自己紹介

自分の写真
オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極性障害)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年5月27日月曜日

カウンセリングなんて…と思っている方へ③(リライト版)

 『カウンセリングなんて…と思っている方へ②』からの続きです。



カウンセリングは、クライエント(相談者)と心理カウンセラーの間で行われる“対話”が中心です。“対話”の中には、ただ言葉を交わすことということだけでなく、その空気感を共感することや、ノンバーバル(非言語的:言葉では表されない態度や表情、身振り手振りのこと)な交流を通じたりしておこなうセラピーの事です。

ここで強調したいのは、『運動や作業と違い、カウンセリングではクライエントが抱えている問題を、真正面から取り組む方法である』と言うこと。

運動や作業では、自分自身の中で自問自答したり整理したりしながら「自分なりの」答えを見つけたりするのですが、ちょっと極端な言い方をすると『自分の見たくない自分や目を逸らしたい現実を頭の隅に追いやる』事ができてしまう、と言うのが運動や作業の欠点だと思うんです。

先日、とあるSNSで「カウンセリングとは心の弱い者のための方法」と言うパワーワードを見かけたんですが、実は全く持って逆です。

カウンセリングを行うことで、見たくない自分、認識したくない現実と対峙しなければならないので、クライエントは覚悟を持って臨まなかればなりません。(ボクのblog記事『心理カウンセリングを受ける人に知っていてほしいこと③覚悟を持って(リライト版)』にも書きましたので、一度御覧ください)

けれど安心して下さい。そこには必ず心理カウンセラーがそばで寄り添っています。

心理カウンセリングにおける心理カウンセラーの3つの基本的態度、というのがあります。

①クライエントの感じ方に焦点を当てて無条件の肯定的関心を持つ「受容」
②クライエントの内的世界を共感的に理解しそれを相手に伝える「共感的理解」
③クライエントとの関係に心理的に安定し、心理カウンセラー自身も無理なく自分の言動や態度を受容できる「自己一致」

これらの基本的態度を持ってクライエントに接し、適度な距離感を保ちつつ寄り添うのが心理カウンセラーで、クライエント自身が嫌悪している自分、隠しておきたい自分、適切に表現できない自分を、安心して言葉や態度で表現できるよう、支援してくれます。

これはボクは、産業カウンセラー養成講座の体験学習(心理カウンセリングの練習)の場で、指導していただいた先生からの言葉なのですが、「心理カウンセラーはクライエントの少し先を行ったり、ピッタリと寄り添ったり、すこし後から付いてきたり、その時々のクライエントの状況に応じて絶妙な距離感を保つのが、有能な心理カウンセラーだ」と言っておられました。

そして、運動や作業と違う点は、問題の本質にメスを入れ、精神心理の根本的な問題の解決に取り組む点で大きく違いて、心理カウンセリングを終えた後には「カタルシス効果」を実感できるようになります。

カタルシス効果というのは、自分自身の心の中にあるネガティブな感情を開放することで心を浄化したり、気分をリラックスさせたり、前向きな気持にさせる効果のことです。身近な具体例で言うと、「泣く」ことでしょうか。

悲しくて泣く、悔しくて泣く、映画を見て泣く、感動して泣く。この「泣く」という反応によって、気分がスッキリしたり前向きに思えるようになったりする経験は、誰しも一度や二度は経験していますよね?


そして何より、カウンセリングによって得られるものの中にとても大切なのは「気付き」です。

抑圧していた自分自身の、良くない負の感情に気付く、本当はどうしたいのか自分自身の要望に気付く、周囲の人たちの自分に対する態度の本質に気付く。

嫌悪感や怒り、高すぎる自尊心や強すぎる自我など、「感じてはいけない」「思ってはいけない」と、自然に無意識下に押し込めているような感情や思いに気付き、それを表現することで、解決の糸口が見つかることも往々にしてあります。

ただ、一つ注意していただきたいのは、心理カウンセリングが終わった後、必ずしもスッキリするとは限らない、と言うことです。限られた時間の中で対応できることには限りがあるため、モヤモヤのままその時のカウンセリングが終るかもしれません。しかし、次回のカウンセリングまでの間に、自分なりの答えが見つけ出せたり、他の人からアドバイスが貰えたり、自分の中で“何か”が変化し物事の捉え方が変わったりと、心理カウンセリングが終了した後もその効果が持続することは、実はよくある話なんです!

『良いカウンセラーとは気付きを与えるカウンセラーである』

明確な答えや導線を示してくれるカウンセラーではありません。それは何故か。心理カウンセリングではクライエント自身の自己解決能力や自己修復能力を高め、人生を主体的に歩んでいくための支援であるから、なのです。

『話を聞いてもらう』だけであれば、友人やパートナー、家族や兄弟、上司や同僚などあなたの周りには色々な人がいてくれるかもしれません。けれど、その人達とは多かれ少なかれ『利害関係』にあるため「ここまでは言えるけどこれは言えない」「こんな気持は知られたくない」というフィルターがかかることで、しっくり来なかったり釈然としなかったりと、実は問題解決の糸口とはならなかったりしますよね。

しかし、心理カウンセラーは『絶対なる第三者』なんです。もちろんそのサービスに金銭のやり取りが生じることはありますが、あなた自身にとって「心理カウンセラー+α」となる関係性には、絶対になりません。そう絶対に、です!

「+α」になった時点で、その心理カウンセラーとの『カウンセリング関係』は終了とならざるを得ません。それは何度もお伝えするようにカウンセラーは『絶対なる第三者』でなければならないから、です。


カウンセリングを受けることを躊躇したり迷う人は、大勢いると思います。特に日本ではまだあまり馴染みがなく、また「精神疾患を持った人だけが受けるもの」「特別な病気をもった人のためのもの」という認識がとても強い、とボクは感じています。また「考え方が宗教的」「新興宗教への勧誘」「壺や水を売りつけられる」「洗脳される」などのイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか?

それは絶対にありません!!!!


全3回にわたってお伝えした『カウンセリングなんて…と思っている方へ』ですが、やや小難しい事もお伝えしました。しかし、もっと身近にカウンセリングを感じていただき、実際にご自身で体験していただきたい。あわよくばボクの心理カウンセリングを(笑)

百聞は一見に如かず。ですよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

最新のblog

 よく、うつ病や適応障害になった時、様々な方が「ゆっくり休んで」「何もしなくていい」「むしろなにかすると余計に悪くなる」「辛ければやめれば良い」などなど、とにかく、『自分がしんどいという物事から離れること』がとても大事なことであると、様々な方が言っておられます。 もちろん、ボクも...