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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年4月25日木曜日

上京物語~東京レインボープライド2024に参加して(2日目)

 上京物語~東京レインボープライド2024に参加して(1日目)からの続きです。


これは、会場で会う人会う人、皆に苦言を呈していたのですが、とにかく東京での宿泊先を見つけるのに、大変苦労しました。。。とにかく高い!まあ、週末だ、と言う事を考慮しても、それでも高い!!色々と調べて、とにかく『東京都』から出ないと安くならないと知り、ボクは千葉県に宿泊しました(笑)

と言うのも、往復深夜高速バスを利用したので、とりあえず泊まるところはちゃんとしたホテルがよかった…なので、移動距離を犠牲にしました。


2024年4月21日(日)東京レインボープライド2日目。朝。それは突然襲ってきました…

ベッドから起き上がれないのです(笑)。後で調べたら、1日目だけで24,000歩ほど歩いており、しかも途中は重い重い荷物を背負ってだったので、もう、足腰が(汗)

自分の年齢と恨み、体力の無さに愕然とし、けれど幸いなことにこの日はプライドパレードに参加して、あとは友人と食事をし、バスに乗って帰宅するだけでしたので、老体に鞭打ち活動開始!途中、ボクにとっては珍しく、元気の前借りもしました。


エナジードリンクは元気の前借り


国立代々木競技場第二体育館

プライドパレードは沢山の団体が歩く、と言うことで、まずはこの代々木競技場第二体育館に一旦集められ、順番に外に出て、フロートと合流し歩き始める、と聞いていたので、会場に向かう前に歩道橋からパシャリ。

プライドパレードの登録のため『ぷれいす東京』のブースへ行くと、もう、会いたい人のオンパレード!!


まずは『特定非営利活動法人ぷれいす東京』の代表であられる、生島 嗣さん!!


生島さんと
いつ見てもイケオジ

そして、ご自身もセクリャルマイノリティかつHIV陽性者かつ『ぷれいす東京』のボランティアスタッフである、福生大輔さん。


大輔さんと
いつも素敵な笑顔


そして、たまたま偶然お会いできた『HIV Futures Japanプロジェクト』の代表をされている、井上洋士さん。

井上さんと
いつ見てもお変わりない!

井上さんとは、『HIV Futures Japanプロジェクト』で関わらせていただく前、ボクが『特定非営利活動法人 日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス』のスピーカー活動を始めた時、一番最初に依頼を頂いた、個人的に思い入れのある(笑)方です。


そしてこれもたまたま偶然、お会いできた名古屋のMSMのためのコミセン『コミュニティセンター rise』のスタッフ、こきんちゃん。
こきんちゃんもいつみても変わらない(笑)

ひとしきり、再会の感動を味わい、いざ、プライドパレードのための集合場所へ、大輔さんの先導のもと、体育館へ。

国立代々木競技場第二体育館の天井
体育館内は参加者でいっぱい!

ボクが参加したのは『#UPdate HIV』と言う名前で、HIV陽性者団体やHIV陽性者支援団体、製薬会社の方々などが参加する、総勢約60名の団体!歩きながらのコール・アンド・レスポンスは「We are POSITIVE!」「UPdate HIV!」。大輔さんが赤いメガホンを持ち、出走前の待ち時間の間に、皆で練習。

「We are?」「POSITHIVE!!」
「UPdate?」「HIV!!」

先頭を行くフロートには、DJYUMEさんの操るアゲアゲな曲とともに、ドラァグクイーンのラビアナ・ジョローさんとGOGO BOYのTENさんが盛り上げてくれました!!


