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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2023年9月24日日曜日

心理カウンセリングで症状悪化?!あり得るんです。

心理カウンセリングを受けたことがある方だと、そのセッションが終わった後に「何となく道が開けた」「少し前向きになれた」「モヤモヤが晴れた」などの気持ちを味わったことがあると思います。

しかし、中にはその様に一筋縄ではいかない場合もありまして…




今現在、苦しんでいる様々な症状の原因が、実は幼少期の体験が影響していたり、顕在化していない(無意識下での)トラウマであったり、見て見ぬふりをしている家族関係であったりすると、セッションを重ねる毎に、徐々にその問題が顕在化・表面化してくる事があります。

そうすると、クライエントにとってみたら、意識したくない事や忘れてしまいたい事、無意識のうちに蓋をしてしまった事などをえぐり出すわけですから、その事を頭の中で追体験してしまったり、その当時の感情が蘇ってきたりして、かなりツラい事になりかねません。

また、その様な経験や出来事を、クライエントは重要と思ってもみなかったりすると、突如湧いてきた感情に戸惑ったり、さらにその感情を否定的に受け止めたりする事にもなり得るんです。

そうなると、過去の自分自身と向き合いそして対峙せざるを得なくなり、今現在のクライエントでも処理しきれなかったり、上手く受け入れられなかったりすると、さらにこじれてしまいます。


以下の様な疾患や障害の場合、もしかしたから、前述した事が原因である可能性もあります。



心理療法の中に「催眠療法(ヒプノセラピー)」は皆さんご存知だと思います(メディアなどで「催眠術」などと言う表現の仕方は誤りで、正しくは「催眠療法」です)その催眠療法の中に「退行療法」「年齢退行」という技法があり、催眠状態のクライエントの、無意識下に押し込められた経験や事実を、顕在化してく方法があります(催眠療法は熟練者が行うもので不用意に行うものではありません。ご注意下さい)。



催眠療法では、かなり強固に抑圧されている過去の経験やそれに伴う感情を想起させることも可能です。しかし、そうでなければ一般的な心理カウンセリングでも対話を通して、抑圧が外れることも、よくあります。

そこで「状態が悪くなった」「心理カウンセリングが原因で悪化した」と思い、中途半端に心理カウンセリングを辞めてはいけません。それこそ、もっと酷い心理状態になり、それが身体化(精神症状が身体症状として現れること)してしまう恐れもあります。

この段階で、過去の自分と対峙し真正面から向き合い、隠されていた感情などに気づきが得られることで、過去の自分では処理しきれなかった経験やその感情を、様々な人生経験を積んだ今の自分が、キチンと受け入れ認めることで、様々な問題が解決に向かっていきます。

ここで強調したいのは、あくまで抑圧してきた事実や感情は、今の自分よりずっと幼く稚拙で、その対処法しか知らなかった、出来なかっただけなのです。言い換えれば、今の自分自身であればキチンと受け止め、対処し、楽に処理できる可能性が高い、ということです。

そしてそのお手伝いをするのが心理カウンセラーです。
過去のご自分と向き合うことは非常に困難で辛いことですが、心理カウンセラーが適切な距離感を持って、クライエントに寄り添い支えます。

誤解を恐れずに言うと、解決するのはクライエント自身です。あくまでも。私達、心理カウンセラーは、そのお手伝いをするに過ぎません。



僕がインテーク面接(初回のカウンセリング・セッション)で、クライエントの主訴や状況を把握し、上記の様に過去の体験や抑圧された感情が原因であると見立てた時には、正直にお伝えするようにしています。このままセッションを重ねることで、一時的に状態が悪化する可能性とその理由についてお伝えし、その上で継続していくかどうかを。その上でどうするかの決断をしていただきたいと思っています。

2023年9月22日金曜日

実は慢性疼痛との関連も…破局的思考とリハビリ

 精神心理状態が、人間の「感覚」に大きく影響を及ぼすと言うのは、医学の世界では当たり前のことですが、少し詳しくお伝えできたら、と思います。



人間の感覚、特に皮膚などから感じる感覚は「触覚・温冷覚・痛覚」と言うものがあります。「触覚」というのは、皮膚に触れているか、どの程度の強さで触れているかなどを感じる感覚です。「温冷覚」というのは、熱い・冷たい、「痛覚」は痛いなどの感覚です。皮膚には、それらの感覚を感じ取るための器官『受容体』と言うものが存在していています。




触覚:メルケル盤・マイスナー小体
圧覚:パチニ小体
痛覚:自由神経終末
温覚:ルフィーニ小体
冷覚:クラウゼ小体

これらの受容体が刺激されて、神経によって脊髄→視床を経由して大脳新皮質の第一体性感覚野に到達し、さらに高次な脳の領域に伝わります。そこでやっと、触覚なら「触った」痛覚なら「痛い」温覚なら「温かい」と認識します。これを「知覚」といい、その知覚を処理しどのように次へ繋げていくか、これを『感覚認知』と言います。


