自己紹介

自分の写真
オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年5月31日金曜日

身体の不調→メンタルの不調①PMSとPMDD

 これは、ボク自身が生物学的に男(雄)であり、経験したことのないことなので、『実体験に基づいて』と言うお話しではありません。けれど、今まで働いてきた中で、コレに苦しむ女性の姿を見てきました。そして今回、どうしてこの様な記事を書こうかと思ったかというと、「一見して“メンタルが原因”の“メンタルの不調”」が実は「“内蔵や臓器が原因”の“メンタルの不調”」と言うケースがあり、心理カウンセラーとしては、それらをキチンと鑑別する必要がある、と強く感じたためです。

今回取り上げるのはPMS(月経前症候群:premenstrual syndrome)とその中でも特に心の不安定さが際立って強く出てしまうPMDD(月経前不快気分障害:premenstrual dysphoric disorder)についてお伝えしたいと思います。


月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)とは…
月経(生理)が始まる3~10日ほど前から身体や心にいろいろな症状が起こる病気です。これらの症状は月経の開始とともに弱まったりなくなったりします。PMSの詳しい原因はまだ分かっていませんが、女性特有のホルモン(黄体ホルモン)の代謝と関係している、と言われています。

では具体的にどの様な症状があるのか、というと


上の図に示した通り、『精神症状』というものもあります。しかしPMSの場合、心理カウンセリングなどの心理療法が効果的か、と言われるとそうではありません。残念ながら。

餅は餅屋。

まずは婦人科を受診して頂き確定診断していただくことをオススメします。


実はボクが理学療法士の養成校の教員をしていた頃、担当していた女性の学生がイライラ感や気分の浮き沈みを訴えてきたことがありました。ただ、本人も月経と関係していると感じていたのか、他の女性教員に相談したようです。女性教員はその学生の同意を得て、ボクにも情報共有してくださいました。彼女は、婦人科を受診し、低用量経口避妊薬(いわゆるピル)を服薬し始めて、かなり症状が改善し、落ち着いて学生生活を送れるようになった、と言う経緯があります。

やっぱり、女性同士でなければ打ち明けづらいこともありますよね。


一方、月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder:PMDD)とは…
PMSの仲でも心の不安定さが際立って強く出てしまう場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」と診断されます。PMDDは抑うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラの4症状が中心で、食行動の変化や睡眠障害などの特徴的な症状が月経前に出現することで社会活動や人間関係に支障をきたします。原因や病態についてはまだ完全には明らかにはなっていません。


ちなみに『DMS-5』というのは『Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders』(精神疾患の診断・統計マニュアル)の第5版、と言うもので、アメリカ精神医学会が発行しているものです。第5版が現在で一番、新しいものです。

PMDDに関しても、かなりたくさんの精神症状があり、また、PMSよりもその症状は重度だと言われています。

しかし…

餅は餅屋(笑)。

やはり婦人科で確定診断していただきたいと思います。

現在、PMDDに関しては以下のような治療法があるようです。


1) 症状を抑える治療
症状が軽い場合は対症療法として、情緒不安定に対して精神安定剤、浮腫(むくみ)に対して利尿剤、頭痛・腹部痛に対して鎮痛剤などが適宜用いられます。

2) 抗うつ薬(SSRI)
症状が中等症以上の場合は抗うつ薬が第一選択となります。連続して投与する方法と月経開始前の2週間のみ投与する方法があります。少量の投薬量で早くから効果が得られます。

3) 経口避妊薬
産婦人科では、頭痛や乳房痛などの体の症状の改善のために経口避妊薬などの低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤を用います。最近では黄体ホルモン薬のドロスピレノンと卵胞ホルモン薬のエチニルエストラジオールからなる新しい低用量ピルが、PMDDの症状を軽くし生活の質も改善するとの報告があり使われています。

4) GnRHアゴニスト
卵巣機能を抑制するため月経はなくなり、最終手段の治療となります。女性ホルモンの分泌がなくなるので、更年期障害(ほてり・発汗・不安・イライラ感)や、同年代の人より前倒しに、脂質異常・動脈硬化・骨粗鬆症の病気が起きるリスクがあります。