歩くボクから見たフロート

最初、コール・アンド・レスポンスの練習をする時に、大輔さんが「多分、今までで一番“HIV”と叫ぶ一日になるでしょう!」と言われた通り、おそらく、ボクがHIV陽性者となって20年とちょっと生きてきた中で言ってきた「HIV」の回数よりも、この一日(厳密にはこの1時間)で「HIV」と言った回数の方が多い、と思っています(笑)。

1時間ほど、東京の街を歩き、性も根も果て(笑)けれど、心の中ではとても清々しい気持ちでいっぱいでした。



実は今回ボクは、フロートの先頭で横断幕を持って歩く、重要な役回りをしていたのですが、頭の中では色んな事を考えていました。



プライドパレードの様子は『NPO法人 akta』こちらから多くの写真をご覧いただけます(ボクもバッチリ写ってて恥ずかしい…)。

上京物語~東京レインボープライド2024に参加し終えて、に続く…

2024年4月23日火曜日

上京物語〜東京レインボープライド2024に参加して(1日目)

 2024年4月19日(金)~21日(日)にかけ東京で『東京レインボープライド2024』が開催されました!ボクは、最終日の『プライドパレード』に『ゲイのHIV陽性者』という立場で参加しましたので、そのご報告をさせて頂きます。


ボクは、19日(金)の夜行高速バスに乗り上京し、20日(金)早朝に到着し一泊、さらに21日(日)の夜行高速バスに乗り自宅に帰る、という五十路には非常に弾丸なスケジュールで行ってまいりました。

今回の旅の目的は4つ。
①行きたいところへ行く
②聞きたい話を聞く
③会いたい人に会う
④プライドパレードに参加する
でした。



①行きたいところへ行く
2か所行きたい所がありました。

1か所目は『プライドハウスレガシー東京』です。
プララドハウスレガシー東京とは…
セクターを超えた団体・個人・企業・大使館などが協働するプロジェクトです。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるタイミングを契機と捉え、LGBTQ+などの性的マイノリティ(以下、LGBTQ+)に関する情報発信を行うホスピタリティ施設を設置し、多様性に関する様々なイベントやコンテンツの提供することを目指しておられます。

こちらが開設される前、クラウドファンディングをされており、ボクもわずかながら寄付をさせて頂きました。また(これは先方にとてもご迷惑をおかけしたと思っています)何のご連絡もせず、「勇者の部屋」フライヤーを一方的に送りつけた(笑)にもかかわらず、共同代表の方から、「受け取りました」と言うご連絡を頂き、ボクのような一個人事業主の一方的な宣伝にも関わらず、わざわざご連絡いただいたことに対して、ボクは大変、恐縮しており(笑)、その御礼もしたくて訪れました。


プライドハウスレガシー東京にて

方向音痴なボクは(笑)とりあえずスマホのナビを頼りに現地へ向かったのですが、入った入口がどうやら裏口らしく(汗)何だか、誰にも気付かれないまましばらくモタモタしていたところを救っていただいたのが、スタッフのきくみさんでした。

きくみさんからは、この『プライドハウスレガシー東京』の成り立ちや、どのような方々がご利用されておられるのかなどのご説明をしていただき、名刺をお渡しして手持ちのフライヤーをお見せしたところ、「勇者の部屋」のフライヤーを覚えておられ、ボクはもう泣きそうなほど嬉しかった(笑)。

ドリンクを頂きながら、きくみさんがボクの活動に大変、興味を示してくださり、どんなクライエントさんが利用されているのか、ボクがどうして理学療法士から産業カウンセラーになったのか、今ボクがどんな思いでこの活動をしているのか、などなど、ボクのあふれる熱い思いを(笑)しっかりを受け止めてくださいました。

ボクも次の予定があったため、1時間ほどしか滞在できませんでしたけれど、とっても素敵な出会いがあったと、ウキウキ(死語)でした。


プライドハウスレガシー東京スタッフのきくみさんと

2か所目はボクのblog『死を考える①人は生きるもの、死ぬもの(追記あり)』で登場しました、昨年6月に他界したN君ゆかりの地です。生前ボクがN君と知り合うずっと前からN君と交流のあった、ぼんちゃんに案内をしていただきました。

ぼんちゃんもセクリャルマイノリティで、いくつかのNPOに所属し相談支援などのボランティア活動をしている、バイタリティあふれる人。

N君ゆかりの地と言うのは、以前、N君が働いていたと言うバーです。ぼんちゃんのお陰でバーのマスターに生前のN君の様子を聞かせてもらい、とても楽しくN君を偲ぶことができました。

実はこのバーに行く前に、ぼんちゃんから生前のN君についてインタビューしています。それは後日、ボクのPodcast『勇者ケンゴのThat's Gack』にてご報告させて頂きます。