少し難しい話になりますので、もう少し簡単に説明しますね。
皮膚にある、それぞれの受容体が刺激されただけでは、人間は「感じる」事ができません。その受容体から脳に伝わる神経、そして脳が正常に機能して「感じる」事ができます。しかし、厄介なことがあります。例えば「10」と言う程度の刺激が受容体を刺激して神経を通り、脳で感じる時、必ずしも「10」と言う程度で感じるとは限らないのです。

人によってその程度は「9」だったり「3」だったり時には「15」だったりします。また、刺激の強さだけでなく「サワサワ」と感じるのか「ジワジワ」と感じるのか「ビリビリ」と感じるのか、感じ方にも個人差があります。

皮膚感覚には「刺激の程度」と「刺激の質」によって表されるのですが、これらに個人差があるのは、その時のその人の精神心理状態に大きく左右されることが知られていて、精神心理状態に左右されるということは、大きく捉えるとその人の生育歴や家族歴、人間関係や価値観、倫理観や哲学など複雑に影響を及ぼされているんです。



さて、一方、『破局的思考』とは何か。
ひとことで言えば「よくある状況から最悪の状況を想像し、それをバカげた発想として片付けずにくよくよと考えて、話を大きくしてしまうこと。」と説明されます。英語では〝pain catastrophizing〟と表記されます。


「悲観主義(pessimism)」と比較するとよく分かります。

悲観主義:うちの猫は他の猫に比べて活発ではない。まあいつものことだけど。
破局的思考:うちの猫は他の猫に比べて活発ではない。もうすぐ死んでしまうから!!

悲観主義:今日、上司は言葉数が少ない。私がなにか失敗をしたから?
破局的思考:今日、上司は言葉数が少ない。きっともうすぐ私をクビにすると伝えに来るから!!

悲観主義:水道の蛇口が閉まらなくて水が漏れてる。業者よんで修理しないと…ついてないな~
破局的思考:水道の蛇口が閉まらなくて水が漏れてる。どんどん止まらなくなって家中水浸しになっちゃう!下の階の人に迷惑かけて管理人から部屋を追い出されてしまう!!


この様に考えてしまうのは、その人の「考え方の癖」です。この「考え方の癖」というのは、その人の長年培ってきた経験や生育歴などが大きな影響を及ぼすとともに、その時の精神心理状態からも影響を受けます。しかも破局的思考というのは「そんな考えは馬鹿げている」と何となく自分でも分かってはいるんだけど、それが止められない。そこが「病的」な部分でもあると言えます。

この様な破局的思考というのは、抑うつ感や不安障害の原因になっていることが多いと言うことは、容易に想像がつくと思います。同じ事象に対して、破局的思考をする人とそうでない人では、認知の仕方が違うため、それを「ストレス」として受け止めるかそうでないかの差が生まれてしまい、メンタルダウンするかどうかにも深く関わってきます。


一方で、痛み、特に慢性疼痛と破局的思考に関連性があるのは、臨床で患者様を診ていると何となく理解できるのですが、ハッキリと論文的な裏付けがあると言われだしたのは2000年に入ってからです。

痛みというものは誰にとっても不快なものですよね。だから、痛みが出るような動作・行動・行為というのは自然と避けるようにインプットされています。そして、持続的に痛みを感じてしまう「慢性疼痛」では、常に痛みを感じてしまうために、その人はどんどん、抑うつ的になったり悲観的になっていったりします。

そこで悪循環が生まれます。



痛みというのは、確かに身体の異常を知らせるアラートの役割を果たしていることは事実です。しかし、「見逃してはいけない痛み」と「それほど重要でない痛み」と言うものがあり、それは痛みの程度であったり痛みの種類(ズキズキ・ズンズン・チクチク・シクシクなどと表されます)であったり、そういうもので鑑別できます。

例えば、ストレッチ。ピーンと筋肉が伸ばされると痛いですよね。また、凝りを感じている部分を指で圧迫したりすると痛みを感じます。人によっては「痛気持ちい」と表現されますが、そのような「痛み」というのは「それほど重要でない痛み」です。

もともと破局的思考をするような人だと、そのような「それほど重要でない痛み」ですら「見逃してはいけない痛み」として認識してしまい、その痛みを常に意識し避けるようになるため、例えば筋力が落ちたり関節がより硬くなったりして、どんどん身体機能が落ちていきます。身体機能が落ちていくと、今まで出来ていたことができなくなり、悲観的になったり自己肯定感が下がったりして抑うつ感を生んでしまう。そしてどんどん痛みに敏感に反応するようになり、生活そのものが「痛み」中心に振り回されるようになる…