5) 漢方薬
漢方療法はPMDDに効く可能性があります。体のバランスそのものに働きかけることを期待し、また副作用も少ないので産婦人科診療で用いられることがよくあります。


冒頭でボクは「内蔵や臓器が原因で起こるメンタル不調を心理カウンセラーとして鑑別必要がある」とお伝えしました。

しかし、皆さんに知っていただきたいのは、同じ職場で働く仲間が、もしかしたらこの様な病気や症状で苦しんでいるかもしれない、ということを、ジェンダー・男女関係なく、知っていただきたい、と言う気持ちもありました。


ぜひ参考にしていただければ、と思います。

2024年5月29日水曜日

問題はあなたではなく職場にあるのです!『バーンアウト』

 良く、医療従事者や高齢者福祉・障がい者福祉・児童福祉といった、対人支援や対人援助の方々が陥ることで知られている『バーンアウト(燃え尽き症候群)』。それはお仕事だけでなく、ボランティアなどの活動をされていてご経験されたことのある方もおられるのでは?

しかしなぜかバーンアウトする人としない人がいます。同じ仕事や活動をしていても…不思議だと思いませんか?ボクはとても不思議に思っていました。ボク自身はバーンアウトした経験はありませんが、しそうになっていたことはあります(笑)ギリギリのトコロで。


バーンアウト(燃え尽き症候群)とは…
それまで人一倍活発に仕事をしていた人が、なんらかのきっかけで、あたかも燃え尽きるように活力を失ったときに示す心身の疲労症状をいいます。主要症状として、心身の疲労消耗感のほか、人と距離をとり感情的接触を避ける、達成感の低下などが認められています。精神医学的にはうつ病と診断されることもあります。

医学的な話しをすると「バーンアウト・燃え尽き症候群」と言う診断名はなくて、おおよその場合『うつ病』と診断されることが多いですよね。ですので、例えば睡眠障害であったり、例えば摂食障害であったり、たとえば抑うつ感であったりと言う症状もあります。しかし、『バーンアウト・燃え尽き症候群』としては、以下のような特徴的な症状もあります。


1. 情緒的消耗感
仕事を通じてエネルギーを使い果たし、何もかも空しく感じてしまう。
仕事から離れていても、仕事のことを考えずにはいられない。
以前は楽しめていた活動も、今はつまらなく感じる。
些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりする。
人に対して無気力になったり、シニカルな見方をするようになる。

2. 脱人格化
仕事や周囲の人間関係に対して、シニカルな見方をするようになったり、感情が薄くなったりする。
患者さんや利用者さんに対して、冷たく無愛想な態度をとってしまう。
仕事に対する責任感や義務感が薄れてしまう。
仕事以外のことに興味や関心が持てなくなる。

3. 個人的達成感の低下
自分の能力や価値を認められなくなったと感じ、仕事への意欲が低下する。
以前はできていた仕事が、できなくなってしまったと感じる。
ミスが多くなったり、集中力が低下したりする。
昇進や昇給への意欲がなくなる。
将来への希望や展望が持てなくなる。


実は『バーンアウト・燃え尽き症候群』と言うのはWHO(世界保健機関)にも正式に認められた問題なのです!

ただし…WHOがIDC-11(国際疾病分類)と言う『あらゆる病気の種類やその基準に係る世界的な分類』の中に『バーンアウト・燃え尽き症候群』を記載してしまうことに懸念を示した方がいます。

カリフォルニア大学バークレー校のクリスティーナ・マスラック名誉教授(社会心理学)です。彼女は下記のように伝えています。

〝燃え尽きが病気と見なされれば、それは組織の問題というより個人の問題だと位置づけられてしまう。そうなると「あの人を治療しなければ」とか、「あなたには辞めてもらいます。あなたに問題があるからです」「あの人物を取り除かなくてはならない」といった発想になり、組織の責任が問われなくなる。〟

ボクはこれを読んだ時に「!!!!!」と思いました(笑)

や、まさにそのとおりだと思ったからです。


実は2018年に『Employee Burnout, Part 1: The 5 Main Causes』(従業員の燃え尽き症候群、パート 1: 5 つの主な原因)と言う論文が発表されました。そこに書かれていたのは、「人々が燃え尽きる原因が主に5つある」と言っています。

①職場での不公正な扱い
②対処不能なほど過大な業務量
③求められる役割についての明確性の欠如
④マネジャーとのコミュニケーション不足、マネジャーによる支援不足
⑤非合理な時間的プレッシャー

みてわかるように、当事者が原因ではない、と言っているのです!!