ぼんちゃんと

②聞きたい話を聞く
お話しを聞きたかったのは、前述したぼんちゃんからN君の生前の話が1つ目。もうお一人、どうしてもお話しが聞きたかった人がいて。

Eiji君、です。
Eiji君もセクシャルマイノリティ・HIV陽性者で、現在、法律を大学で学ばれている、物凄い努力家!!彼が、どうして法律を学びたいと思ったのかとか、今、彼が何を考えているのかとか、何だか彼の頭の中を覗いてみたくて(笑)。お時間を取ってもらいました。こちらのお話しも後日、ボクのPodcast『勇者ケンゴのThat's Gack』にてご報告させて頂きます。


Eiji君と

4月20日(土)1日目は、そんなこんなで終わっていきました。



この1日目だけでかなりテンションがアゲアゲだったので(笑)、双極性障害であるボクにとっては、その反動が怖くちゃんと寝られるか心配だったのですが、ホテルについて思いの外スムーズに寝られた、そんな1日の終りでした。


上京物語~東京レインボープライド2024に参加して(2日目)へと続く…

2024年4月18日木曜日

Game Over!?人間リセット症候群

 ボクは、リアルタイムで初代ファミコン世代なのですが、今の方には信じられないと思うけど、昔のファミコンカセットには『セーブ機能』はなかったんですよ!

だからね、『ドラゴンクエスト』で“復活の呪文”と言うセーブ機能が装備されたことは、とっても画期的だったのです(笑)


これが、何桁あったのか忘れましたが、一字でも間違えると復活できないという、恐ろしく残酷なシステムでした。そして僕らは「復活の呪文ノート」を持ち歩いていた記憶があります。

今回は、そんなRPGゲームにもありがちな行為の一つとして「上手くいかなかったらとりあえずリセットボタン押してやり直し」みたな、やや問題のある『人間リセット症候群』についてお伝えします。


リセット症候群とは…
「人間関係リセット症候群」とは、「現在の人間関係を衝動的に断ち切ってしまう傾向」のことを意味する言葉です。具体的には、「突然連絡先を削除したり変更したりして、音信不通になる」「突然仕事を辞める」といった行動が、人間関係リセット症候群の人にはみられます。なお、医学上の明確な定義がある言葉ではない点に留意しておきましょう。

リセット症候群の人が取りがちな行動・行為というものがあって、それには以下の事がある、とよく言われています。

①繰り返し転職する。
②SNSの投稿をすべて削除するだけでなく、時に急にアカウントを削除する。
③電話番号の着信拒否をしたりメールやLINEなどをブロックし連絡を断ち切る。時に、電話番号を急に変える。
④誰も知らない新天地へ、何度も急に引っ越しをする(時に①と同時に)。
⑤電話番号は生きているのに電話に出ない、コールバックしない、LINEも未読スルー・既読スルーしている。


突然、その様な行動をとるので、周囲の人は非常に驚きます。またとても心配します。まだ、SNSの投稿やアカウントを削除する程度であれば、まだ、周囲の人に与える影響は少ないかもしれませんが、電話やLINE、メールなど、一種のライフラインである方法を、一切断つと言うのは、あまり好ましい行動とは言えません。

では、どのどうな人が『人間リセット症候群』に陥りやすいのか、解説していきましょう。


①相談できる相手がいない
「人に相談するのが苦手」「相談できる相手がいない」といった人は、人間関係リセット症候群になりやすいでしょう。人に相談できない心理には、人に嫌われたくない、傷つきたくないといった心理があります。また、「以前親しい人に相談して裏切られた」など、何かしらのネガティブな経験から人間関係リセット症候群になってしまう人もいるでしょう。

②ひとり行動が好き
ひとり行動が好きな人も、人間関係リセット症候群になりやすいタイプです。単独行動を好む人の多くは、マイペースに行動することを好む傾向があります。そのため、他人と関わる時間が増えれば増えるほど、ひとりでいる時間を求めるようになってしまうのでしょう。このような人は人間関係を面倒に思いやすいことから、人間関係リセット症候群にありがちな行動を突然起こしてしまうのかもしれません。