ここまで来ると「完成された悪循環」に陥り、その負のループからなかなか抜け出せなくなり、身体的にも精神心理的にも病んでしまいます。


何度も言いますが、これはもともとの「考え方の癖」であったり物事をどの様に捉えるのかという「認知のゆがみ」であったりするわけです。ですので、そこを修正していけば良いのですが、これがなかなか大変。

近年、うつ病などの治療に効果があると言われている「認知行動療法」と言うものがあります。これは、前述した「認知のゆがみ」を修正していき、目の前に起こった事象に対して、自分自身にストレスとならない受け止め方(認知)をする治療法です。治療なのですが僕なりに言うと「トレーニング」です。

とっさ的に起こる事象に対して「これは こうだから こういうふうに とらえて こう かんじれば よい」なんて、瞬時に判断なんか出来ませんよね(笑)それを瞬時に判断できるようになるためには、繰り返し繰り返し、何度も何度もトレーニングする必要があるんです。できればそれは自分自身の頭の中だけで処理するのではなく、同じ様な立場の仲間であったり心理カウンセラーであったり、自分以外の人からのフィードバックをもらうことで、より強固になっていきます。


クララが立った!!ってクララは何の病気だったの?」でもお伝えしましたが、運動機能と精神心理状態とは、かなり密接な関わりを持っています。リハビリセラピストは、目の前に起こっている患者様の異常に対し、どうしても身体機能ばかりに目がいきがちです。もちろんその異常に敏感に感じ取る必要もありますが、何か違和感を覚えるようであれば、やはり患者様の精神心理状態にもきちんと向き合い、そして面倒くさがらずに正しく対処していくことを身に着けて頂きたいと思っています。


そのためには「完成された悪循環」「負のループ」に陥る前、できるだけ早期にその兆候を察知して対処する必要があるので、患者様とかかわる時に、「破局的思考になりやすい性格か」「過去のライフイベントに対してどの様に対処してきたか」「食欲や睡眠状態」「抑うつ的になりやすいか」などを把握しておくと、良いかも知れません。

2023年9月20日水曜日

忘れられない患者さん③後縦靭帯骨化症のおじいさん・その2

 「忘れられない患者さん③後縦靭帯骨化症のおじいさん・その1」からの続きです。



前回の終わりに、「この方とはまた2回同じ病院で関わることになりますが」と締めくくったのですが、その前に、前回の冒頭で「制度上、透析通院の際、ドライバーは患者様の移動の介助をしてはいけない」に対して※裏ワザはあります、と書きました。それはどの様な意味かと言いますと、やはりドライバーは送迎車までの移動の介助はできません。しかし、そのお手伝いができるサービスがあります。それは「ヘルパー」です。実は、ケースによっては、透析送迎車の到着に合わせてヘルパーさんが利用者様のお宅にお伺いし、送迎車とご自宅(自室)の移動を介助する、と言う利用の仕方も可能です。


さて、本題に戻ります。

前回から話題のAさん。様々な介護保険サービスを導入し、同じ賃貸マンションのお部屋に退院されましたが…約1年後、症状が悪化し、御本人の希望で後縦靭帯骨化症の手術を行うことになりました。ただし、手術を待っている期間の間、手術前の検査やリハビリのため、一時的に僕の勤務していた病院に2週間ほど入院し、その後、手術をする病院へ転院、さらにそこから2週間後にリハビリ目的で、再入院となりました。

手術後のリハビリによる入院の時、当初、僕の担当ではなく後輩が担当していたのですが、諸々の理由により、途中から僕が担当となり、また、初回の入院時と同じ作業療法士とペアを組むことになりました。

手術後ということもあり、ひげは綺麗サッパリと剃られており「仙人」ではなくなると同時に、前回と同じ病院に入院したということもあり、ある程度、勝手が分かっていると言うか、職員にも顔見知りが増え、前回よりも穏やかでかつクセが二つくらい取れていた感じでした(笑)。

手術をしたものの、やはり、後縦靭帯骨化症によって神経が圧迫していた時間が長かった影響もあり、ご本人曰く「やってもあんまり変わらんかった」と。しかしこれはよくある話で、神経というのは圧迫されている期間が長くなれば長くなるほど、回復するための時間は長くなり、場合によっては回復不可能となることもよくあります。それは、御本人も手術前のIC(インフォームドコンセント)で説明を受けており、それを承知で手術したわけですから、まあ、あまり強くは言われませんでした。

また、僕が担当を引き継いだ時には、T字杖をついてほぼほぼ介助なしでも歩ける状態で、時々、つまづいて転倒しそうになるのを介助する程度でした。


この頃になると、訓練の内容もレベルアップして、寝たままや腰掛けたままで行う筋力強化練習ではなく、立って行う筋力強化練習へと変えていきました。その方が、筋力の付き方も早く、また、「歩く」事により近い状態での練習に繋がり、様々な良い効果があるためです。

