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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年3月14日木曜日

万病の元!!その④「べき思考」

メンタルヘルス上、好ましくない性格・性質の第4段。『べき思考』。


誰でも一つや二つ、『〇〇すべき』とか『〇〇すべきでない』と言う判断基準をお持ちではないでしょうか?それはお仕事上の立場であったり家庭内の役割であったりと、様々なコトが影響してくることだとは思います。かく言うボクもありますよ。いくつか。

例えば…
多様を認めるべき
人を見た目で判断すべきではない
第一印象で人柄を決めつけるべきではない
高齢者や女性、子供には優しく接するべき
約束の時間は守るべき
やり返されたらやり返すべき(笑)

等など

べき思考とは、「~すべきだ」「~すべきでない」という考え方で支配されている状態を指します。べき思考は、別名「Must思考」や「Should思考」とも呼ばれ、何か行動をおこすときに、マイルール(自分の中にあるルール)と照らし合わせて、それに沿っているかどうかを確認せずにはいられない思考パターンです。


皆さん、覚えていますか?こちらのblogで書いた『万病の元!!その②「0か100思考」』えを。こちらを読んで理解されている方にとって『べき思考』と『0か100思考』と何が違うのだろう?とお思いになられるかもしれません。

『べき思考』は認知のゆがみの1つである『0か100思考』に似ています。しかし『0か100思考』は物事を0か100か、または白か黒で考えるのに対し、べき思考は「〜すべき」「〜すべきでない」と捉える点で異なります。

もう少し噛み砕いてご説明しますね。
『0か100思考』の場合、物事を捉える時にAとBと言う二つの側面しか見えていません。AとB以外の視点や見方、またはAもBもありうるかもしれないと言う、多角的な捉え方ができない認知の仕方です。

一方『べき思考』は“Aをするかしないか”と言う思考です。もっと言うと“Aはアリかナシか”と言う選択肢の中で判断することになります。これは自分自身の判断基準になりますので、ご自身の中で解決法を見つけるために必要な基準であったり、自分自身を納得させるために不可欠な思考ではあります。

しかし…

この『べき思考』に捕らわれていると、自分で自分の首を締めることにもなりかねません。


それはどうしてでしょう?

例えばボクの例を挙げてみますね。

〝約束の時間は守るべき〟
ま、これは誰しもありそうな『べき思考』の一つですよね。ボク、これを凄く大切にする人です(笑)。ボクの体には“5分前行動”が染み付いていて、約束の時間の5分前には必ず到着していないと、スゴく嫌なんです。

これがもし、不測の事態が起こり、約束の時間に遅れたとしましょう。
そうですね…例えば、忘れ物をして自宅に取りに戻ってしまったがために、約束の時間を30分遅刻したとします。もちろん、相手には遅刻することは連絡したとして、大体、こういう時って、「〇〇分くらい遅れる」とハッキリ言えない場合も多いですよね。

そのためボクは、相手に「多分20分遅れる」とスマホから連絡したとします。しかし実際は、約束より30分も遅刻してしまいました。

その時のボクの中では、「約束の時間は守るべき」と言う『べき思考』が働いているため、相手に申し訳ないと言う気持ちと同時に、自分で自分を責めたり、自分の事を情けない人間だと感じたり、とにかく自分というものの価値を貶め(おとしめ)てしまう事になります。


ここで大事なのは、“待ち合わせていた相手がどう感じているか”が不在であるということです。あまりにも『べき思考』が強すぎると、相手がどう思うと関係ないんです(笑)。自分で自分が許せないのですから。


もう一つ、お伝えするならご自身の『べき思考』は他人を判断する基準にもなります。

先程の例“約束の時間は守るべき”で、今度はボクが相手を待つ立場になったとします。そうすると、約束の時間に遅刻してきた相手に対して「この人は約束の時間を守らない人だ」「ボク的にはナシの人だ」とジャッジするわけです。

もちろん、ケースバイケースなので、その方が遅刻してきた理由が、避けようのないことや仕方のないことなのかだったり、遅刻するとわかった段階でキチンと連絡を入れる人なのかどうかだったり、様々なシチュエーションが考えられるので、一概には言えませんが、ボクの『べき思考』が強ければ、その相手のことを、とてもネガティブな印象を持ち、その後の関係性に影響するかもしれません。


そう考えると『べき思考』なんて、これっぽっちも良いことなんてありません。いや、これっぽっちはあるかもしれませんが(笑)強すぎる『べき思考』は、自分を苦しめることにもなるし、人間関係を築く上で障壁となることも、十分に考えられるわけです。

ではどうすると良いのか…
とても簡単です。

「まっ、しゃ~ないっかあ~」
「こういう時もある」
「あーゆー人もおる」

ゆる~く物事を捉えれば良いのです。
もちろん、時と場合によりますが、『べき』から外れてしまった時に、大らかに受け止めることが必要なのでしょうね。きっと。



あなたもこのように物事を考える『べき』ですよ!

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