人間誰しも、日々の生活の中で嫌な出来事や受け入れ難い出来事に直面します。そんな時、あなたらなどうしますか?

食べて忘れようとする?
アルコールを飲んで忘れようとする?
寝て忘れようとする?
誰かに愚痴る?
スポーツをして汗を流す?
趣味に没頭する?

心理的に受け入れ難い事を、どの様にして自分の中で処理していくのか、と言う事を、心理学的な専門用語で『防衛機制』と言います。


防衛機制とは…
防衛機制(ぼうえいきせい)とは、危険や困難に直面したときに、不安や体験を減弱させるために無意識に作用する心理的なメカニズムです。不快な感情体験を弱めたり避けたりして、心理的な安定を保つために用いられる手段です。ある意味では、自己評価や自尊心が低下しないようにする仕組みとも言えます。


この言葉や概念を提唱したのは、かのフロイトなのですが、防衛機制の話を詳しく話し出すと、ひじょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーに難しいし理解し難いので、詳細はカット!(笑)

皆さんに知っててほしいのは、この『自分の心を護るために自然と行っている処理の仕方』にどんな物があるのか、をまずは知っていただきたいと思います。



上の図は、防衛機制の一部を表しています。その他にもたくさんあるのですが、ココでは省略します。詳しくはココ

先ほどもお伝えした通り、防衛機制は、心のバランスを取るために必要なモノなのですが、中には、ソレをすることで余計に精神・心理的にこじらせてしまうことがある防衛機制があります。

この防衛機制の中に『抑圧』と言うものがありますが、ココで言う『抑圧』というのは、無意識のうちにその出来事を押し込めてしまうので、その人自身は『押し込めてしまったこと自体』を覚えていません。

詳細は、ボクのblog『心理カウンセリングで症状悪化?!あり得るんです。』でお伝えしておりますので、ご興味があればご一読下さい。


今回、お伝えしたいのは『抑圧的思考』ですので、若干、ニュアンスが違います。

抑圧的思考とは…
抑圧的思考とは、自分にとって受け入れがたい感情や欲求、記憶などを無意識下に抑え込んでしまい、いつの間にか忘れてしまったり気付かなくなったりすることを指します。

ここで重要なのは「無意識下に押し込む」と言うことです。つまり、忘れたいこと、受け入れ難いことを「忘れようとしよう」「なかったことにしよう」と意識して、「忘れてしまう」「なかったことにしてしまう」ところにあります。


上のような図は、みなさんも何処かで一度はご覧になったことがあると思います。

ボクも、クライエントとの心理カウンセリングの中で、対話を進めていく中で、いつの間にか忘れてしまっている、思いも寄らない過去のつらい出来事を思い出したり、追体験したりすることがあります。クライエント自身は、もう、無意識下に押し込めてしまっているので、日常の中でその出来事などが顔をのぞかせることがないのですが、記憶をたどっていくとその様な事実にぶち当たることがあります。

影響内容具体例
ストレスの増加ネガティブな感情や考えを押し込めるため、強いストレスを感じる仕事で失敗したことを誰にも話せず、一人で抱え込む
感情の処理能力の低下感情を自然に処理する能力が低下し、不安や怒り、抑うつなどの症状が現れる嫌なことがあっても、感情を押し殺して何も感じないようにする
自己否定感の強化自分自身を否定する考えが強化され、自信を失い、自己肯定感が低下する自分はダメな人間だと考え、自己否定してしまう
問題解決の妨げ問題に向き合うことを妨げ、問題解決が遅れ、さらにストレスが溜まる嫌な人と関わることを避け、問題を先延ばしにしたり、解決しようとしない
身体への影響頭痛や胃痛、睡眠障害などの身体症状を引き起こす可能性があるストレスから体調を崩し、頭痛や胃痛、睡眠障害などの症状が現れる

実は、この様な『抑圧的思考』を続けていくと、上の表のような症状やメンタルヘルス上、あまり好ましくない状態に陥ることがあります。しかも『抑圧的思考』というのは、『思考過程』『考え方』と言い換えることもできます。つまり、この様な思考過程が身に染み付いてしまっていると、それを避けることをしたくてもできないことがよくあります。

では、どうすればよいか、以下のように表にまとめてみました。

方法内容具体例
自分の思考パターンを理解するどんな考えが浮かぶのか、記録してみる日記やメモに書き出す
ネガティブな考えを書き出す頭の中にあるネガティブな考えを書き出すノートに書き出したり、スマホのメモアプリを使う
考え方のクセを修正する認知行動療法などの方法で、考え方のクセを修正する専門家に相談したり、セルフヘルプ本を読む
ポジティブな考えを習慣化するアファメーションやマインドフルネスなどの方法で、ポジティブな考えを習慣化する自分に優しい言葉をかけたり、瞑想を行う
専門家に相談する自分で改善するのが難しい場合は、カウンセラーやセラピストなどの専門家に相談する心療内科や精神科を受診する

ここで大切なのは、自分のネガティブな感情に対して、「この感情は良くない感情だ」とジャッジすることを“しないこと”です。あくまで客観的に自分の感情を俯瞰で見る必要があります。

これが難しい!

だって、自分の感情を客観的に、なんて…そもそも『感情』と言うものは『主観』の塊なわけですからね。ボクもコレを書いていて「なんて無茶な!」と思ってしまうわけですよ(笑)

だから、第三者が必要なのです。そう、心理カウンセラーに頼る、と言う方法です。


さて、皆さんの思考は抑圧的ですか?

本当にツラいこと、嫌なことと言うのは「なかったこと」にするのではなくて、真正面からその出来事と向き合い、そして自分自身の感情に耳を傾けることをオススメします。


お一人でそれらを行うことが難しいと思われるのであれば、ぜひ、心理カウンセラーの力を頼ってみて下さい。あなたを自由に表現する場を用意し、良し悪しの判断をすることなく、安心して向き合う空間をご用意いたしますよ。




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