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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年1月6日土曜日

そろそろ本当の話しましょう(精神疾患)その⑤

 そろそろ本当の話しましょう(精神疾患)その④からの続きです。



復職日の4日前が、休職中最後の受診日でした。そこで主治医より復職許可がおり、次回の予約とお薬を処方され、翌週、無事に復職しました。

その頃の職場はもう、短期大学に移行した後だったので、ボクは講師という職位上、個室が割り当てられていました。ですので、職員全員が揃うというのは月に一度の職員会議の時ぐらいでした。とりあえず、午前中は、自室で自分の仕事をし、お昼休みの時間帯に学長を始め事務長や専攻長へ復職の挨拶をしました。


短大や大学の教員って、自由裁量の仕事が多くて、自分の担当講義や所属する委員会などの時間以外は、どんな事に時間を使ってもいいんです。講義の準備をしたり自分の研究をしたり、文献を調べたり業者とやり取りしたりと、自分自身でスケジューリングをしておけば良いので、気楽といえば気楽な仕事です。

しかし、ボクのように「誰かを頼って相談することが苦手な人」には、あまりいい環境とはいえません。当時、ボクの勤務していた短大は単科であったこともあり、教員や他の職員との距離感はとても近くて、あまり気を使わなくてもよい人間関係ではあったのですが…

深掘りしていくとボクの生育環境や親子関係の話まで遡るため詳しくは書きませんが(笑)、ボクは「失敗を恐れる人」「間違いを犯せない人」でした。その心理的背景にはそれらを「恥」と思う気持ちが強かったからだと思います。

だからボクは、色んな困難にぶち当たっても一人で解決しようとし、自分の手に余ることでも対処しようとしてしまうため、自分が壊れると言う、とても危なっかしいことばかりをしてきました。


復職後は、とても快調でした。ただ、それは誤った「快調」でした。

これは今思えば「双極性障害」の始まりだったのかもしれませんが、前述した通り、ボクは自分の悩みや失敗を人に話し相談することを怠ってきた人間です。ですので、「快調」と言うのは言い換えれば「自分で何でもできる」と言う思考でした。

もちろん休職した事も功を奏したとも言えますし、抗うつ薬がよく効いていたのだとも思います。ただ、ボクはそれに乗じて「もう治った」と思いました。


いや思い込んでいたんです。

そこでボクは大きな過ちを犯しました。


服薬を自己判断でやめてしまい、かつ予約していた精神科の受診も、勝手に辞めてしまいました。

ご存じの方も多いかと思いますが、この様な行為は症状を悪化させる致命的な行為です。

とりあえずボクは、最後の受診時に処方された抗うつ薬1ヶ月分を飲みきってから、通院もせず服薬もせず過ごしました。

結果、何が起こったか。

2~3ヶ月後に再びメンタルダウンしました。


当時ボクは、どうしてまたメンタルダウンしたのか、全くその理由が分かりませんでした。

朝起きた時の強い抑うつ感。
無気力。
無関心。
過眠と過食。

生活すること全てが面倒に思え、また一方で「また仕事に行けなくなってしまう」「皆や学生に迷惑をかけてしまう」そう言う強い自責の念から「またメンタルダウンしてしまった」「自分はダメな人間だ」「価値のない人間だ」と言う不全感で頭がいっぱいでした。


結局、通院していた精神科の門を再び叩くわけですが、主治医からは優しく「しばらくお薬は続けて通院もして下さいね」と諭され、ボクはホントに穴があったら入りたいくらい、恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。

だって、曲がりなりにも医療従事者なんですよ。ボク。

この経験は、良くも悪くもボクにとって、精神疾患患者(精神障害者)として生きていく上で、大きな影響を与えました。

それはブログ記事「理学療法士であったと言うトラウマ(ボクの場合)」に書いた通り、ボクの自己肯定感が下がり、「人に相談できないボク」がさらに輪をかけて「貝になってっしまったボク」へと変容してしまったのです。


今でも時々思います。

あの時、きちんと服薬を続けていれば…

あの時、ちゃんと通院を継続していれば…

そして

どうしてあんなにも失敗を恐れていたのか。

どうしてあんなにも人に頼ることを避けてきたのか。



次回、「そろそろ本当の話しましょう(精神疾患)」最終回です。

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