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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年4月30日火曜日

心理カウンセリングを受ける人に知っていてほしいこと①答えはクライエントが持っている(リライト版)

 心理カウンセリングを受ける際よく語られることなのですが、「クライエントの問題への解決方法は心理カウンセラーが与えるのではなくクライエント自身がすでに持っている」ということです。

もう少し難しい言葉で説明しますと「心理カウンセリングの本質は、クライエントが自分自身のことを振り返り、自己理解を深め、問題解決に主体的に取り組み、自己成長へと向かう内的変化を促すこと」なのです。



以前、同じ職場で働いていた同僚が「カウンセリングなんて “うんうん。はいはい。それで?”って言われて終わりだよね。何の解決にもならない」とボヤいていたのを聞いたことがありまして(笑)。もしかしたら、その心理カウンセラーの力量もあるかもしれませんが、クライエントであるその同僚が、心理カウンセリングに取り組む『姿勢』そのものにも問題があるのだろうな、と聞いていました。


前述しました『心理カウンセリングの本質は、①クライエントが自分自身のことを振り返り、②自己理解を深め、③問題解決に主体的に取り組み、④自己成長へと向かう内的変化を促すこと』を1つずつ考えてみましょう。


①クライエント自身が自分自身のことを振り返る

そもそも心理カウンセリングを受けようとその門を叩く人というのは、何か解決したい問題を抱えている人です(一部例外あり)。そしてその問題や気持ちなどを「言葉や態度、ジェスチャーを使って」心理カウンセラーに説明し救けを求めようとします。心理カウンセラーはクライエントの訴えを、発せられた言葉や表された態度、ジェスチャーなどからその問題を理解し共感しようとします。この時、心理カウンセラーは、クライエントの話をまとめたり言い換えたり身振り手振りを交え「言葉や態度、ジェシチャーを使って」伝え返します。

そうすると、クライエントにどんな反応が起こるか。

クライエント自身が伝えようとした問題や気持ちを、もう一度、心理カウンセラーと言う“フィルター”を通し、クライエント自身の耳や目からそれを再認識します。その時に「うんうんその通り」「あれ?何となくニュアンスが違う」「それもあるけど」など多様な気持ち・思い・感情が湧いてきます。そして心理カウンセラーの対応に呼応するように反応を示します。

この様に、クライエントが自分自身で表現した問題や気持ちを心理カウンセラーが伝え返すことでもう一度、咀嚼し直し振り返ることになります。


②自己理解を深める

『①クライエント自身が自分自身のことを振り返る』ことを繰り返し行っていく中で、心理カウンセラーが効果的な対話をすることができていれば、クライエントは自分自身の本当の気持ちや周囲に対する態度に気付き、“環境や出来事をどの様に自分の中に取り込み、それを理解し認知しているか”を理解していくようになります。

それはある意味『クライエントの歴史』をたどる旅と言い換えられるかもしれません。

それは何故かと言うと、クライエントが育った環境や親兄弟などの近親者との関係性、学歴や宗教、性別やセクシャリティなど、クライエントを形作っている様々な要素・要因を紐解いていく事になるからです。



③問題解決に主体的に取り組む

『②自己理解を深める』事がうまくいけば、クライエントが今抱えている問題の根幹が見えてきます。ただ、ここで誤った理解をしていけないのは“原因が分かったからそれを取り除けば良いと言う単純作業ではない”と言うことです。例えば、クライエントが子供の頃に影響を受けた親からの価値観などに原因があったとしても、過去に戻りクライエントの親の躾(しつけ)や教育の仕方からやり直しができるかと言えば、それは無理な話ですよね。

では、何を行うのか。

クライエントが抱える問題に対して、今(または今から)実行可能なことで問題解決につながる “何か” を模索しながら獲得していくことを「心理カウンセラーが支持しながらクライエントが実行」していきます。

ここでやっと『〇〇法』と言うようなテクニックの登場です。
行動療法
認知行動療法
暴露(エクスポージャー)療法
EMDR
ナラティブセラピー
ジャーナリング

などなど

どれも理論や方法論はありますが、『クライエントが主体的に行うこと』ばかりです。心理カウンセラーは提案したり支持したりすることはしますが、実施するのはクライエント自身です。


④自己成長へと向かう内的変化を促す

最終的に心理カウンセリングは『終結』します。つまり終わりを迎えます。しかしそれは、ただ単に “今”クライエントが抱える問題が解決した時ではなく、クライエントのその後の人生において、クライエント自身で問題解決が可能となり成長した時である、と言えます。

つまりクライエントは、心理カウンセリングを受ける前とは違う自分に変化をする、成長する様になります。




少し難しい話になってしまいましたが、答えはクライエントが持っていて、心理カウンセラーは答えを教えてくれる存在ではない、と言うことが理解していただけたでしょうか?

こんな事を少し思い浮かべながら心理カウンセリングを受けていただけると、より一層、効果的だと思います。

2 件のコメント:

  1. 素直になるってことなんですね

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      そうですね。素直になる、自分に正直になることって、とても大切な要素だと思います。そうすると自分自身で見えてくるものがあると思います。気づきが得られると思います。

      削除

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