少し見方を変えると、①②などはハラスメントとも関係性がありそうですよね。そして③④などは、直属の上司やチームリーダーとの関係性が影響してきそうです。


ボクはこれを読んで思いました。

バーンアウトって「すごく困難で大きな山場を乗り切った」と言う時に起こるものだと思っていたけれど、おそらくソレだけではバーンアウトしないんだって。だって、もしソレだけなら「達成感」や「爽快感」も伴うはずだから。確かに「すごく困難で大きな山場を乗り切った」プラス上記の①~⑤の様な条件が重なった時に、人はバーンアウトするんだって事に気付きました。


もちろん、バーンアウトしてしまって、精神症状や身体症状が出てしまった時は、休養や薬物療法、心理カウンセリングなど、本人が対処できることもたくさんあります。しかし、職場環境や社風や企業風土が改善されない限り、同じ職場に復職できたとしても、また、あなたがバーンアウトする可能性が高い、と言うことを忘れてはいけません。

何度も言います。

これは個人の問題だけではなく、職場環境の問題です。


先日、ネットニュースで『企業風土改革「新設部署で企業文化の変化チェック、腰を据えて取り組む」…〇〇社長』みたいな見出しのニュースを読みました。

ボク、思うんです。

企業風土改革ってボトムアップではダメなんです。トップダウンでなければ。企業風土や社風って、その企業が長年かけて作り上げて築いてしまったもの。それを、一平社員があーだこーだ言って、それをキチンを吸い上げてくれる上長がいるでしょうか?

その上長ですら、その企業に長年在籍しているのであれば、その企業風土や社風に慣れ、それが当たり前と思っているはずです。


だから!

だから、企業風土改革は、もっと上の管理職や社長・CEOがトップダウンで行うべきなのです!!

2024年5月27日月曜日

カウンセリングなんて…と思っている方へ③(リライト版)

 『カウンセリングなんて…と思っている方へ②』からの続きです。



カウンセリングは、クライエント(相談者)と心理カウンセラーの間で行われる“対話”が中心です。“対話”の中には、ただ言葉を交わすことということだけでなく、その空気感を共感することや、ノンバーバル(非言語的:言葉では表されない態度や表情、身振り手振りのこと)な交流を通じたりしておこなうセラピーの事です。

ここで強調したいのは、『運動や作業と違い、カウンセリングではクライエントが抱えている問題を、真正面から取り組む方法である』と言うこと。

運動や作業では、自分自身の中で自問自答したり整理したりしながら「自分なりの」答えを見つけたりするのですが、ちょっと極端な言い方をすると『自分の見たくない自分や目を逸らしたい現実を頭の隅に追いやる』事ができてしまう、と言うのが運動や作業の欠点だと思うんです。

先日、とあるSNSで「カウンセリングとは心の弱い者のための方法」と言うパワーワードを見かけたんですが、実は全く持って逆です。

カウンセリングを行うことで、見たくない自分、認識したくない現実と対峙しなければならないので、クライエントは覚悟を持って臨まなかればなりません。(ボクのblog記事『心理カウンセリングを受ける人に知っていてほしいこと③覚悟を持って(リライト版)』にも書きましたので、一度御覧ください)

けれど安心して下さい。そこには必ず心理カウンセラーがそばで寄り添っています。

心理カウンセリングにおける心理カウンセラーの3つの基本的態度、というのがあります。

①クライエントの感じ方に焦点を当てて無条件の肯定的関心を持つ「受容」
②クライエントの内的世界を共感的に理解しそれを相手に伝える「共感的理解」
③クライエントとの関係に心理的に安定し、心理カウンセラー自身も無理なく自分の言動や態度を受容できる「自己一致」