③ネガティブ思考
常にネガティブ思考になりがちな人も、人間関係リセット症候群の症状が出やすいです。ネガティブ思考に陥ってしまうと、どうしても自分への自信がなくなってしまうもの。自分に自信がなくなることで、さまざまなことに対して不満をためやすくなってしまいます。不満に対してストレスを感じてしまい、自己防衛のために他人との連絡を断ち切ってしまう人もいるでしょう。

④ストレスを抱えやすい
ストレスを抱えやすい性格の人も、人間関係リセット症候群になりやすいです。「本当は行きたくないのに、誘いを断れない」といった、口下手な人も突然音信不通という極端な行動をとってしまう傾向があります。

⑤完璧主義
仕事やプライベートに完璧を求める人は、人間関係においても完璧を求めがちです。しかし人間関係は、自分ではコントロールが難しい「他人」という要素が絡むため、自分が理想とする人間関係を完璧に実現するのは難しいでしょう。そのため完璧主義は、常に現状の人間関係に満足できず、「いまの人間関係はもうダメだ」「イチから人間関係をやり直した方がいい」と考える傾向があります。

⑥乱れた生活習慣
生活習慣が乱れていると、心身の不調を感じやすくなります。心身に不調が生じると、日常的にストレスを感じやすくなり、考え方もネガティブになってしまいます。思考がネガティブになってしまうと、心身ともに疲れやすくなり、人間関係の問題を解決するモチベーションもわかないため、人間関係のリセットに走りやすくなります。

⑦人の目が気になりすぎる
人の目が気になってしまう人は、行動する際や発言する際に、自分の意思よりも、人からどう見られるかを気にしてしまいます。このような傾向にあると、人からよく見られようとして、我慢することも多く、人間関係そのものをわずらわしく感じてしまいやすいです。人目を気にすることに嫌気がさして、衝動的に人間関係をリセットしてしまうこともあるでしょう。


これはボクの感覚的なところもあるのですが、①④⑥に関係するところで、依存症の問題を抱えている人にも、『人間リセット症候群』であることが多いような気がします。


何の前触れもなく、音信不通になる、または行方がわからなくなると言うのは、本人が思っている以上に、周囲を振り回すことになります。しかし、『人間リセット症候群』の人は往々にして、その行動を繰り返すことが多いと言われていて、最終的には社会的な信頼を失っていくことになりかねません。

ネガティブ思考については「楽観的に生きるって?!防衛的悲観主義・戦略的(方略的)楽観主義」完璧主義については「万病の元!!その①「完璧主義」」人の目が気になりすぎるについては「万病の元!!その③「他人軸」」にて、それぞれ詳しく解説しているので、どうぞ、ご参考にして下さい。


では、この様な状態に陥らないようにするためにはどのようにすればよいのでしょう?

簡単に言ってしまえば、上記に書きました「『人間リセット症候群』になりやすい人の特徴」である①~⑦の事をやめればいいだけの話です(笑)

と言ってしまうと、元も子もないので…以下の6つのうち、まずは自分でできる範囲で実践を始めてみてはどうでしょうか?

①人に相談する
②悩みや不安を書き出す
③自分や人に期待しすぎない
④人とは適度な距離感をもつ
⑤生活習慣をかえる
⑥デジタルデトックスする


とはいえ(笑)なかなか実行することは難しいと思います。自分自身の行動を変える(行動変容)ことは、自分ひとりでは難しい、とボクも体感しています。

じゃあ、どうするか…

ぜひ、心理カウンセリングを利用して下さい。
心理カウンセラーは、あなたとは一切の利害関係がありません。あ、もちろん利用代金を支払っていただくと言うところでは利害関係がありますが(汗)しかし、日常生活において、あなたにとっては、完全なる第三者です。



ご自分を変えたい、と思っておられるのなら、ぜひ「勇者の部屋」の扉をノックしてみて下さい。


2024年4月16日火曜日

そろそろ本当の事を話しましょう(リライト版)