「これなら早く帰れそうだね」と作業療法士と僕とAさんで話をしたちょうどその頃でした。


実は、この時点で、僕はメンタルダウンしてしまい、1ヶ月の休職をしてしまいました。

この休職期間中に、院内ではCovid-19(新型コロナ)によるクラスターが発生し、Aさんも感染してしまいました。僕は、そんなこととはつゆ知らず、「Aさん、もう退院されただろうな…」と内心寂しく思っていたのですが、復職したその時にもまだ退院されておらず、久しぶりにお顔を拝見しても、活気なく、また顔はやせ細り、いつもの元気なAさんの姿はそこには有りませんでした。



これは、僕が復職してからカルテを見て初めて知ったのですが、Aさんはかなりの高熱を出し、やや危険な状態だったのです。しかも食事もあまり摂れておらず、とても心配しました。

メンタルダウン後の復職直後の僕には、この現実はあまりにもつらい現実でした。

やはりまだ、僕の心は不安定で、変わり果てた御本人の前で涙してしまい、また、Aさんの状態を上司に報告するだけでも、何故か涙が溢れて仕方有りませんでした。
それだけが原因では有りませんが、僕は、復職して2週間で、再びメンタルダウンし休職をしたのです。

あんなに元気だったのに…
もうすぐ退院だって時に…
どうして…
どうして…


この年、僕は絶不調で、1年の間に何度か休職と復職を繰り返してしまい、Aさんだけでなく担当の患者様と僕のフォローに回ってくれた同僚や対応して下さった上司には、本当にたくさんご迷惑をかけてしまいました。

忘れられない患者さん③後縦靭帯骨化症のおじいさん・その1」でも書きました通り、Aさんは僕の父と同い年。それもあって、強い思い入れがあったのも確かですし、お互いに「秘密の共有」をした仲であったので、なおさらです。

その後、無事に自宅へと退院されましたが、僕はその病院を退職したため、その後のAさんの様子は分かりません。



今でも思い出す、Aさんの笑い話があります。
Aさんは糖尿病でかつ維持透析をしています。そのため食事には制限があるのですが、ある日、その様な現状に嫌気が差したらしく、やけになってコンビニでポテトチップスを買ってきて、一気に6本食べたそうです。

小さくて短い方ではなく、長くて大きい方を(このポテトチップスがAさんの好物であることは、初回の入院時にお聞きしていました)。
そしたら、その日の夕方から急にめまいや吐き気などの体調不良を引き起こし、救急車で搬送されたことがあったと。そして緊急で透析をして一命はとりとめたらしいのですが「わしはもう絶対にあんなことはせん(笑)」と。そんなお話しを聞いて僕は思わず吹き出し、二人で大笑いした記憶があります。

もちろん、医療従事者としては「そんなこと二度としてはいけません」と釘をささなければならないところですが、嫌気が差す気持ちも分かるしやけを起こしたくなる気持ちも分かる。僕だってそうしてたかもしれないと思うと、注意する気にはなれませんでした。



初回の入院時「や~ば~い~」と思っていたヒトクセもフタクセもあるAさんでしたが、僕にとってはなんだか「親戚のおじさん」のような感覚になっていたのかも知れません。

今でも、ご健在でいらっしゃることを祈るばかりです。

2023年9月19日火曜日

忘れられない患者さん③後縦靭帯骨化症のおじいさん・その1

 僕が理学療法士として働く中で、忘れられない患者さんシリーズの第3弾。



後縦靭帯骨化症(OPLL)とは…



主に首の骨で「後縦靭帯」と言う名前の靭帯が骨化(石灰化)し、脊髄を圧迫することで起こる手足の麻痺が主な症状の病気です。

「麻痺」って簡単に言うけれど、大きく分けて「運動麻痺」と「感覚麻痺」があって、「運動麻痺」は筋肉を動かすための命令を伝える神経がダメになって起こる麻痺。だから、脳で「筋肉を動かせ!!」と命令しても、それを伝える神経がダメになっているわけだから、筋肉は動いてくれません。一方「感覚麻痺」は主に皮膚で感じる「痛み・熱さ冷たさ・触っている」そんな刺激を脳に伝える神経がダメになっている。だから例えば、熱いお湯に手を突っ込んでも「熱い」と言う刺激が脳に伝わらないので、慌てて手を引っ込めることができない、とか。


Aさん(70代・男性)は元々一人暮らしで賃貸のマンションの1階に住んでいました。ベースに糖尿病があって、糖尿病性腎症のために維持透析をしていたんだけど、ある時道端で転んで救急搬送され「後縦靭帯骨化症による四肢麻痺」と診断されました。「四肢麻痺」というのは「手足の麻痺」と言うことです。