これらの基本的態度を持ってクライエントに接し、適度な距離感を保ちつつ寄り添うのが心理カウンセラーで、クライエント自身が嫌悪している自分、隠しておきたい自分、適切に表現できない自分を、安心して言葉や態度で表現できるよう、支援してくれます。

これはボクは、産業カウンセラー養成講座の体験学習(心理カウンセリングの練習)の場で、指導していただいた先生からの言葉なのですが、「心理カウンセラーはクライエントの少し先を行ったり、ピッタリと寄り添ったり、すこし後から付いてきたり、その時々のクライエントの状況に応じて絶妙な距離感を保つのが、有能な心理カウンセラーだ」と言っておられました。

そして、運動や作業と違う点は、問題の本質にメスを入れ、精神心理の根本的な問題の解決に取り組む点で大きく違いて、心理カウンセリングを終えた後には「カタルシス効果」を実感できるようになります。

カタルシス効果というのは、自分自身の心の中にあるネガティブな感情を開放することで心を浄化したり、気分をリラックスさせたり、前向きな気持にさせる効果のことです。身近な具体例で言うと、「泣く」ことでしょうか。

悲しくて泣く、悔しくて泣く、映画を見て泣く、感動して泣く。この「泣く」という反応によって、気分がスッキリしたり前向きに思えるようになったりする経験は、誰しも一度や二度は経験していますよね?


そして何より、カウンセリングによって得られるものの中にとても大切なのは「気付き」です。

抑圧していた自分自身の、良くない負の感情に気付く、本当はどうしたいのか自分自身の要望に気付く、周囲の人たちの自分に対する態度の本質に気付く。

嫌悪感や怒り、高すぎる自尊心や強すぎる自我など、「感じてはいけない」「思ってはいけない」と、自然に無意識下に押し込めているような感情や思いに気付き、それを表現することで、解決の糸口が見つかることも往々にしてあります。

ただ、一つ注意していただきたいのは、心理カウンセリングが終わった後、必ずしもスッキリするとは限らない、と言うことです。限られた時間の中で対応できることには限りがあるため、モヤモヤのままその時のカウンセリングが終るかもしれません。しかし、次回のカウンセリングまでの間に、自分なりの答えが見つけ出せたり、他の人からアドバイスが貰えたり、自分の中で“何か”が変化し物事の捉え方が変わったりと、心理カウンセリングが終了した後もその効果が持続することは、実はよくある話なんです!

『良いカウンセラーとは気付きを与えるカウンセラーである』

明確な答えや導線を示してくれるカウンセラーではありません。それは何故か。心理カウンセリングではクライエント自身の自己解決能力や自己修復能力を高め、人生を主体的に歩んでいくための支援であるから、なのです。

『話を聞いてもらう』だけであれば、友人やパートナー、家族や兄弟、上司や同僚などあなたの周りには色々な人がいてくれるかもしれません。けれど、その人達とは多かれ少なかれ『利害関係』にあるため「ここまでは言えるけどこれは言えない」「こんな気持は知られたくない」というフィルターがかかることで、しっくり来なかったり釈然としなかったりと、実は問題解決の糸口とはならなかったりしますよね。

しかし、心理カウンセラーは『絶対なる第三者』なんです。もちろんそのサービスに金銭のやり取りが生じることはありますが、あなた自身にとって「心理カウンセラー+α」となる関係性には、絶対になりません。そう絶対に、です!

「+α」になった時点で、その心理カウンセラーとの『カウンセリング関係』は終了とならざるを得ません。それは何度もお伝えするようにカウンセラーは『絶対なる第三者』でなければならないから、です。


カウンセリングを受けることを躊躇したり迷う人は、大勢いると思います。特に日本ではまだあまり馴染みがなく、また「精神疾患を持った人だけが受けるもの」「特別な病気をもった人のためのもの」という認識がとても強い、とボクは感じています。また「考え方が宗教的」「新興宗教への勧誘」「壺や水を売りつけられる」「洗脳される」などのイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか?

それは絶対にありません!!!!


