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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2023年9月8日金曜日

僕が何故、個人事業主として開業する様々な知識を知っていたかと言いますと、

 と言いますか、例えばネットを使ったシステムであったり、手順であったり、集客に関する考え方であったりって言うのは、大学で習ったり専門学校に行ったりしていたわけではありません。


ベースは、過去にNGO活動をしていた経験があり、それがとても活かされています。

それは、HIV陽性者のための居場所づくりやPGM(ピア・グループ・ミーティング)の場を作ると言う、一つの組織づくりのお手伝いをした経験があるからです。

特定非営利活動法人 日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス」が主催する研修会に参加したり、「API-Net」が主催するNGO向けの研修会に参加したりと、色々な場にでかけ知識を増やすとともに、当時の仲間と一緒に試行錯誤しながら「HIV陽性者支援団体」を運営していった経験があります。

NGOを運営していくにあたり、色々なものが必要でした。
例えば事務局。
例えば専用電話回線。
例えばPGMができる会場。
例えば公式サイト。
例えばフライヤー・チラシ。
例えば人脈。
その殆どに関わってくるのが「資金」。

冗談抜きで「お金さえアレば…」みたいなところがあって、資金調達って最大の課題でした。そこで活用したのが各種「助成金制度」です。公的なものもあれば医療法人や社会福祉法人、または基金などが公募をしているので、それに応募をするのです。

いろいろ書類書きをした記憶があります。どうやったら説得力のある文書が書けるのか、どうやったら助成金の上限いっぱいいっぱいまで助成してもらえるのか、文章を書いては消し書いては消しを繰り返しやってました(笑)。

おそらく、その頃から「文章を書く」事が好きなんだと思います。

お金が調達できたら、今度はそれを適切に使わなければならない。なぜなら助成金をもらうと、必ず報告書が必要で、かつその証明をしなければならなかったから。

PGMをしたら、いついつ、何人参加して、どんな話題があって、どこの会場を使ってその会場費にいくらかかって。

アンケート調査もやりました。
アンケート調査もやりっぱなしではなく、キチンと報告書にまとめてそれをサイトにアップして、もちろん助成金をもらった事務局へ提出して。

当時僕は、副代表と言う立場だったんだけど、こういう裏方てきな仕事は結構好きだし得意だし、でも時々、代表にくっついていって色んなところへも出向いたりしたりして。出向いた先で「あなたからも何か言いなさい!」と代表から発破をかけられたりして(笑)。

代表、手のかかる副代表ですみませんでした🙇‍♂️

でも、楽しかったな~

なんだか「皆で何かを作り上げる」って言う感覚。高校生時代の「文化祭」的な感じにも似てたと思う。もちろん、ただ楽しむだけではなく「HIV陽性者支援」と言う大きな目的があったからね。余計に頑張れたのかも知れない。

当時の仲間には、迷惑かけちゃって本当に申し訳ないと思っているけど、とても良い経験をさせてもらったな~



そうそう、そういう活動をしていく中で、すごく身にしみて感じたのは「情報は、発信の仕方だけじゃなくて受け取る方の意識の問題にも大きく関与する」と言うことを学んだ。自分たちの活動が浸透していかないのは、自分たちのやり方・情報の発信の仕方が問題なんだって、僕は勝手に思っていたけど、ある研修会に参加した時に教わったのは、結局「そーゆー情報を欲しいと思っている人は自分で探して自分で見つけてそこにアプローチする。そういう人達に的確に情報が届くように自分たちが情報発信しなければならない」と言うことを、本当に肌身で感じた記憶があるな~。

かっこよく言えば「マーケティング」ってヤツね。

ただ、闇雲にやっているだけでは燃え尽きちゃう。

それに、目標を立てて活動すること。中期・長期的にね。長期的な目標に到達したら今度は、それをどうやって継続していくか、と言う視点と継続していくためにも変化していく必要性があるってこと。