本来なら手術をしてもいいくらいの重症度だったのですが、御本人の強い希望でまだ手術をしたくないということと、リハビリで何とか一人暮らしに戻りたい、ということでその救急病院に2週間ほどしてから僕の勤めていた病院に転院になりました。

転院前に担当のMSW(医療ソーシャルワーカー・社会福祉士)から相談があって「とりあえず介護保険未申請だから申請して、身体の回復の状態を見極めてから退院って話になるんだけど、部屋はマンションの1階なんだけどね、実はマンション入り口に3~4段の段差があるの」と。Googleストリートビューで確認すると、たしかに段差がある。しかも手すりはない(Googleストリートビューはこんなところでも役に立ちます!!)。

この方のように維持透析をされている方は1日おきに透析通院が必要なんだけど、自宅(自室)と送迎車間は自力で移動してもらうしかないんです。送迎ドライバーはいるんだけど制度上、送迎ドライバーが患者様の歩く介助などをしちゃいけないことになっていて、この方もマンションのお部屋と送迎車の止まる路肩の移動は自力で移動しなきゃいけなくなる可能性もあるんです(裏技もありますがそれは後ほど説明します※)。

MSWと一緒に、FAXされてきた事前情報そしてストリートビューを見ながら「この方、自力で送迎車まで行けるようになりますかね?」と。おいおい無茶ぶりだな(笑)と思いながらも「いや~御本人の様子を見てみないとなんとも言えないですよ~」と無難な返事をして、とりあえず転院の受け入れOKを出しました。


さて、糖尿病がとても怖い病気だということは皆さんご存知だと思いますが、なぜ怖いのかと言うと、その合併症が怖いのです。「糖尿病の三大合併症」というのがあって、①糖尿病性腎症 ②糖尿病性網膜症 ③糖尿病性神経障害の3つです。


もう少し加えると、糖尿病になると動脈硬化が進行して、下肢動脈血栓症や心筋梗塞、脳梗塞も引き起こしやすくなります。


初めましての挨拶でAさんのお部屋に伺うと、ひと目見て「この人は癖が強い!!」と分かりました。ムスッとした表情、口元には仙人のように蓄えたひげ。無表情で質問にも「おお」「ああ」「そう」などの一言返事。僕は内心「やば~~~い人だ~~~~」と半泣きでした。

とりあえず、お話をお伺いしていく中で、主な訴えは「手の動かしにくさ」「歩く時にふらつく」「膝から下のしびれ感」などがありました。

Aさん、実はこの時すでに糖尿病性神経障害も併発していたと思われ(医師の診断はなかったけど自覚症状などから判断して)、後縦靭帯骨化症による麻痺と糖尿病性神経障害による麻痺と、おそらく軽度の下肢動脈血栓症も併発していたと思われました。そのため、歩くときのふらつきや膝から下のしびれ感などは、それらの原因が複合的に引き起こしていると思われ、非常に悩みました。

Aさんのリハビリは作業療法士と僕の二人で担当することとなり、とりあえず「手」の症状に関しては作業療法士に任せ、僕は歩くことに関するリハビリを中心に行っていくことになりました。

目標は、マンション自室と透析の送迎車まで一人で移動すること。しかもマンション入り口の段差を上り下りして。そして最初のご対面の時に御本人から聞いた希望として「近くのコンビニまで歩いて買い物に行けるようになりたい」とのことも目標の一つに加えました。

僕はよく、「歩くことを目標」にする患者様にお伝えすることの一つに、「歩くためには安全に起き上がれること、安全に立ったり座ったりできること、それができて初めて歩くことの練習が始まります」とお伝えすることが多く、その方にも同じ様に説明をしました。そのため、起きる・立つ・座る事をやってみていただきましたが、予想通り、立ったり座ったりは何か固定されたものを持つ+僕が軽くお尻を持ち上げながらで何とか立てる状態でした。とてもとても一人で歩いて移動なんて難しい状況でした。

はてさて、その原因は?
理学療法的な評価を行ってみると、まずは足首の関節がかなり固くなっていること、太もも(大腿四頭筋)とお尻(大殿筋)の萎縮が明らかで筋力低下もありました。萎縮している筋肉と言うのは、単に筋肉がやせ細るだけでなく“固くなる”と言う性質に変わってしまいます。加えて足の裏の感覚もかなり鈍くなっていました。それどころか、ビリビリと痺れ痛いような感覚もあり、触れる場所や触れ方によってはそれがとても不快だと訴えられていました。


先程も述べたように、この方、元々の診断名は「後縦靭帯骨化症」でしたが、僕が見る限り下肢の症状はむしろ「糖尿病性神経障害」や「下肢動脈血栓症」による影響が大きかも…と思いながらリハビリを開始しました。「後縦靭帯骨化症」の麻痺か「糖尿病性神経障害」の麻痺か、もしそれぞれ単独のものであれば、理学療法での評価でも鑑別はできます。「深部腱反射」と言う腱の部分をハンマーで叩いてその反応を見る検査なのですが、予想通り、その検査ではどちらがどれだけ影響しているのか、と言うのは判断ができない状況でした。