全3回にわたってお伝えした『カウンセリングなんて…と思っている方へ』ですが、やや小難しい事もお伝えしました。しかし、もっと身近にカウンセリングを感じていただき、実際にご自身で体験していただきたい。あわよくばボクの心理カウンセリングを(笑)

百聞は一見に如かず。ですよ。

カウンセリングなんて…と思っている方へ②(リライト版)

(カウンセリングなんて…と思っている方へ①からの続き)


「『運動をする事でうつ病を予防したり抑うつ感を解消したりする』と言う実験研究にはバイアス(データの偏り)がある」と言うボクの理論に、科学的根拠(エビデンス)は、ない(笑)

申し訳ないけれど、全く、ない。です。

ほぼ、実体験でモノを云わせて頂きます。

運動をする事に効果が表れるのは「もともと運動する事に抵抗がない(専門用語で“親和性がある”と言います)」人にのみ有効なのでは?と、ボクはずっと思っていました。と言うのも、実際の患者さんに協力を得て行う『臨床研究』の場合、その患者さんに、必ず研究の説明をし同意を頂いた上でその研究に参加してもらうんです。だから『運動の効果をみるための実験』と言う説明であったとすれば、もともと運動をしたくない、または苦手意識がある人は、そもそもその研究には参加しない可能性が高いから、と言うのがボクの持論。



ただ、運動することによる効果がある事は事実で、大切なのは「なぜ運動に効果があるのか」と言う理由(専門用語で“作用機序”と言います)だと思うんです。


運動中はどんな人でも、その間はその運動の事だけを考えているハズです。少し余裕がある人でも周りの環境や他の人に意識が向く程度で、ほぼ運動に集中しているでしょう。そして運動が終わった後には、なんやかんや言って爽快感があるもの。

爽快感があると言う事は、心の中のモヤモヤや良くない負の感情が軽減したり消失したりしていて、何となく前向きな気持ちになるのでは?

「なんとかなるさ!」
「あんなことに悩んでいたなんて馬鹿らしい!」
「今度はああしてみよう!」

そんな気持ちになるんだと、ボクは思います。
大切なのは、運動をしている最中はそれに集中しているということ。つまり思い悩んでいたことやそれに関連した事を考える隙を与えない、忘れている時間がある、と言うことです。

と言うことは言い換えてみると、それが運動である必要は全く無いのでは?と、ボクは考えます。
極端な話し、何かに集中さえしていれば良いのであって、料理・園芸・手芸・絵画・DIY・畑仕事・映画鑑賞・音楽鑑賞・読書、なんだって良いはずですよね?!
(医学的リハビリテーションで言うところの“精神科領域における作業療法”もこのような効果を狙っている場合もあります!)。

瞑想や呼吸法なども効果があるとされています、これらもその時間の間は『呼吸すること(その運動や感覚)』に意識を向け続ける時間があります。近年、効果が高いと言われている『マインドフルネス(瞑想・呼吸法)』は、まさにこの効果があると感じています(ボクは体験者でそれを実感しています)。



何かに集中することによって、頭の中をグルグルと、言葉にならない負のスパイラルから抜け出せないような考え事を一度リセットし、自分自身で頭の中の考えを再構築(または再構成・再認知かな?)することで、モヤのかかっていた部分がクリアになり、問題解決へのヒントがうまれたり前向きな気持になるのだと、ボクは考えています。

チョー持論ですが(笑)



ボクは運動が大っっっっっっっっっっっっっっっ嫌いです!
だって運動音痴やししんどいし汗かくし。
楽しいと思ったことは本当に数えるほどしかない、と思っています。

ただ、映画鑑賞や音楽鑑賞、読書などは日常的に行っていますよ。特に読書は、寝る前の読書は習慣化しているし、マインドフルネスもアプリの力を借りて継続して行っています。

では、本題。
「カウンセリングにはどのような効果があるのか?」
この運動や作業による効果と心理カウンセリングとでは、どのように違うのかに焦点を当てて、またまたチョー持論を展開します(笑)


カウンセリングなんて…と思っている方へ③へ続く

カウンセリングなんて…と思っている人へ①(リライト版)

 日本人は、「健康に敏感な国民」といっても良いかもしれません。2021年厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は男性で81.5歳、女性で87.6歳であったとのことでした。

また、2019年の日本人の健康寿命は72.7歳、女性は75.4歳と。


どちらも年々、延伸してきて、これは国の施策はもちろん、医療技術の発展や国民一人ひとりの健康への意識が高くなってきていることがその要因であるのかなぁ~とボクは考えます。

しかし、皆さんの健康意識というのは、どこを向いているのか、一度、考えてみていただきたいのです。

体重?
体脂肪率?
血圧?
血糖値?
尿酸値?
コレステロール値?