組織やこういう活動に対する僕の持論があって「トップに立つ人は定期的に交代すべき」ということ。運営などに携わる人も、その時代その時代にあった方法や考え方を取り入れるために、組織が世代交代をしながら循環しなきゃいけないっていう観点が必要だってこと。ボランティア活動とかNGO活動にありがちなのが、「私が代表やります!!」って言う人が「私もう辞めます!!」と言った途端に、規模が縮小されたり消滅したり…それってとても悲しいこと。せっかくそこまで継続してやってきたことや、世間に評価されるべきことができなくなると言うのは、とてももったいない。

だから、後継者の育成が大事で、そのために「ワンマン営業」にならないよう、かつ、仲間を増やすための活動というのも必要だと思っています。それにその組織やNGO活動の内容が暴走したり独りよがりにならないためにも。


ちょっと話がそれました。

まあ、そいういう過去があって、今、自分が個人事業主としてやり始めるにあたって、その方法論は知っていた、と言うのがあります。まあ、専門家から言わせれば素人考えだなって思われるかも知れないけど。

2023年9月7日木曜日

いよいよ開業します!!

 本日、2023年9月7日(木)は「大安、天恩日、母倉日」ということで、慶事ごとによいとされる吉日が勢ぞろいした日!!


そして開業日、2023年9月4日(月)は「友引、天恩日、母倉日」ということで、「天の恩恵を受けることができ、人生の節目となる行動が吉を呼ぶ」と言うなんとも縁起の良い日!!


そして本日、晴れて税務署に開業届を出してきます。
正直、この紙切れ一枚で開業できるなんて…と思いますが、ここに至るまでに様々な葛藤や思い、経験をしてきました。

もちろん、これからがスタートです。

始めることはもしかしたら簡単なことなのかも知れない。
むしろ、継続していくことの方が困難が付きまという。

そう思っています。

頑張ります…頑張ります!!
僕が人生をかけると誓ったこのお仕事。

全力で取り組んでいきます!!

2023年9月6日水曜日

ばっかり食いのススメ

 私が小学生の頃、給食の食べ方についての指導があり、その時には「三角食べをしましょう」と教わった。しかし私は、学校でも自宅でも「ばっかり食べ(ばっかり食い)」をしていた。




皆さんは、普段、どの様な食べ方をされてるだろうか?
私が三角食べをするようになったのは、おそらく高校を卒業して、短大生になってからだと思う。

なぜ私がばっかり食べをしていたか。それなりに理由がある。

それは「それぞれの食材の味を楽しみたい」「他の味が混ざるのが嫌」と言う理由からだった。だから、ふりかけもあまり好きではなく、小中と学校給食だったが、高校生になり母が作るお弁当を持参するのだが、母はいつもふりかけをすでにふりかけた状態で、朝、お弁当を持たせていた。その時に母には言えなかったが、実は、それが嫌で嫌で仕方なかった(笑)

では、どうやって食べていたか。

ふりかけのかかっているご飯の上の方を層状に箸で切り分けながら、まずはふりかけのかかった層のご飯だけを食べてから、おかずへと箸を進めていたものだ。

「このおかずは白いご飯に合う」とか「このツマミはあのお酒に合う」とか言う、いわゆる「マリアージュ」的な美味しさを私は理解できなかった。今でも、口の中におつまみを含んだままアルコール類を飲み方(食べ方?)は出来ない。というか苦手だ。


調べてみたところ、「三角食べ」は1970年代頃から一部地域の学校で推奨さたようで、専門家によると「給食を残さず感触させたい学校側のニーズから出た指導法」だと分析する。また、文部科学省が2007年に発行した「食に関する指導の手引」には「主食とおかずは交互に食べる」との記載がある。

しかし、よく思い出してみて欲しい。

日本の懐石料理だってフレンチのコースだって、一品ずつ順番に出され「三角食べ」をしようにも出来ない食べ方だ。


ダイエットなどに詳しい方なら一度は耳にしたことがあるであろう「ベジファースト」と言う食べ方。これは言い換えれば「ばっかり食べのススメ」であることに間違いない。では「ベジファースト」とはどの様な食べ方で何に気をつけるべきか、またどの様な効果があるのか。