なぜボクが、理学療法士という仕事辞めて産業カウンセラーという仕事を選んだのか。

ホントは、これらの事を一番先に書かなければならなかったのかも(笑)しれませんが、色々と伏線があったので、あえて後手に回した、というのが本当のところです(笑)。


①心理学、心理療法に興味があった。

長く理学療法士という仕事をしていると、自分自身の知識や技術で患者様が回復していくとは“思えなく”なってきていた、と言うのが正直な気持ちです。この仕事は、患者様の身体能力を高め、また様々な補助具を利用して、日常的な動作を獲得していったり日々の生活がしやすくなるようにお手伝いする仕事です。マッサージをしたり筋トレをするのはそのための一手段にすぎなくて、たとえ“神の手”を持つセラピストがいたとしても、最終的には患者様が「良くなりたい」「〇〇ができるようになりたい」「頑張りたい」と言う気持ちにならなければ、“神の手”も“タダの手”なんですよ…ね。だから、リハビリセラピストは「褒め上手」であり「乗せ上手」であり「高いコミュニケーション能力」が必要なんです。特に「共感力」がなければ、仕事にならないと言っても過言ではない、とボクは思っています。そして患者様に「あゝ共感してもらえた」と思っていただくためには『傾聴力』が必要です。そう、カウンセリングのあらゆる手技・技術の根幹をなす『傾聴』が最も大切であると言っても良いかもしれません。

ボクはもともとコミュニケーション能力は高いほうだと自負していたけれど(笑)、もっとちゃんと勉強をして、キチンとした理論やテクニックとして身につけたいと思い、40代後半にして一念発起し『産業カウンセラー養成講座』を受けることにしました。


②臨床心理士さんのカウンセリングを受けたことがある。

20代終わりがけ、ボクはHIVに感染しました。当時、『HIV/エイズ』という病気が“死ぬ病気ではない”と言われ始めた頃で、まだまだ誤解が多い病気であり、またボク自身も様々なことで、この『HIV感染症』という病気が原因で生きづらさを感じていました。そんなボクを救ってくれたのが「臨床心理士さん」です。もちろん、主治医も看護師さんも皆がボクを支えてくださっていたけれど、臨床心理士さんのカウンセリングは、自分自身を開放できる特別な空間と時間を用意してくださっていました。そして、自分自身の事を言葉にする、話をするだけでどんどんと自分の気持が楽になり、前向きに生きていける気持ちになる不思議なパワーを持っており、今現在でもその方との『語り』を今でも覚えているし、そしてこの年齢になって、初めてそのやりとりの意味が分かったこともあり、「言葉の力ってすごい!」と改めて思ったからです。

③自分自身がメンタル不調者である。

30歳に入ってから初めて「抑うつ状態」という診断を受け休職したのがきっかけで、以来、精神科にお世話になっています。その後は一進一退で、薬物療法やカウンセリングを行ってきましたが、スッキリしません(苦笑)。しかしあることがきっかけで40代に入ってすぐ「双極性障害」と診断されました。それがきっかけで『自分で自分をコントロールする』ということに主眼を置き、薬物療法を続けながら『セルフ・メンタルケア』を実践しています。実はこの『blogを書く』という行為も一種の『ジャーナリング』という心理療法の一種で、自分自身の考えや感情を言語化して文章にしていくことが、心の安定を保つために良いとされています。

話が逸れました(笑)。

ボク自身がメンタル不調者で、現在もなお継続中であり、とても共感できるのです…同じように不調を感じている方のお気持ちに。だからこそ、同じ目線でお話しを聞くことができる。“それ”を経験している人と経験していない人では、やはり『共感度』に違いが出てくることは間違いないと、自負しています。

④医療従事者へのメンタルフォロー

ボクはいくつかの医療機関で理学療法士として従事してきましたが、多くの医療機関で「スタッフをフォローする部署がない」のが現状です。一般企業であれば「職員相談室」のような部署があり、産業医・産業保健師・産業カウンセラーなどが在住し職員の健康面でのフォローを行う職員がいるのが一般的だと思います。しかし医療機関にそのような部署があるところというのは、ボク自身、聞いたことがありません。スタッフのフォローはその部署が行い、専門部署がなく組織全体で“何とかしよう”としてる医療機関はとても少ないと感じています。

