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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年2月20日火曜日

何故、私達に宗教や神が必要なのか?

 ボクは基本的に無神論者です(笑)。

ボクの実家のお隣さんは仏教のお寺さん。ですので、小さな頃からお寺さんの行事ごとには参加していました。それはボクがおじいちゃんっ子で、おじいちゃんが『勝水家の家長』だったから、それらの行事ごとに出席していたので、ボクも自然とおじいちゃんと一緒に参加していました。

おじいちゃんが亡くなったのはボクが小学校2年生頃だったので、それ以降は、あまり積極的にお寺さんに足を運ぶことこはなくなったのですが…


以前、テレビで「ハヤブサ消防団」と言うドラマを放映していたのですが、皆さんはご覧になられましたか?原作は、池井戸 潤氏で、彼の出身が岐阜県加茂郡であったので、そこが舞台になっていると言われています。

事実、ドラマを見ていると「鶏ちゃん」が出てきたり、方言がその地方の方言だったりしていて(ボクが岐阜県郡上市出身のため方言が非常に似ているwww)、親近感をもって見ていたのですが。


主人公が、ハヤブサ地区に移住してきた時、「寺世話だよ」とか「燈明当番だから」みたいな会話を地元の人とやり取りしていたのを覚えております。

「寺世話」と言うのは菩提寺であるお寺のお手伝い、「燈明当番」というのは神社の石灯籠に日を灯す当番の事で、田舎の風習として当たり前にある地元住民の「役割」です。しかし、お気づきの方もおられると思いますが、ここに日本人特有の矛盾があるんです。

「寺世話をする」と言うことは「仏教に仕える」と言うことなのですが「燈明当番をする」と言うことは「神道に仕える」とも言えるわけで、「宗教へのこだわりのない日本人」の現れではないかと思います。

よく言われることですが、このような現象は世界的に見ても珍しいことだと言いますよね。

それでも、全世界には「宗教」または「信仰」のようなものは、形は違えど必ずあるわけで、それが大きな動きを生み出すことも多いと思います。


イギリスの、ロビン・ダンバー氏は進化生物学者的に、以下のような事を述べています。

〝ヒトが真に親密性を感じて暮らすことができる集団のサイズには上限があり、それはおよそ150人である〟

これは『ダンバー数』と言う名前で知られるようになりました。彼はこの数字のことを「もしあなたがバーで偶然出会って、その場で突然一緒に酒を飲むことになったとしても、気まずさを感じないような人たちのことだ」とも説明しています。

ヒトと言う生物は、集団生活を手に入れることで、外敵から身を守り生物として生き残ってきた経緯があります。それはblog『人はなぜ共感を求めるのか?』でも述べています。しかし、今の人間社会を見ても分かるように、一人の人間は150人以上の人と関わり合いながら社会生活を送っていますよね。

そこで登場するのが『宗教』『信仰』だというのです。

集団生活を送るには「共感が必要」というのは先のblogにも書きました。しかし、多くの人と共感し合うには、150人の壁があり、限界があるのです。そこで『宗教』と言う手段を使って、人々を繋ぎ関わり合いを閉ざさないようにしている、と言うのです。


そしてもう一つ、『宗教』の大切な役割があります。

それは、「超自然現象に因果関係の説明をする」と言う役割です。

ボクの父は危篤状態になってちょうど1週間で息を引き取りました。その間、父の兄弟が見舞いに来たり(もう十何年も父と会っていなかった)、母やボク、姉が付きっきりで見守っていたりと、「父が逝くための準備期間」を与えてくれているように感じていました。

これって、受け止めようによっては「超自然現象」なんですよね。この様な出来事を説明するために『宗教』が存在する、とも言われています。


さらに付け加えるならば、この世の中の理不尽な出来事や事実に対し、人間がなすすべもない、個人が無力だ、と感じた時に『宗教』は心の平安を保つためにも必要だ、とも言われています。それは『祈り』に代表されるような行為です。



冒頭でボクは『無神論者です』と書きましたが、良く考えたらウソでしたwww

今住んでいるボクの自宅には、父の遺影が飾ってあり、毎朝蝋燭に火を灯しお線香をあげます。また、神棚のようなものを自作で作り、破魔矢などに柏手を打ってお参りします。

今回は、宗教について、ロビン・ダンバーの研究から科学的に紐解いてみました。宗教や信仰が悪いとか良いとかの話ではなく、実は生物として進化していく上で必要不可欠なものであった、と言う事をお伝えしたかったのです。



ただし!この様な理論を悪用してはいけませんよ!