以下、Google Bard調べ
「ベジファーストの食べ方」
・食事の最初に、野菜から食べます。
・野菜は、いろいろな種類をバランスよく食べるようにしましょう。
・野菜をよく噛んで食べるようにしましょう。
・野菜を十分に食べた後に、主食や主菜を食べるようにしましょう。

「ベジファーストの効果とその理論」
野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、糖の吸収を遅らせる働きがあります。そのため、野菜を先に食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。具体的には、野菜に含まれる食物繊維は、胃腸内をゆっくりと移動するため、糖の消化や吸収のスピードを遅らせます。また、食物繊維は、水分を含むと膨らむ性質があるため、満腹感を得られやすく、食事全体の量を減らすことにつながります。さらに、野菜にはビタミンやミネラル、抗酸化物質などが豊富に含まれています。これらの栄養素は、健康維持や病気予防に役立ちます。

ベジファーストを実践することで、以下の効果が期待できます。
・血糖値の急激な上昇を抑える
・食事全体の量を減らす
・ダイエット効果
・健康維持や病気予防


しかし実は、このベジファーストにも欠点がある。野菜の中には「糖質」を含む物もあり、食べる野菜によっては逆効果になるここともあり、最近では「プロテインファースト」を推奨する場合もある。では「プロテインファースト」とはどの様な食べ方で何に気をつけるべきなのか。また、どのような理由でどのような効果があるのかを調べてみた。

以下、Google Bard調べ
「プロテインファーストの食べ方」
・食事の最初に、タンパク質から食べます。
・タンパク質は、肉、魚、卵、大豆製品などから摂取することができます。
・タンパク質は、20~30gを目安に摂取しましょう。
・タンパク質を十分に食べた後に、野菜や主食を食べるようにしましょう。

「プロテインファーストの効果とその理論」
タンパク質は、血糖値を下げるインクレチンというホルモンを分泌する働きがあります。そのため、タンパク質を先に食べることで、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることができます。具体的には、タンパク質を摂取すると、腸からインクレチンが分泌されます。インクレチンは、胃の動きやインスリンの分泌を促進する働きがあります。そのため、タンパク質を先に食べることで、胃の動きがゆっくりになり、糖の吸収が遅くなります。また、インスリンの分泌が促進されることで、血糖値の上昇が抑えられます。さらに、タンパク質は、筋肉の維持や増強に欠かせない栄養素です。そのため、プロテインファーストを実践することで、筋肉量を増やし、代謝を高めることができます。

プロテインファーストを実践することで、以下の効果が期待できます。
・食後の血糖値の急激な上昇を抑える
・ダイエット効果
・筋肉量の増加
・代謝の向上


こちらも「ばっかり食い」の良い典型例である(笑)

近年では栄養学の観点から、日本人のタンパク質摂取量(特に高齢者)の低さを問題に上げることが多いため、食の細く1食の食事量は少ない場合は、「プロテインファースト」をすすめる場合が多い。また、食べるスピードが早い方も「プロテインファースト」が良いとされる。

まあ、どちらにも言えることであるが、糖質を最後に食べる事で、血糖値の急激な上昇を抑えることが一番の目的となる。血糖値の急激な上昇を抑えることで、糖尿病予防にもつながりかつダイエット効果も期待できる。

元々、ばっかり食いをしていた私にとってみれば、造作のないことであるが、「白いご飯と美味しいおかずを一緒に食べたい」と言う気持ちも、十分に理解できるし「マリアージュ」の美味しさも知っている。


私の母は、糖尿病だ。
長く「糖尿病予備群」として定期的に受診していた。母は毎日1時間の散歩、週に2回のスポーツセンター通い、合間に畑仕事をし、食事もベジファーストを実践していたが、とうとう先日より、血糖値を下げる薬を飲み始めた。

