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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2025年2月11日火曜日

あなたも誰かを疲れさせているかも…「受動的攻撃」とは?

 実は、この記事を書くにあたって、ちょっとしたキッカケがあって。というのも「アサーションスキル」「アサーティブ」について、キチンと人に伝えるためにもう一度勉強しよう!と思い色々と調べていたところ、「受動的攻撃:パッシブ・アグレッション」と言う言葉にぶち当たりました。

「受動的攻撃?パッシブ・アグレッション?なじゃそりゃ?!」と思いますよね(笑)ボクも思いました。“パッシブ”で“アグレッシブ”なんて、全く正反対の様な言葉でしょ?若干、混乱しますよね(笑)しかし、調べていくうちに「あぁ、あーゆー人のコトね」とか「そーいえばあの人もそんな感じだった」と、チラホラお顔が浮かんできました。それは、過去にボクと関わったことのある方のお顔が。

皆さんは「あの人といると、なぜか疲れる…」「嫌味を言われたわけじゃないのに、会いたくなくなる…」そんな経験はありませんか?実はそれ「受動的攻撃」が原因かもしれません。


1.受動的攻撃とは?

受動的攻撃(Passive Aggression)とは、怒りや不満を直接的に表現せず、間接的な行動で相手を攻撃するコミュニケーションスタイルのコトです。 直接的な対立を避け、遠回しな方法で相手を不快にさせたり、困らせたりします。 この行動は、職場や家庭、友人関係など、あらゆる人間関係において見られ、気づきにくいため、対応に苦慮することが多いでしょう。 受動的攻撃は、単なる「嫌がらせ」ではなく、その背景には複雑な心理が隠されています。

2.受動的攻撃の具体例

受動的攻撃は、さまざまな形をとります。以下に具体的な例を挙げます。

•無視:相手を意図的に無視したり、返事をしなかったりする。
•先延ばし:頼まれたことをわざと遅らせたり、期限を守らなかったりする。
•不機嫌な態度:ため息をついたり、不機嫌な態度をとったりする。
•皮肉や嫌味:遠回しな言い方で批判したり、嫌味を言ったりする。
•陰口:直接言わず、陰で悪口を言う。
•サボタージュ:わざと仕事を遅らせたり、非協力的な態度をとったりする。
•責任転嫁:自分の失敗を他人のせいにする。
•わざと困らせる:相手が困るような行動をわざとする。
•二重基準:無意識に状況によって言うことが変わり、相手を混乱させる。
•不当な扱いをする: わざと約束に遅れてきたり、相手を不当に扱う。

まぁ言ってしまえば「ネチネチ」(笑)または「粘着気質」とでも言いましょうか。けれどこれらの行動は、一見すると「ちょっとしたこと」に見えるかもしれません。しかし、繰り返し行われることで、相手に大きなストレスを与える 可能性があります。皆さんも、身に覚え、ありませんか?

3.受動的攻撃の心理と原因

受動的攻撃を行う人には、以下のような心理や原因が考えられます。

•対立を避けたい:直接的なコミュニケーションを避け、対立を恐れる。
•怒りを表現できない:怒りや不満をうまく表現できず、間接的な方法で表出してしまう。
•自己肯定感の低さ:自信がなく、自分を守るために攻撃的な行動をとってしまう。
•支配欲求:相手をコントロールしたいという欲求がある。
•過去の経験:幼少期の家庭環境で、自分の気持ちを表現することが許されなかったり、親が受動的攻撃的な行動をしていたりする。
•未熟さ:精神的に未熟で、適切なコミュニケーション方法を知らない。

特に、幼少期に支配的な環境で育った人は、受動的攻撃的な行動を取りやすい傾向があります。 また、自己肯定感が低い人は、自分を守るために受動的攻撃に陥りやすいとも言われています。

逆に言うと、ご自身の幼少期を振り返った時、その環境がどうであったかを思い出していただき、もしかしたらご自身が「受動的攻撃」態度に陥っていないか、一度、自己点検すると良いかもしれませんね。