2024年2月19日月曜日

嘘!うそ!ウソ!~人が嘘をつくワケ

 人は誰しも、嘘をついて生きてきています。一生のうちで一度も嘘をつかなかったという人はおそらくこの世にいないでしょう。

「嘘をついてはいけない」と言う逸話や教訓というのはそこら中に転がっていますが、有名なのは「オオカミ少年」とか「ジョージ・ワシントンと桜の木」でしょうか。

オオカミ少年とは…
イソップ物語の「オオカミ少年」は、嘘をつき続けると信頼されなくなるという教訓を説いた寓話です。この寓話は、羊飼いの少年が「狼が来た」と嘘をついて周囲の大人を惑わせ、本当に狼が襲って来たときに大人に信じてもらえず、羊を食べられてしまうという内容です。


一方、ジョージ・ワシントンと桜の木とは…
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンは、少年時代に父親が大切にしていた桜の木を折ってしまいました。父親に問い詰められたジョージ少年は、素直に「自分がやりました」と白状して謝ったのです。それを聞いて父親は、息子を叱らずに、「お前の正直な言葉は千本の桜の木よりも価値がある」と言って、逆にジョージ少年を褒めたということです。


実はこのお話は作り話と言われているんですって!ボクも初めて知りました。


2018年に発表された論文「Differentiating everyday lies: A typology of lies based on beneficiary and motivation」(日常の嘘の区別:受益者と動機に基づく嘘の類型学)では
『受益者』と『動機』と言う二つの要素で、嘘の背景にあるそのプロセスを説明しています。つまり、嘘をつくという決断は、受益者、つまり、その嘘で得をする人によって影響される、と言っているのです。

そこでこの研究者は、人が不誠実になる理由に基づいて、6タイプの嘘を提示しました。以下にその6つを簡単にご説明します。


①利益を得るための自己志向的な嘘
このタイプの嘘は、自分が良い結果や利益を得ることを目的にしています。例えば、拾ったお金を自分のものだと主張する、など。

②損失を避けるための自己志向的な嘘
このタイプの嘘は、自分にとって悪い結果や損失を避けることを目的にしています。例えば、駐車する時に他人の車にぶつけたのに、それを否定する、など。

③他者の利益を得るための他者志向的な嘘
このタイプの嘘は、他者にとって良い結果や利益が得られることを目的としています。例えば、「仮病で欠勤している同僚」を擁護するために上司に嘘をつく、など。

④他者の損失を避けるための他者志向的な嘘
このタイプの嘘は、他者を損失や悪い結果から守ることを目的にしています。例えば、両親に心配させないように「自分は元気でやっている」と嘘をつく、など。

⑤共に利益を得るための互恵的な嘘
このタイプの嘘は、嘘をつく本人だけでなく他者も利益を得ることを目的としています。例えば、良い成績を取るためにグループプロジェクトの結果を偽る、など。

⑥共に損失を避けるための互恵的な嘘
このタイプの嘘は、自分と他者の損失を避けることを目的としています。例えば、重要な締め切りを守れなかった際に、チームマネージャーが職場の上司に対し、タスクを完了できなかったチームが責められたり個人で責任を引き受けることにならないように、技術的な問題が原因だったと偽りの説明する、など。



確かに、人を傷つけたり他人の不利益を画策するような嘘は、道徳的に良くないとは思いますよね。「嘘も方便」と言うくらいなので、「ついてもいい嘘」があるのではないかと思います。

しかし、どんな嘘をつくにせよ、メンタルヘルスに大なり小なり影響を及ぼすのは事実です。2023年に発表された「The costs of lying: Consequences of telling lies on liar's self-esteem and affect」(嘘の代償:嘘をつくと嘘をつく人の自尊心と感情に与える影響)では、嘘をつく事の心理的な影響が研究されました。それには以下の3つが挙げられるといいます。