まずは立ったり座ったりする事を安定させるのですが、足首の動きを柔らかくするためのマッサージや運動、脚に行く血流を良くするためのおしりのマッサージ、そして大腿四頭筋や大殿筋の筋力強化など、まずはベッド上でおこなることをやるのですが、これがまたヒトクセある方なので「それはどうしてそんなことするの?」「それはどういう効果があるの?」「なんでそんなことせなあかんの?」などなど、もう矢継ぎ早に質問の嵐。どうやら転院前で行っていたリハビリの内容に不満があったらしく「あそこでは歩け!歩け!って言われるだけだった」とかなりご立腹の様子。もともと医者嫌いであったこともあるようで、医療不信の状態だったので、僕は出来うる限り一つ一つの質問に丁寧にお答えしていきました。

クララが立った!!ってクララは何の病気なの?その2」でも書きましたが「立てないからただ立つ練習をする」「歩けないからただ歩く練習をする」のでは、おおよそそのリハビリは失敗に終わります。何度も言いますが、その原因を探ってそこに的確にアプローチする必要があるのです。


患者様との信頼関係が築けてくると、よくあるのが、病院職員に対する苦情を僕らセラピストに訴えるようになります。「看護師の〇〇がこんな酷いこと言った」「主治医の先生が全然、来てくれない」「薬を出すって先生言ったのに持ってきてくれない」などなど。正直、苦情を聞く立場なので非常に心苦しく申し訳ない気持ちになる反面、「ああ、この人は僕に心を開いてくれている」と安心もするわけで。

ありがたいことに?(笑)その方もしばらくして僕に同様の反応を見せてくれました。割と早い段階で(笑)それはもともと医療不信もあったので仕方のないことなのですが、その苦情の合間合間に僕はその方の生い立ちやご家族のお話など、色々なお話を聞かせて頂きました。

何とか立ったり座ったりも安定しU字歩行器での歩行も安定してきた頃、いよいよい、病棟内ぐらいはご自身お一人でU字歩行器を使って歩いて良い、と言う事になったのですが…この方、食へのこだわりが強いと言うか悪く言えば「食べたいものを食べたい時に食べさせろ」的な訴えをするわけです(笑)。そもそも、転院してきた時から「ここの病院食は不味い!」と事あるごとに言っていたわけで。まあ確かに、糖尿病食であったため味は薄味だし、お野菜もクタクタになってるし、文句を言いたい気持ちもよーーーーーく分かる。だから僕らも「そうだよね。そりゃ美味しくないわな」と共感してはいるのですが、立場上、ご自由に何でも食べて下さい、とは言えず。

当時の職場には院内に売店はなくその代わりにお菓子やおにぎり、パンなどの自販機が病棟1階に設置してあって、そこへ行ってお菓子を買いたいと。

正直、僕も困りました。
しかも、自室とリハビリ室の間にその自販機があるわけです。もう、そこで何度も何度もすったもんだしましたよ。まあ、最後の方は、御本人も買わせてくれないと分かっていたから、ほとんど“じゃれ合い”みたいになりましだけどね。

最終的には、T字杖をついてなんとか3~4段の階段を上り下りできるようになって、かつ、介護保険を使って、お弁当の配食サービスやホームヘルパーによる自宅内の掃除や調理などを利用することになったのですが、当初はこれらのサービスも全くノリ気じゃなく。MSWと作業療法士と僕とで事あるごとに説得し(そう、この時は説得しました。強く)、「今度(病院に)運ばれてきたら施設入所だからね!それが嫌なら家で気をつけて過ごすことと食べることには注意して!!」と何度も何度も年を押して退院になりました。


なぜこの方の事が忘れられなかったかと言うと、実は僕の父と同い年だったんです。
その頃、僕の父は認知症が酷く自宅介護は無理となって精神科に入院療養していたのですが、どうしてもその父と比較してしまっていました。

Aさんの肉親は実の姉(ご結婚されています)だけで、Aさんご自身は結婚歴もなくもちろん内縁の妻や隠し子もおらず(笑)、ご自分お一人で生活されていました。若い頃のお話は、もっぱらやんちゃしていた事の話題が中心でしたが、野球がお好きで仕事をしながら草野球の審判をしていたり仕事仲間との楽しいひとときのお話なども聞かせて頂きました。