「この歳になって食べたい物を食べられないなんて本当に寂しいわ」と言っているが、毎食、かなり気を使った手料理を作っている。そして上記の様に身体を動かすことも欠かさない。立派だと思う。なので私は「たまには良いんだよ。食べたいものを食べたいだけ食べて。それが毎日ではダメだけど」とたしなめる。

ちなみに9月4日が誕生日で78歳になった。

一月に一度くらい帰省するのだが、母にとってはそれが良いきっかけのようで(私がきせいした事を言い訳にして?)、ここぞとばかり外食する。それが母にとっての「チートデイ」のようだ。


いや~私も見習わなければ。

2023年9月4日月曜日

ヒトは生まれたときから一人では生きられない…生理的早産

 タイトルを見て「何、当たり前のことを言っているの?」と思われるかもしれない。しかしこれは、他の生物とは明らかに違う、ヒトであるからこその特徴でもあるのだ。



ヒトは生まれた時、一人では何も出来ない。
生まれたての乳児から子育てを経験している方なら、納得していただけると思うのだが、生まれてからしばらくの間、ヒトは泣くことでしか意思表現が出来ない。摂食や飲水(母乳を飲む)なども促されないとできず、目もほとんど見えず、耳はわずかに聞こえる程度、四つ這いはもとより立って歩くこともできない。

よく、四足動物などの出産シーンで、母体からこの世に生み出された小さな命は、出産直後から自ら立って歩こうとし、母の乳を飲みに行こうとする。


ここに面白いデータがある。



ウマ、サル、チンパンジー、イヌ、ヒトの平均寿命・妊娠期間と歩けるようになる時期についてのデータである。注目していただきたいのは「寿命と妊娠期間の割合」と「歩けるようになる時期」との関連性である。寿命に対する妊娠期間の長いウマは誕生してすぐに歩けるようになるが、寿命に対する妊娠期間の短いヒトでは、誕生してから歩けるようになるまでの期間が長いのが分かる(ここでは二足歩行か四足歩行かは別として)。

アドルフ・ポルトマンは、鳥類や哺乳類の生態を比較して整理することを行い、誕生時点から自立して行動できるかどうかという点や、寿命と妊娠期間を整理して比較した。ヒトの赤ちゃんは自立して行動できないうちに誕生しているという特徴があり、誕生するまでの期間(妊娠期間)が約10ヵ月程度なのは短く、ほかの哺乳類に比べて自立度が低いうちに生まれてくる特徴があると主張した。

これを「生理的早産」と名付けた。

なぜ、このような現象がおこっているのか。様々な仮説がある中で一般的に言われていることは、生物の進化の過程でヒトが獲得した二足歩行に関係しているという。

二足歩行になったため骨盤が小さくなり、母体内で成長しすぎると子宮口から出られなくなるため、特に頭部が発達する前に母体から「追い出される」というのだ。

その証拠に、上の図のように新生児の頭蓋骨というのは縦横に亀裂が入っており、胎児にとって一番大きな身体のパーツである頭蓋骨が子宮口を通る時に、少しでも通りやすいようにと、多少、形が変わっても大丈夫なように完全にくっついていない状態で、生まれてくる。
そして、誕生時点では400g程度の重さしかない脳も、1年後には約1kg程度まで急速に成長していく。もし、頭部が完全に成長するまで母体の中で過ごしていたら、おそらく子宮口から出られなくなているのである。

そして、出生して1年後には二足で歩き、簡単な言葉も話せるようになり、言い換えればヒトは、出生後1年かけてやっと『生物としてのヒト』となるのであるが、この1年というのは、乳児にとって見れば親から何かをしてもらう事しかできない。つまり「受け身の期間」とも言いかえられる。