4.受動的攻撃をしてしまう人への理解

受動的攻撃をする人は、必ずしも「性格が悪い」わけではありません。 多くの場合、自分の感情をうまく処理できず、不器用な方法で表現していると考えられます。 また、過去の経験から、直接的なコミュニケーションに恐れを抱いている可能性もあります。

ただし、受動的攻撃を繰り返す人は、周囲の人々を傷つけ、人間関係を悪化させているという事実を認識する必要があります。

5.受動的攻撃への対処法

受動的攻撃は、放置すると人間関係に悪影響を及ぼすため、適切な対処が必要です。 以下に対処法をいくつか紹介します。

•冷静に対応する:感情的に反応せず、冷静に対応することを心がけましょう。怒りで反応すると、相手の思うつぼです。
•事実を明確にする: 何が問題なのかを具体的に指摘し、あいまいな表現を避けましょう。
•直接的なコミュニケーションを促す:「どうしてそうするのか?」「何か困っていることがあるのか?」など、相手の気持ちを直接聞くようにしましょう。
•期待値を明確にする: 仕事の量や質、責任の所在を明確にし、言い訳や非難の余地を少なくしましょう。
•境界線を引く:不当な扱いには「ノー」と意思表示をし、許容範囲を明確にしましょう。
•ユーモアで返す:相手の言動を軽く受け流すようなユーモアも有効です。
•第三者の協力を得る:一人で抱え込まず、信頼できる人に相談しましょう。
•距離を置く:どうしても改善が見られない場合は、無理に関わろうとせず、距離を置くことも検討しましょう。
•アサーティブなコミュニケーションを心がける: 相手の意見を尊重しつつ、自分の意見も主張できるアサーティブなコミュニケーションを心がけましょう。
•自分の感情を優先する: 相手の言動に振り回されず、自分の感情を優先しましょう。

受動的攻撃と言うように「攻撃」には変わりません。ですので「目には目を歯には歯を」的に考えれば、「攻撃でやり返す」と言う考え方もアリかもしれません。しかしそれでは、建設的な人間関係にはなりませんよね?一度、上に挙げたような対処法を試しながら、その人とより良い関係性を築くことも検討していただきたいと思います。

6.受動的攻撃をしてしまっていると感じたら

もしかしたら、あなた自身も無意識のうちに受動的攻撃をしているかもしれません。 もしそう感じたら、以下の点を意識してみましょう。

•自分の気持ちを自覚する:まずは自分の感情を理解することから始めましょう。「なぜ不機嫌になるのか」「何に対して不満を感じているのか」を自問自答することで、自分の気持ちを整理できます。
•直接的なコミュニケーションを心がける:相手に伝えたいことがあるなら、遠回しな言い方ではなく、直接言葉で伝えましょう。
•相手の気持ちを尊重する:自分の意見を主張するだけでなく、相手の気持ちや立場も理解しようと努めましょう。
•自分の言動を客観的に見つめ直す:自分の言動を振り返り、受動的攻撃的な行動をとっていないかチェックしましょう。

受動的攻撃は、誰にでも起こりうる行動パターンです。 しかし、自分の行動を意識し、改善しようと努力することで、より良い人間関係を築くことができます。

7.さいごに

受動的攻撃をする人は、ご自身でその傾向に気づかないことが多いと思います。また、それが厄介なんですよね…しかも、その行動を指摘したり強く非難したりする人もなかなかいないと思います。人は明らかに「攻撃された」と感じればそれに反撃することも考えますが、受動的攻撃に関しては「なんとなく嫌な気持ちになる」「あの言い方、少し気になる」くらいにしか思わないことが多いからこそ、誰かから指摘されることは少ないかも…

受動的攻撃は、人間関係を複雑にする厄介なコミュニケーションスタイルです。 しかし、その心理や原因を理解し、適切な対処法を実践することで、より良い人間関係を築くことが可能です。 もし、あなたが受動的攻撃に悩んでいるなら、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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