①自己肯定感の低下
嘘をついた人は、真実を話した人よりも自己肯定感が低下した。また、嘘をついた日のその人の自己肯定感は、前日や平均的な自己肯定感の水準に比べて低くなった。

②ネガティブな感情の増加
嘘をついた人は、真実を話した人に比べて、いら立ち、後悔、不安、みじめさ、罪悪感、きまりの悪さ、恥、怒りといったネガティブな感情を強く感じることがわかった。

③ポジティブな感情の減少
この研究では、ネガティブな感情の評価に加えて、嘘をついた人のポジティブな感情も検証された。その結果、嘘をついた人は、真実を話した人に比べて、心地よさ、幸福感、安心感、誇りといった感情が少なかった。



「嘘も方便」的な意味合いで嘘をついたとしても、それは、嘘をついた本人のメンタルヘルスにはあまり良くない、と言うことだそうです。

でもこれって、ホントは皆さん、日頃から感覚的に分かっていることですよ…ね。ボクもそうです。

できれば嘘をつきたくない。

それは道徳的にもそう思うし、自分が苦しい思いや嫌な思いをすることが分かっているから。

ボクはHIV陽性者です。
自分自身もそうですし、よく同じ境遇の人から相談されることもあるのですが、「職場に病気の事を開示したほうが良いのか」と言う問題です。ボクは陽性告知を受けて20年以上経ちましたので、この問題に対して自分なりの答えを持っています。それは「開示するメリット・デメリットと開示しないメリットとデメリットを天秤にかけて選択すれば良い」と言うことです。

この「メリット」「デメリット」の中には「嘘をつく罪悪感」と言うのも入れて考えて良いのかな、と思います。

また「嘘をつく」と考えると大変心苦しいので「聞かれなければあえて言わない」と言う捉え方もあると思います。

なんだか言葉遊びのようでアレなんですけど(笑)
でも「嘘をつく」と「あえて言わない」では、随分と自分の心の持ちようが変わってくると思うんですよね。


これからのアナタの人生に何かのお役に立てれれば、と思います。


2024年2月16日金曜日

万病の元!!その③「他人軸」

 メンタルヘルス上、好ましくない性格・性質の第3段。『他人軸』

この言葉、ボクもカウンセリングセッション中によく使うのですが、『他人軸』の反対語は『自分軸』です。


簡単に説明しますと、『他人軸』とは、自分の考え方を持たず、他人の評価ばかりを気にして行動する人のことを指します。他人軸の考え方を持つ人は、基本的に「他の人から嫌われないようにしよう」という考えばかりになります。そのため、いつまで経っても自分に自信が持てず、他人に合わせて行動してしまうのが特徴です。


他人軸で生活している人は、意外と自分自身で気付いていないことが多いです。また、他人もそれを指摘することが少なくて、いつの間にか他人軸の渦の中でもがき苦しんでいる…そんな人が多い印象です。

そこで、ここに簡単なチェック方法があります。自分軸の人と他人軸の人と、何がどの様に違うのかを比較していますので、一度、御自分で振り返ってみて下さい。


①使う言葉
□自分軸:~したい、~したくない
□他人軸:~すべき、~してはいけない

②判断基準
□自分軸:どちらが楽しいか
□他人軸:どちらが正しいか

③人間関係
□自分軸:自分と他人を切り分けて考えられる
□他人軸:自分よりも他人がどう思うかということを優先する

④自由か不自由か
□自分軸:自分の判断で行動できるので自由
□他人軸:他人が認めていることしか行動できないので不自由

⑤人の判断
□自分軸:そもそも人を判断しない
□他人軸:社会にある既存の基準で人を判断する

⑥根本的な考え方
□自分軸:心中心で生きている
□他人軸:頭中心で生きている

⑦答えの見つけ方
□自分軸:自分の内側で考えて答えを出す
□他人軸:社会にある本やSNSなど外部から答えを探す

⑧仕事の意味
□自分軸:まず自分を満たすために働き「他者貢献」へと繋げる
□他人軸:誰かの期待に応えるために働き「自己犠牲」に苦しむ

⑨やりたいこと探し
□自分軸:「やりたいこと」が思いつく
□他人軸:「やっておくべきこと」しか思いつかない

⑩生き方
□自分軸:自分だけの答えを創っていく「創造」の人生を歩む
□他人軸:既に社会にある答えに合わせる「適合」の人生を歩む

これもよく話題に挙がることなのですが「自分軸とワガママはどう違う?」と言うことです。皆さん、お分かりになりますか?