どれもこれも、臓器、とりわけ内臓の働きを表す値であって、それらに自然と関心が向いているのではないでしょうか?それは、健康診断や特定健診などで必ず項目として挙がっている血液検査や尿検査などから算出されるもので、それらにばかりに目が行くのも仕方がないと言えば仕方がない、でしょう(笑)

一方でこれはご存知でしょうか?

『労働安全衛生法』という法律が改正されて労働者が50人以上いる事業場では、2015年12月から『ストレスチェック』が毎年1回、全ての労働者に対して実施することが義務付けられることになっています。

つまり、国もやっと「ストレスを管理することが健康に重要である」と認めたわけです。もしかしたらこれをお読みの方の中でも、所属する企業の健康診断でストレスチェックを受けた方もおられるのでは?と思います。

随分前から日本の医療施策の考え方として、「疾患の治療」よりも「疾患の予防」に主眼が置かれるようになりました。その最たるものが健康診断であったり特定健診で合ったりすると思います。【予防+早期発見+早期治療】が最も重要で、健康寿命を延伸させるとしている(一方で国民の医療費削減に効果的であると言う側面も持つ)と言う考え方です。つまり「ストレスを軽減させること」が「疾患の予防や早期発見に繋がる」と法的に認められたことになったのだと、ボクは解釈します。


さて、具体的にストレスが原因で引き起こされる疾患としては、以下の物が挙げられると言われています(ここに挙げたのは一例です)。

<心の病気>
うつ病、不安症、パニック障害、強迫性障害、PTSDなど

<身体の病気>
高血圧、糖尿病、心臓病(狭心症・心筋梗塞など)、脳血管疾患(くも膜下出血・脳梗塞など)、癌、アレルギー、消化器疾患(便秘症・過敏性大腸炎など)、呼吸器疾患(喘息発作など)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)、更年期障害など


ストレスというのは、心の病気だけでなく身体の病気にも深く関わる事が多くて、前述した病気以外にも、肩こりや腰痛、頭痛やめまい、倦怠感や胃痛なども関与していると言われています。

しかし皆さんは、それらのサインを「休めば治る」という安易な対処法でなんとかしようと思っていると思っていませんか?

実はその対処法、誤ってるかもしれませんよ!

休んでいるはずなのに休まらない。
何もしていないのに疲れる。
積極的に何かをしたいと思わない。
いつも楽しいと思えていることが鬱陶しいと思えてしまう。
腰が重くて何をするにも億劫である。
日々のルーティン(料理をする・歯を磨く・ひげを剃る・入浴する・洗濯をするなど)が後回しになる。
…そのような症状が出現するようになると、なかなかその状態から抜け出すことが困難になることが多い、とボクは思っていて、事実、ボクもメンタルダウンする直前というのは、まさにこんな感じでした。

これはいわゆる「抑うつ状態」と言う状態です。

もう何年も前から「軽い運動は抑うつ状態を軽減する」「運動はうつ病を予防する効果がある」など言われていて、研究結果としてはキチンとエビデンス(科学的根拠)がある、と言われていますが…

ボクはこれにはバイアス(何らかのデータの偏り)が考慮されていない、と思っています。


次回「カウンセリングなんて…と思っている人へ②」では、この運動をすることがメンタルヘルスに与える影響に関するボクの私見と、本当の意味でのストレス解消とは?ということについてお伝えしたいと思います。

最新のblog

 2024年11月28日(木)~30日(土)にかけ、東京において開催された『 第38回日本エイズ学会 』の『POSITIVE TALK 2024』にて、HIV陽性者の当事者としてスピーチをしてきました。まずは、その発表原稿の全文を、こちらでご紹介させて頂きます。 なお、読みやすい...