人間以外の生き物は、生まれてすぐ「生きるため」に自ら立ち上がり、視覚や聴覚を駆使して母親の乳を求めて、自ら動く。しかし、人間はそれが出来ないと言うのは、「生き物」として致命的である。親がいなければ生きていけない、なんともか弱い存在なのだ。

しかし、そんな人間だからこそ、「受け身の期間」を乗り切り、生物として生きていく事と人間らしく生きていく事の両方を獲得していく。実は、他の生物にはない特徴があるのだ。

代表的なのは「白目の存在」。

実は、白目があることは「生き物」としてはとても不利なのである。何故か。それは自分を襲ってくる相手に、次の行動を予測されてしまう可能性があるからなのである。多くの生き物は、一見して黒目しかないように見えるが、実は白目も存在している。しかしそれは外見上わからなくなっており、どこを注視しているのかは非常に分かりづらくなっている。

しかし人間には白目がある。
先程から述べている「受け身の期間」、そばにいる人へ視線を送り「あなたを見ていますよ」とメッセージを出している。それを受け取った大人も視線を投げ返す。または微笑みかける。

エリク・ホーンブルガー・エリクソンは、「心理社会的発達課題」と言う理論の中で、乳児期の心理的課題を「基本的信頼 vs. 不信」としている。つまり、ほぼ全ての事を親に頼らなければならない「受け身の期間」である乳児期には親に頼るしかなく、そこには親を信頼しなければ生きていけない、と言う心理がある。「白目」のたとえの如く、乳児も生きるために親にメッセージを送り、それを受け取った親もメッセージを返す。コミュニケーションの原型がここにあり、それを繰り返していくうちに、乳児と親の信頼関係が生まれていくのだ。もちろん、泣くこともその一つだ。



おそらく人間は、地球上で最も弱い生物なのかも知れない。
しかし、このように大きく繁殖しているということは、地球上で最も強い生物とも言いかえられる。それは、知恵や知識、理性などを持ち、社会性を持って各々が協力しあって生きているからである。

昔読んだマンガ「寄生獣」にでてくる、パラサイト「田村玲子」の言葉にこんな言葉がある。「人間と我々が大きく違う点・・・それは人間が何十、何百、何万、何十万と集まって一つの生き物だと言うこと。人間は自分の頭以外にもう一つの巨大な「脳」を持っている。それに逆らったとき、寄生生物は敗北するわ。」

この言葉は非常に、人間の社会性というものを言い当てていると思っている。

2023年9月1日金曜日

無理に抑え込まないで!!ネガティブな感情とその役割

 人には喜怒哀楽、様々な感情がある。日本語にすると実は本当にたくさんの感情表現の仕方がある(Google Bard調べ)。

これらの感情表現というのは、やはりその表現が必要であるからこそ存在しているわけで、それぞれ意味がある。それは“怒り”や“嫉妬”といった感情であっても、である。



ヒトの身体というのは、それ自体を守るために様々な信号を出し、感じ、脳で認知してそれに対しての対処法をとるようなシステムが出来上がっている。

例えば『痛み』
痛みというのは、刃物で傷つけられたり大きな外力が与えられた時に(物理的刺激)痛みを感じる。他にもウィルスや細菌が細胞を破壊した時(生物学的刺激)、強い酸やアルカリ物質に触れた時(化学的刺激)に痛みとして感じる。これは、「身体を壊しているぞ!!」と言う信号であり、それを避けるような行動をとるために『痛み=不快』と言う認知を、脳がしている証拠である。

例えば『味覚』
皆さんは、なぜ「“甘い”は“美味しい”」と感じ「“苦い”は“不味い”」と思うのだと考えますか?実はそこにも同じ様に「身体を守るためのシステム」の一部なのだ。
“甘いもの”の代表といえば砂糖や脂肪分。これらは細胞そのものの栄養分であり身体を動かすために必要な物質だ。“美味しい”と感じるものは身体に必要なものであるから積極的に摂取しようと“身体が仕向ける”のだ。
一方、“苦いもの”というのは本来、カビている物質(身体に有害な細菌)を口にした時に感じる味覚の一種で、“酸っぱいもの”も同様に腐敗している物質を口にした時に感じる味覚である。苦味・酸味というのは体内に入れると“毒”になるため、口にいれた瞬間に吐き出すように“身体が仕向ける”のだ。