決定的に違うのは「ワガママは他人を振り回す」と言うことです。付け加えるなら「自分の価値基準を他人に押し付ける」と言うことです。


アナタはアナタ

ワタシはワタシ


お互いをお互いに認め合い、それを受容しつつも自分を見失わないのが『自分軸』です。


いや~これもね、分かっていてもなかなか修正できるものではありません。そして、意外に自分自身のその行動や、行動のもととなる思考過程が『他人軸だ』と、自分で気付けるものでもありません。


このシリーズも今回で一区切りです。

前回もお伝えしましたが、これらの性格・性質というのは、気をつけていれば治るとか修正できる、と言う簡単なものではありません。ネットを検索したり本屋へ行けば、同じ様な事を書かれているデータや書物はいっぱいあります。

何度もお伝えしていますが、これらの性格・性質というのは、アナタが長年培ってきて作り上げてきたものです。ちょっとやそっとじゃ治りませんって(笑)

だから!心理カウンセリングを利用していただきたいのです。


2024年2月15日木曜日

万病の元!!その②「0か100思考」

 メンタルヘルス上、あまりよろしくない性格・性質の第2段。『0か100思考』

いいや~これ、ボクもやってました(笑)「有りか無しか!!」とか「白か黒か!」みたいな思考。もちろん、こういう思考自体がダメ、と言う話ではなくて、「0と100の間を考える」とか「白と黒の間のグレーを考えてみる」とか、そう言うお話です。



『二分割思考』『白黒思考』『全か無思考』『二極化思考』とも呼ばれ、物事を白か黒かと二分して捉える思考のことですが、思い当たる人も多いのでは?

では、なぜ「0か100思考」が良くないのか。一つずつご説明しましょう。


①思考が単調になり、発想力が乏しくなる

自分自身の中での判断基準が「白か黒」の二つしかないため、思考が単純で発想力が低下します。そしてその判断基準を自分で疑ってみたり、他の可能性を考えてみたりと言う事をしなくなってしまい、自分の基準で物事が上手く行かなくなった時に、窮地に立たされます。

今まで、自分の基準を疑ったり他の可能性を考えることをしてこなかったため、「想定外」の事態が発生すると、身動きが取れなくなってしまうんですよね。


②人間関係のトラブルが起こりやすくなる

優劣や善悪をはっきりさせようとするため、争いや恨み、妬みといったマイナスの感情をもちやすくなります。同様に周りの人を好きか嫌いかだけで区別することにも繋がります。

例えば仕事上で何らかのトラブルになった時、一方的にどちらかが“悪い”ことというのは、非常に稀なことですよね。しかし「相手が悪いのか自分が悪いのか決着をつける!」みたいな発想であったり、「あの人は言い方がキツいけど優しい人」の様な人物を評価するときにも多側面から見ることができないため、孤立したり敵を多く作ってしまったりする可能性も高くなってしまいます。


③曖昧な状況での意思決定ができない

『0か100思考』の人というのは、言い換えると『曖昧さを嫌う』傾向にあります。曖昧さを嫌うということは、未知の物事に対して「とにかくやってみよう!」とか「とりあえずココまでやったのだから後は出たとこ勝負!」みたいな感覚を非常に避けてしまいます。

例えば、成功事例をとことん探したりその道筋に沿ったマニュアルを探してしまったりして、「成功する」と言う『確実性』を追求してしまします。

そのためそもそも自分の知らない世界や環境に飛び込んでいく、そしてその時その時に応じて対処していく事を、極力避けてしまう、と言う傾向が強く出てしまいます。


実はこの『0か100思考』というのは『完璧主義』から生まれるものだと言われています。

前回のblog「万病の元!!その①「完璧主義」」でも『完璧主義がもたらす負の影響』と言うことでいくつか挙げていますが、『完璧主義』から生まれる『0か100思考』も、まったく同じ様な傾向があります。


