日本人は、「健康に敏感な国民」といっても良いかもしれません。2021年厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は男性で81.5歳、女性で87.6歳であったとのことでした。
また、2019年の日本人の健康寿命は72.7歳、女性は75.4歳と。
どちらも年々、延伸してきて、これは国の施策はもちろん、医療技術の発展や国民一人ひとりの健康への意識が高くなってきていることがその要因であるのかなぁ~とボクは考えます。
しかし、皆さんの健康意識というのは、どこを向いているのか、一度、考えてみていただきたいのです。
体重?
体脂肪率?
血圧?
血糖値?
尿酸値?
コレステロール値?
どれもこれも、臓器、とりわけ内臓の働きを表す値であって、それらに自然と関心が向いているのではないでしょうか?それは、健康診断や特定健診などで必ず項目として挙がっている血液検査や尿検査などから算出されるもので、それらにばかりに目が行くのも仕方がないと言えば仕方がない、でしょう(笑)
一方でこれはご存知でしょうか?
『労働安全衛生法』という法律が改正されて労働者が50人以上いる事業場では、2015年12月から『ストレスチェック』が毎年1回、全ての労働者に対して実施することが義務付けられることになっています。
つまり、国もやっと「ストレスを管理することが健康に重要である」と認めたわけです。もしかしたらこれをお読みの方の中でも、所属する企業の健康診断でストレスチェックを受けた方もおられるのでは?と思います。
随分前から日本の医療施策の考え方として、「疾患の治療」よりも「疾患の予防」に主眼が置かれるようになりました。その最たるものが健康診断であったり特定健診で合ったりすると思います。【予防+早期発見+早期治療】が最も重要で、健康寿命を延伸させるとしている(一方で国民の医療費削減に効果的であると言う側面も持つ)と言う考え方です。つまり「ストレスを軽減させること」が「疾患の予防や早期発見に繋がる」と法的に認められたことになったのだと、ボクは解釈します。
さて、具体的にストレスが原因で引き起こされる疾患としては、以下の物が挙げられると言われています(ここに挙げたのは一例です)。
<心の病気>
うつ病、不安症、パニック障害、強迫性障害、PTSDなど
<身体の病気>
高血圧、糖尿病、心臓病(狭心症・心筋梗塞など)、脳血管疾患(くも膜下出血・脳梗塞など)、癌、アレルギー、消化器疾患(便秘症・過敏性大腸炎など)、呼吸器疾患(喘息発作など)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)、更年期障害など
ストレスというのは、心の病気だけでなく身体の病気にも深く関わる事が多くて、前述した病気以外にも、肩こりや腰痛、頭痛やめまい、倦怠感や胃痛なども関与していると言われています。
しかし皆さんは、それらのサインを「休めば治る」という安易な対処法でなんとかしようと思っていると思っていませんか?
実はその対処法、誤ってるかもしれませんよ!
休んでいるはずなのに休まらない。
何もしていないのに疲れる。
積極的に何かをしたいと思わない。
いつも楽しいと思えていることが鬱陶しいと思えてしまう。
腰が重くて何をするにも億劫である。
日々のルーティン(料理をする・歯を磨く・ひげを剃る・入浴する・洗濯をするなど)が後回しになる。
…そのような症状が出現するようになると、なかなかその状態から抜け出すことが困難になることが多い、とボクは思っていて、事実、ボクもメンタルダウンする直前というのは、まさにこんな感じでした。
これはいわゆる「抑うつ状態」と言う状態です。
もう何年も前から「軽い運動は抑うつ状態を軽減する」「運動はうつ病を予防する効果がある」など言われていて、研究結果としてはキチンとエビデンス(科学的根拠)がある、と言われていますが…
ボクはこれにはバイアス(何らかのデータの偏り)が考慮されていない、と思っています。
次回「カウンセリングなんて…と思っている人へ②」では、この運動をすることがメンタルヘルスに与える影響に関するボクの私見と、本当の意味でのストレス解消とは?ということについてお伝えしたいと思います。
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