これは、組織の問題だけでなく医療従事者自信も反省すべき点でもあると思っています。どういうことかと言うと「資格をもっているから(今働いているところが嫌なら)いつ辞めてもいいし、また次を探せば良い」という感覚が少なからずあると思うんです。果たしてそれが本当に良いことなのでしょうか?もちろん一箇所にとどまることの弊害もあると思いますが職場を転々とする事で生じる弊害も、多くあるとボクは感じています(これも後日、触れられる機会があればと思います)。

実はこのような風潮は、医療機関(医療従事者)だけでなく福祉サービス事業(福祉サービス従事者)にも言えることだと思っています。介護保険関連の施設は、様々な業種が参入することができるようになり、母体が小さな事業者であったり企業であったりする事業場では、職員不足がまん延化していて職員が定着していないのは周知の事実です。それは金銭的な問題だけでなく、母体の企業や法人が「どれだけ職員をサポートしているか」ということにも大きく関わってくると思っています。それはやはりメンタル的なサポートが不可欠であるにも関わらず、どこかで「メンタル不調は本人の問題」として、組織として関わろうとしていないのが現実ではないでしょうか?

ボクは、その問題に一石を投じたいと思っています。

だからこそボクは働く側として「対人援助職者・感情労働者のためのカウンセリング」を行いたいと強く思いました。



もしこのblogを読んで、少しでもボクの事を身近に感じ、そしてボクの考え方に賛同頂けるのであれば、とても嬉しく思います。そしてボクの事を「あらゆる対人援助職者・感情労働者の味方である」と認識していただければ幸いです。

2024年4月11日木曜日

ワガママで当たり前?!利己的遺伝子説

 本来、生き物はワガママなものなのです。それは遺伝子レベルで刻み込まれている…そんな話し、聞いたことありませんか?

実は生き物というのは『自分と自分のコピーを遺す』ために様々な活動を行っているのではなく『遺伝子(とその種)の保存』だけを後世に残していこうとしている、と言う学説で『利己的遺伝子説』と呼ばれています。


利己的遺伝子説とは…
自然淘汰されるものは個体ではなくその遺伝子であるという、現代進化論や進化生物学における比喩的表現。これはリチャード・ドーキンスが用いた表現であり、より自己増殖に有利な働きをする遺伝子がより生存することを意味する。利己的遺伝子論は、自然選択や生物進化を遺伝子中心の視点で理解することであり、遺伝子選択説もほぼ同じものを指す。


ボクが「なるほどな!」と思ったのは、この様な引用からでした。

〝『利己的な遺伝子』によれば、遺伝子に比べて生物個体は不安定であり、遺伝子(のコピー)は個体が老衰や死を迎える前に、次世代の個体へと乗り移っていく。〟

これは進化生物学者・進化生態学者である、クリントン・リチャード・ドーキンスの言葉です。


単純に、ヒトの事を思い出してみて下さい。
大多数のヒトは、自分自身が老衰し死を迎える前に、生殖行動を起こし、自分の遺伝子を残したヒトを生み、自分自身が何もできなくなる前に一人前の『ヒト』になるよう育て上げる。そしてそれが循環される…

※やや不適切な表現がありますが、端的に分かりやすくしただけですのでご了承下さい。

そんな事を言ったら元も子もない!とお思いの方もおられると思いますが(笑)これはどんな生物・動物・生命にも当てはまる唯一の事かもしれません。


そしてもっと面白い事が書かれていました。

〝生物は『遺伝子のヴィークル[乗り物]』と表現可能であり、それは遺伝子が退出する経路を持っている。その経路とは生殖細胞であり、より具体的な例では卵子や精子である。私たちが最もよく知っているヴィークル[乗り物]は、私たち自身のような個体の体だ。したがって、体は自己複製子[自分自身のコピーを作るもの]ではなく、ヴィークルなのだ。(中略)ヴィークルはそれ自身では複製しない。その自己複製子を増殖させるように働く。自己複製子は行動せず、世界を知覚せず、獲物を捕らえたり捕食者から逃走したりはしない。自己複製子は、ヴィークルがそういったことすべてをするように仕向ける。〟

ボクたち生物は、その中に内包している『遺伝子』が運転しコントロールしている『乗り物』に過ぎないと言っているのです!