僕の父に関しては、「そうは言っても…親というものは、子というものは」「死を考える②故人を偲ぶ日(私の勝手な解釈)」でも記載していますが、どちらかと言うと生真面目な性格だったのでAさんとは真逆のような印象でした。しかし、思うのです。Aさんとお話ししながらAさんも「こんなこと人には言えんけどな」みたいな前置きをして話されることもあったりして、「あゝもしかしたら僕の父にも“人には言えんけどな”というような事があったのかな」と思ってみたり「そんな父の話も聞いておけばよかった」と思ってみたり。当時、認知症のすすんだ父には、もうその様な話が聞けないのだと思うと、急につらくなったりしながらもAさんとの時間を共有していました。

もちろん僕にも「こんなこと人には言えんけどな」みたいな体験はあります。そりゃ人間ですもの。神様や仏様ではありません。だから時々、「実は僕もね」みたいに、お話しできる範囲でAさんに“懺悔”することもありました。



実はこのAさんとはこの後、2回また同じ病院で関わることになるのですが、それについてはまた次回。

2023年9月18日月曜日

クララが立った!!ってクララは何の病気だったの?最終回

身体症状症と思われる方を担当したお話のお二人目のお話です。



B君(中学生・男性)は、学校の階段でつまづき、かなり高所から転落し救急病院に搬送されました。背中を強打し脚に力が入らないとの訴えでMRIを撮影して「胸髄損傷」との診断だったのですが、MRIの画像ではそれほど重症でなかったため、体幹に巻くコルセットを装着して、すぐにリハビリが開始となりましたが、重症ではなかったため、救急病院を2週間で退院し、僕の勤めている病院へリハビリ目的で入院してきました。

それが、学校の春休みがあと2〜3週間で終わると言うタイミングで、何とか新学期には学校へ通学できるようになりたい、と言うのが本人や家族の希望でした。

彼は両親と弟と妹の5人家族でした。

救急病院からの紹介状で、歩行器を使ってなら歩けると言う情報だったので、初めましての時から歩行器を貸出し、病棟内ではご自分一人で出歩いても良いと言う許可を、僕から出しました。


僕はこの時からすでに、違和感を覚えていました。

確かに歩行器を使って歩けるんだけど、歩きにくそうには歩く。けれど、それが歩くたびに“歩きにくそうな状態”が一定でない。歩くたびに歩容(歩き方)がバラバラで、何が原因で歩きにくいのかが、全く掴めませんでした。

一般的に、歩き方が健常な人と違う時、ほぼほぼ歩き方に一定の“異常な状態”が見てとれ、それは大体、何度、歩いても同じ歩き方をするのですが、彼にはそれがなかったのです。


僕の感じた違和感は、それでした。

彼は理学療法だけの介入でしたので、僕だけがリハビリの専属の担当になったのですが、やや不安でした。「身体症状症」の診断名はないけれども、おそらく身体能力的には、支えが無くてもすでに歩ける状態の可能性が高い、と思っていてそれにどう踏み込もうか、とても悩みました。


理学療法でその人の身体能力の状態を把握するためによく使われる検査項目としては、「徒手的筋力検査」「関節可動域検査」「感覚(表在感覚)検査」「深部腱反射」「バランス検査」などがあります。実はその多くが「偽装」できるのです。

簡単に言えば、人間の関節を動かすための筋肉の力を、機械など使わずに検査する方法です。

関節がどの程度動くのかを「角度を測る」と言う方法で、角度計(分度器のようなもの)を使用して測ります。



熱い冷たい・痛い・触っているなど、皮膚で感じることのできる感覚を、筆や針などを使って、感じることのできる程度を調べる検査です。

打腱器(ハンマー)を“腱”とよばれる部分を叩くことで起こる“反射”と言う反応の程度を調べる検査です。


「バランス検査」
この検査は、筋力や感覚、視覚や三半規管などの総合的な検査で、例えば片足立ちが何秒できるか目を閉じて何秒できるか、椅子に座った状態から立って数m先のコーンを1周して戻ってきてまた椅子に座るのに何秒かかるか、などの検査です。


実は、関節可動域検査以外の検査というのは、患者様が簡単に偽装できるのです。
例えば筋力にしたって、一所懸命、力を出さなければいい、感覚検査も刺激に対して「感じません」と言えばいい、深部腱反射は脱力せず力を入れっぱなしにしていればいい。臨床経験のあるセラピストであれば、これらの偽装をある程度見抜くことは可能だと思います。

身体症状性は詐病と違うので、例えば筋力検査で自分自身が「力を出すことに手を抜いている」けど本人は本当に力が出ないと「信じている」。感覚検査で本当は「感じていないつもり」なんだけど本当に感じていないと「信じていいる」。

B君もやはり筋力検査や感覚検査では、異常と判断せざるをえない結果になるのだけれど、先程述べたように歩き方に、一定の異常が見られないので、僕は正直、その筋力検査や感覚検査の結果を信じてはいなかたのが本心です。