痛みや味覚も含め、『快』『不快』に集約され『快』と感じるものは積極的に取り入れ、『不快』と感じるものはできるだけ排除しようとするのが人間の身体である。

もっというと、ヒトを始め生物というのは「それらの持つ遺伝子(DNA)を後世に残すため」に様々なシステムが構築されている。

当blog「汚いモノは嫌われる?!行動免疫システム!!」でも述べたが、何も痛みや味覚というものだけでなくいわゆる「情動(感情)」も同じ様に、「遺伝子(DNA)」を残すための手段として利用されているのだ。つまり、その生物の社会性や幸福感のために感情があるのではない。

エドワード・オズボーン・ウィルソン著の「社会生物学」の中にはこの様に書かれているという。

『つまり愛情には憎悪、攻撃心には恐怖心、大胆さには躊躇が伴うようになる。しかし、これらの感情のとり合わせもなんらその生物の幸福と生存のために考え出されたものではなく、あくまでこれらの感情を制御している遺伝子群の子孫への受け渡しが、最大限に行われるべく考え出されたにすぎない。』

一番わかり易いのは、恋愛感情における嫉妬心。
嫉妬心というのは、結局のところ「自分の遺伝子を残すために交尾する相手を獲得するために必要な感情」である。嫉妬心というのは、時に「恥ずかしい感情」と受け止められ、それを表現することがはばかれることがある。しかし、エドワード・オズボーン・ウィルソンに言わせると、それは致し方のないこと。

人間が社会生活を送る上で支障がでるため、野性的な感情である「嫉妬心」というものを「知性・理性」というものを使って、なんとか折り合いをつけているだけなのである。

同様に「憎悪」「嫌悪」「恐怖心」など、一見するとネガティブな感情にもそれぞれ役割があるわけで、しかもそれは「ヒト」というよりも「生物」として必要であるからその様な感情が沸き起こるのである。つまり、それらの感情が沸き起こってくることは、いたって当たり前の事で、逆にその感情を「感じていないふり」をしたり「感じないように努力する」事自体が不自然なのだと言える。

この様に、「感じないふり」「感じないように努力する」と言うやり方が、ジークムント・フロイトが原型を考え、アンナ・フロイトが概念として確立した「防衛機制」というものだ。「防衛機制」と言う言葉を聞くと「精神心理的に良くない反応」という印象がある。防衛機制にはレベル1~4まであり、レベル4以外の防衛機制は、精神病的であったり神経症的であったりと、メンタルヘルス上あまり良くない反応である。

どの様な防衛機制をとるのかは、その人の生育環境や両親からの受けた影響などが関係しており、獲得してしまった防衛機制の方法を、成人になってから変えることは非常に困難である。


一度、自分自身が、どのような防衛機制を使いやすいのか、ご自身を振り返る事から初めてみることをおすすめする。ただし、チェックリストのように簡単に鑑別することは難しく、カウンセラーとの対話の中で発見されることが多い。


いつも人間関係で疲れる、ストレスがかかった時にすぐメンタルダウンしてしまう、ストレス耐性が弱いなどの傾向があるのであれば、ご自身の防衛機制に問題がある可能性もあるため、メンタルダウンしてしまう前に、カウンセリングなどのサービスを利用してご自分の特性を知り、より健康的で楽に生きられる方法を模索してみてはどうだろうか。

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 2024年11月28日(木)~30日(土)にかけ、東京において開催された『 第38回日本エイズ学会 』の『POSITIVE TALK 2024』にて、HIV陽性者の当事者としてスピーチをしてきました。まずは、その発表原稿の全文を、こちらでご紹介させて頂きます。 なお、読みやすい...