一見、『遺伝子』と『生物』というのは、同等のモノまたは『生物』の方が上位互換の様な印象を受けるけれども、全くそうではない、と言う理論なのですが、それをもっと端的に表している事実があります。

それは『遺伝子がその定義上、コピーの形でほぼ不滅である』のに対し『生物には寿命がある』と言うこと。

(遺伝子は何度も何度もコピーされ、そのコピーが後世へと受け継がれていくのですが、一説によると遺伝子は1万~100万年単位で受け継がれるとのことです!!)

そう。つまり我々生物は『遺伝子の“使い捨ての”乗り物』であるってこと。極論、極論ですよ、「ボクたちは何故生きているのか?」と言う問いの正しい答えは「遺伝子を後世に残すためだけ」とも言いかえられるわけで(笑)。


そう考えていくと、色々な生物が行っている「利他的行動」についての説明ができなくなるのでは?と思いませんか?ボクもそう思いました。

その答えを考える時、参考になるのが『利己的遺伝子説と遺伝的決定論の違い』です。


どういうことかと言うと、遺伝的決定論では、遺伝子が全ての体と心の行動を制御(control)する、と言われていますが、これに対し利己的遺伝子説では、遺伝子は人間の行動に統計的な影響力を行使する、と言われています。

長い長い、生物の進化の過程で、遺伝子は何をしてきたかと言うと、『いかにしてその遺伝子を後世に遺すか“だけ”』に特化してきました。その結果、何をどの様にすればその遺伝子を残せるかと言う『統計的手法』を用いて、前述した生物であるビーグルをコントロールする、と言うことです。ですので、時に変形したり逆転したりしながら、長い年月を生き抜いてきたわけです。

そこで出てくるのが『利他的行動』です。

ここで少し言葉を整理しておきましょう。

ココまでで述べてきている『利己的』とはどの様な意味かというと〝自己の成功率(生存と繁殖率)を他者よりも高めること。〟と定義されます。一方、『利他的』というのは〝自己の成功率を損なってでも他者の成功率を高めること。〟と定義されます。

遺伝的決定論で考えるのであれば、自分自信の遺伝子を遺すことが第一優先であるので、利他的行動と言うのは、理論に反します。つまり『蹴落としてなんぼ!』ですから。本当の意味で“利己的”でなくてはなりません。

ボクのblog『人はなぜ共感を求めるのか?』でもお伝えしましたが、霊長類(ヒト)は集団行動をすることで、この世界を生き延びてきた、と進化論的な説があります。つまり、ヒトと言う種の遺伝子を残していくためには、蹴落とし合うよりも協力し合って、より強い遺伝子を遺すほうが理にかなっている、と言うわけです。

これが『利他的行動』であるわけです。


この様に書くと「なぁ~んだ。ボクらの行動は全部、遺伝子のためか…」と思うと、とっても味気ないですよね(笑)。ボクもそう思います。

確かにそうなんです。

という事は、ヒトであれサルであれトリであれ、もっと言うとカブトムシであれアリであれ、さらに言うとサクラであれアサガオであれ、すべての生物は遺伝子のためのビーグルですから(笑)どれも等しく同じ、とも言えるわけです。

ヒトである我々だけが『何かに秀でている特別な存在・崇高な存在』とも断言できなくなるわけです。


そう考えるとですよ。今、この瞬間、小さなコミュニティの中で悩んでいたりちっちゃなプライドが邪魔して生きづらさを感じていたりしていることって、何万年と言う単位で受け継がれてきた遺伝子のことを考えたら、途方もなく小さな小さな出来事の一つであって、なんだか、バカバカしく思えてきますよね。

ボクがココで言いたいのは「一人ひとりの存在なんて小さなものでぞんざいに扱って良いもの」と言っているのではなくて、「どんな生き物も、どんなヒトでも大切な命だ」と言うことです。


そしてふと思い出したのが、この歌です。
この歌の歌詞をよく思い出しながら、今日のお話しは終わりに致します。


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