入院して最初の週末、ご両親の希望で、一度外泊させたい、との要望があり、母親が家に連れて帰った時にどんなふうに介助をすれば良いのかを知りたい、とのことで、彼のリハビリの時間に病院に来ていただいた。

しかし、歩行器で病院内を歩いているだけなので、まず、家にどう上がるのかが問題になり、そして家の中でどうやって移動するのかも問題になる。

脚の力が弱い場合、階段程度(10~15cm)の段差を上り下りをする時がじつは一番難しく、逆にそれ以上の段差(40cm以上)であれば、その段差に腰掛けてから上がると言う方法がありそれを試そうと思っていました。また、家の中は四つ這い、手すりのある廊下は手すりを使うことを提案するつもりでした。

入院してまだ1週間も経たない週末です。
ぶっつけ本番です。
僕はこの機会を、逆手にとりました。B君はこの時、母親がリハビリの見学に来ることは知っていてもちろんそれは外泊のためだと言うことも知っていました。しかし、実際にどうやって家に上がるのか、また、家の中をどうやって移動するのか、については事前に知らしていませんでした。


さあ、いよいよ母親の前での実践です。

まずは家に上がる方法。僕はB君に指示を出しながら、もちろん転倒などのリスクに最大限配慮したうえで、B君に実践してもらいました。自宅の玄関を想定した段差を用意し、そこに腰掛けてもらい、もう一つの台を支えにしながら立ってもらいました。予想通り、僕はなんの介助もせず彼は一人で立ち上がることが出来ました。しかもスムーズに。立ち上がったあとも、ふらつきなどなく、十分に二本の脚で立っています。

もちろん、そこから腰掛ける動作も行いました。
四つ這いの方法もお教えしました。手すりを持って歩くこともして頂きました。

そのどれもが、全く介助を必要とせず、一人で出来たのです。

僕は内心「しめしめ」と思いながら(笑)「すごいね!!できたじゃん!!お母さんの手を借りなくても出来そうじゃない?!」と満面の笑顔で労いました。B君は少し照れくさそうに「はい…」と。そして母親もこれなら外泊できそうです、と帰っていかれました。


そして週明け、外泊から戻ってきたB君のリハビリの時間。
お部屋まで迎えに行くと、表情が優れません。外泊から帰ってきてさぞ、喜んでいるかと思ったら、リハビリをしたくない、と。

正直、僕は下手こいたかも…とも思いました。身体症状性はある意味「出来ないことが当たり前」で「できることは異常」であるため、思いがけず色々なことが出来てしまった事が、精神心理的に負担をかけたのかもしれません。

そこで僕は、その日のB君のリハビリを諦め、お話をしました。
最初は家族関係やご兄弟の関係、ご両親のお仕事などから始まり、B君が兄弟に対して思っていること、ご両親に思っていること、学校での生活や友達に対する思いなど、少しずつ少しずつ、固く閉じた心の扉を開くように、色々なお話を聞きました。

最初はなかなか、本心を語ってはくれませんでしたが、徐々に「本音」を吐露するようになり、本音で話してくれたことに感謝の気持ちを伝え、最後に僕が「B君、もう君は歩けるよ。階段もできると思う。走ることは難しいかもしれないけど。もうできない“ふり”はしなくて大丈夫だよ」と伝えると、彼は泣き出しました。

しばらく、彼のそばにいてその様子を見守り、落ち着いたところを見計らって、「また明日、やれそうならリハビリしよ」と提案し、僕は退室しました。


1週間後。
彼は杖や支えなどなく、無事に退院しました。



実は、精神心理の問題が身体化した状態で(身体的な)リハビリを処方されるケースはしばしばあります。それは、例えばレントゲンやMRI、血液検査など「確かに正常とは言えないけど自覚症状の程度と合致しない」パターンがあるため「とりあえずリハビリで様子見ましょう」と言う場合です。

リハビリセラピストは、一人の患者様に対し短くとも20分間、長ければ1時間はその患者様につきっきりで、その間に患者様から色々なお話を聞くことが出来ます。そうすると、医師や看護師が気づかないその方の“本当の問題”が見えてくることがあります。それが精神心理的な問題である時、リハビリセラピストは本当に悩みます。それは、医師ではないため診断できないということと、御本人が精神心理に問題があるとは認識しておらず、それを指摘すると強い拒否反応を示すこともあるため、なかなか御本人にも言えず、根本的な解決に結びつかないこともよくあるからです。



「アルプスの少女ハイジ」の話題から、僕の経験した患者様のお話をお伝えしました。あまり一般的には、このようなリハビリセラピストの苦悩というのは知られていません。しかし、リハビリ業界では当たり前のように語られている事実です。

これを読んでいただいた方で身体の不調がなかなか改善しない方がいらっしゃれば、それはもしかしたら精神心理的な問題かもしれないと、その可能性を知っていただけると、本当の問題可決に向かうかもしれません。

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