では、これをどうすればよいか。

ボクよく心理カウンセリングを担当させて頂くクライエントによく言うことなのですが「考え方の癖とか認知の歪みというのは、アナタが長年培って出来上がったもの。すぐには変わらないし、変えられないです」とお伝えするんです。しかし、心理カウンセリングでこの様なテーマで自分自身の生活や考え方を振り返った時に、「あの時はあんな風ふ受け止めていた」とか「どうしてあんな事を考えたのだろう」と客観的に考えられるようになると、徐々に自分自身に気付きがえられ、行動変容を起こしていきます。

これからお伝えするととは、「心がけること」として書きますが、正直、それを意識した“だけ”で変わるとは思えません(笑)そんな方は是非、ボクの心理カウンセリングを受けていただきたいと思います。


①失敗を受け入れる

失敗は学びへのチャンスです。これは心構えとして「失敗を避ける努力」ではなく「失敗を受け入れる努力」をするべきだと思います。また、行動を起こす時、恐れを抱いたままでは、100%の実力を出し切ることもできません。


②最低限だけできればいい

「今、自分ができることの最大限」を探すのではなく「今、自分ができることの最低限」を、まずは探してみる、と言うことです。そこから徐々に「最大限」を見つければよいのであって、最初から「自分の最大限」を探そうとすると、早く挫折し、また次、挑戦しよう!と言う気持ちの切り替えも難しくなります。


③そもそも自分の基準は正しいのか、疑ってみる

白黒の線引を決めている、自分の中の価値基準をまずは疑ってみることです。そのためにできることとしたら、様々な人と話しをする、話しを聞く、と言う事です。「自分はこう思うんだけど〇〇さんはどう考える?」「あの人って〇〇だと思うんだけど、あなたはどんなふうに感じる?」など。自分とは違う価値基準の人の考え方を聴いたり、また意見交換するだけでも「目からウロコ」って事もよくある話し。


④自分の基準のルーツを探る

これはちょっと難易度が高い(笑)それこそ、これは心理カウンセラーと共に行うと良いかと思います。基準のルーツって、実は幼少期の親からのしつけだったり家庭環境から受ける影響も大きくて、もちろん、少年から青年、成人へと成長するにつれ様々な人と交流していくことで変わっていくものでもありますが、実は幼少期に身に着けてしまった考え方を、より強固にしてしまう可能性も高くあります。自分の基準のルーツを探ると言う事は、ちょっと精神的にしんどい事もあります。思い出したくないこと、忘れてしまっていたことなどを想起するため、かなり心のエネルギーを使います。

なおさら心理カウンセラーと共に「自分のルーツ探し」をするほうがより安全に、より効果的にできるとボクは思っています。

今回のシリーズは、「万病の元!!」と書いていますが、この様な思考や性格を続けていると、社会生活に疲れ、悩み、心の病の原因になりかねないと思い、ちょっと強い口調で表現しています。

もし、ご自身で少しでも自覚があるのであれば、本当にダウンしてニッチモサッチもいかなくなる前に、心理カウンセラーの門を叩いてみることをオススメします。

2024年2月14日水曜日

万病の元!!その①「完璧主義」

 メンタルヘルス上、好ましくない性格や性質について語られる時、大体、以下の3つは挙げられることが多いですよね。

完璧主義
0か100思考
他人軸

今回から3回に分けてこの様なメンタルヘルス上、よろしくない(笑)性格や性質について解説し、どうしたらそれらから脱出できるのか、ボクのちょー持論を展開したいと思います。

今回は「完璧主義」についてお伝えしますね。


①完璧主義が生産効率にもたらす負の影響

・失敗に対する恐れからストレスが過剰になりすぎて疲弊しやすい。
・他者からのフィードバックを受ける機会を損失させ結果的に作業が達成できない。
・自分のこだわりを周囲に押しつけて、周りの人々も疲弊させやすい面がある。
・目標が高過ぎて、結局達成ができず、燃え尽きてしまう可能性がある。
・完璧を求めるあまり、作業が長期化しやすい。

