あなたは、きちんと自己主張できていますか?
あなたが自己主張すると、なぜかうまく意見が通らないといった経験はありませんか?
職場などで会議や話し合い、ディスカッションの場でいつも喧嘩腰になったり、逆に何も言えなくなったり…せっかくの話し合いの場で、建設的な意見を出し合える事ができないのは、時間のムダ…ですよね~?
これは、以前のblog「職場環境の見直しを!!心理的安全性と言う環境評価」にも関わってくることですが、「人と上手く交渉したり建設的な意見交換をするために必要なスキル」と言うのが『アサーションスキル』です。
アサーション(スキル)とは…
お互いを大切にしながら、自分の意見や気持ちを率直・誠実・対等に伝えるためのコミュニケーションスキルのことである。
少し余談を…
実はボク、人との交渉事が大の苦手(笑)。グイグイ押されると「嫌と言えない」タイプで、大きな買い物、例えば車の購入で値段交渉などをすることも、本当に苦手でした。そんな時は友人やパートナーと一緒に連れていき、その人に代弁してもらうと言う(笑)なんとも、気の小さな人間でした。これマジで。
しかし、このアサーションスキル、と言うものを勉強し始めてから、「なんであんなに苦手意識をもってたんやろ…」って思いました。
コミュニケーションにおけるアサーションの意味は、少しややこしいのですが、「自分と相手、双方を大切にして円滑にコミュニケーションをとるためのスキル」と考えてもらい、「自分の主張を上手く突き通すスキル」でもなければ「相手の主張を優先させるスキル」ではありません!
重要なのは「相手の気持ちをしっかり考えながら、自分の気持や信念を、いかに“その場にふさわしい方法で”表現するか」であって、相手をコントロールするような方法ではないことを強調しておきます。
アサーションスキルの話をする前に、自己主張をする際、このアサーションの視点から3つのパターンに分けられると言われています。まずはそれについて説明し、ご自身がどのパターンか、また相手がどのパターンなのかを把握すると良い、と言われていますので、ご説明しますね。
①アグレッシブ(攻撃タイプ・ジャイアンタイプ)
●思ったことをズバズバ言ったり大声を張り上げたりと主張が強い。
●自分の意志を全うするためであれば、明確な悪意が伴うこともある。
●勝ち負けで物事を決める(いわゆるマウンティングを好み、常に優位に立とうとする)。
●精神的に幼い。
おそらく、職場・部署・チームに一人はいそうなタイプ(笑)ディスカッションの場では、その場をかき乱すため、この手のタイプをいかに手懐ける(てなずける)かは、腕の見せどころでしょう(笑)。
②ノン・アサーティブ(非主張タイプ・のび太くんタイプ)
●自己主張が控えめ、もしくは苦手。
●物静かな性格といった印象。
●曖昧な言い方でかわすことを好む。
●言い訳が口癖になっている。
以前のボクです(笑)。アグレッシブとは違って、その場での扱いづらさは感じない反面、いてもいなくても同じ、と言う印象を与えます。しかし組織単位で考えると、このような人材はやや扱いづらい印象もあるでしょう。
③アサーティブタイプ(グレッシブとノン・アサーティブの黄金比・しずかちゃんタイプ)
●自分の気持ちを率直に伝えつつ、なおかつ相手の気持ちも考えられる。
●場の空気感まで重んじる。
●適宜表現をチョイスできる。
●アサーティブ型を人に薦められる。
このタイプが理想形!!。
まずは、ご自身がどのタイプに当てはまるかを考える必要がありますが、以下に簡単な分類診断法があるので、一度、試していただきたいと思います。
以下の質問に◯か✕をつけてその数を数えておきましょう(ABCそれぞれに質問項目数が違うが、それは気にせず)。
A項目
①人前で弱さをさらけだすのが苦手である。
②人の悪いところを指摘することがよくある。
③自分の思い通りにならないとイライラしてしまう。
④他人のミスについつい厳しくなってしまう。
B項目
①引っ込み思案なところがある。
②自分に自信がない。
③相手の意見に合わせて行動するところがある。
④相手に認められたいと期待することがある。
⑤相手に反論されると言い返せなくなる。
C項目
①他人に正直な気持ちを打ち明けることができる。
②常に積極的に行動することができる。
③人が多い場でも自己主張ができる 。
④苦手な人との会話も柔軟にこなせる。
⑤相手に避難されても、自分を卑下せず、さらに相手の意見も尊重できる。
結果
Aの項目の◯が一番多い → アグレッシブ
Bの項目の◯が一番多い → ノン・アサーティブ
Cの項目の◯が一番多い → アサーティブ
この診断テストの項目を見れば、自分自身がそのタイプに属しているのか、また、何に気をつければ良いのかは、一目瞭然ですね。AとBで◯をつける項目を少なくし、Cの項目が多くなるようなコミュニケーションタイプを目指すことになるのですが…人間の特性というのは怖いもので、いざその場面になって、理想的な態度で向き合えるかと言うと、それは一筋縄でいくものではありません。
ディスカッションの場面を想定したトレーニングを何度か行う必要がありますが、根幹は「自分も自分で受け入れる。相手のことも受け入れる」と言う考え方が必要で、そのためには、自分も相手も俯瞰で観察して客観的になって、かつ相手に共感意識をもちつつ自分の信念や主義主張をしたり、かつ相手の意見を受け入れたりしていくことです。
以前、ボクは「論破する」と言う言葉が好きで、かつ「論破する事」が好きでした。
しかし、これは、仕事の現場や人間関係を構築する上では、実はあまり良くない方法であると気付きました。
「論破する」=「相手を打ち負かす」=「相手に勝つ」
と言う、「勝ち負け」の判断になってしまい、結局、その後の双方の人間関係が気まずくなったり交流が途絶えたりして、建設的な関係性、気軽な関係性にはならなくなってしまったことを経験しています。
ボクの場合、病(やまい)だけのせいにはしたくないのですが、事実、双極性障害であると、躁期にはアグレッシブに鬱期にはノン・アサーティブになりやすくて、寛解期になるとその両方の時期にしてしまった自分の対応の仕方に後悔し、またそれがストレスになるという悪循環をたどってしまうことも、結構、ありました。
「自分も受け入れる」かつ「相手も受け入れる」と言う、一見すると相反することのようではあるし、非常に難しい印象を与えますが、やってみるだけの価値はあると、ボクは思っています。