などが挙げられると言われています。

いや~分かりますよね(笑)ボクも以前はかなりの完璧主義だったので。例えば、他部署とチームを組んでプロジェクトを始めたとします。そうすると、そのミーティングの場で「ボクの部署はこういう役割だから、〇〇についての資料を作って、あれもフォローして…もしかしたら他の部署の人達は✕✕について知らないかもしれないからこの資料も用意して…」とか何とか考えだしたら、もう、ものすごい作業量(笑)

それで作業量が多くて作業時間も長くなることは分かっているから、まあ、人よりかは作業に取り掛かるタイミングは早かったと思う。

だから最終的に未完成、と言うことはなかったけど、どれだけ準備しても準備しても安心できない、満足できないと言う精神的ストレスは大きかったかな(笑)

ある時、同僚に「トライ・アンド・エラー(try & error)でいいじゃん」って言われて、ハッとしたこともあったっけ。


じゃあどうする?


②「遅いベスト」よりも「早いベター」を

これはどんな仕事を誰に対してするのか、と言う問題にも関わることなのですが、もし同じ社内、同じチーム内での話であれば、自分自身が提供できる知識やデータには限界があります。最終的にはミーティングや打ち合わせをしてブラッシュアップしていくものであれば『そこそこの物で良い』ぐらいの感覚で取り組んで、ミーティングや打ち合わせの席で完成させたり、また次回への課題として持ち帰って、そこからまた着手すれば良い。それくらいで良いのかな、と。

自分一人の頭で考えれることや、自分ひとりの体でできる作業なんて、たかが知れています…よ。


③「ホウレンソウ」で仕上げる

「ホウレンソウ」懐かしいですよね(笑)。社会人ならば、新入職員になった時にまずは教えられる言葉、求められる行動ですよね。「報告・連絡・相談」のことです。ボク自身は完璧主義なんだけど、職場の後輩に何か課題を出した時にこの「ホウレンソウ」を伝えていました。けれど、どのタイミングで相談してくればよいのか、迷う人もいました。ですのでボクは3つの事をお伝えしていました

「迷ったり悩んだりしたらまず相談する。その時にもし、もう少し自力で頑張ってほしいと思っているなら、その様にボクが伝える」

「全体の30%・50%・80%くらいの完成度のタイミングで報告する」

「どうしても行き詰まった時は、何がどう行き詰まっているのかを明らかにして相談に来る」

もちろん最初に、大体のタイムスケジュールを決めてから取り掛かってもらうのですが、それプラス上記の様な話しをお伝えしていたと思います。


④実はいちばん大切なのは「リカバリー能力・レジリエンス能力」

完璧に何かを仕上げて、非の打ち所のない仕事をしていたとしても、一番怖いのは「想定外」です。自分自身では「完璧」と思い込んでいても、人間のすることですから何かしらの欠陥があったり欠落があったりするもの。しかしそれに気付かずに完成としたものに対して、大なり小なりなにか想定外の問題が出てくると思うんです。

その時、どれだけ迅速にかつ的確に対応できるかって、かなり重要なことだと思うんですよね。自分では「完璧」だと思っているわけだし。

しかも、今まで「完璧」に仕上げた仕事に対して大きなトラブルに見舞われていないとすると、尚更「リカバリー能力」というのは低いまま、来ているわけだし。

だから多少の穴があるくらいの出来栄えで、その都度リカバリーする事に対して恐怖心を捨て、その経験の数をこなす事で、その能力が上がっていくんではないのかな、と思っています。

完璧主義のボクからみたら、おそらく④が一番大切なことだと思う。

もちろん、作業時間を短縮させたり燃え尽きを防いだりって大事なことだとは思うけど、咄嗟の対応力やリカバリー能力が低下するって、ホントに困る。

まあ、ボクが元々医療従事者だから、突発的なできごとの繰り返しだから、それにいちいちビクビクしていたらやってられないって言うのもあるけど、ボクはビクビクしていた(笑)とても。20年以上、理学療法士やってて、何だかいつも緊張感に溢れていて、それに疲れたってのもあるかも…

もちろんそこで「完璧主義」を辞められていれば違ったのかもしれないけど…さ。


ま、何にせよ、完璧主義は万病の元ですよ~

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