ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のことです。例えば、清潔感のあるイケメンは信頼できると感じてしまったり、“〇〇大学教授”のように肩書だけで、その人はとても立派な人間だと判断してしまったり。
セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極性障害)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。
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- Kengo Katsumizu
- オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。
2024年2月13日火曜日
あなたは世界を全て色眼鏡で見ている…認知バイアスとは?
ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のことです。例えば、清潔感のあるイケメンは信頼できると感じてしまったり、“〇〇大学教授”のように肩書だけで、その人はとても立派な人間だと判断してしまったり。
2024年2月9日金曜日
自分で自分が信じられない…インポスター症候群!
人はとかく、日本人は尚更「遠慮の美学」がありますよね。あと自分の功績を誇示しないとか「一歩引く文化」というものが根強いと思います。何かを成し遂げた時、周囲から「あなたは本当にすごい人だ!」「素晴らしい業績をなし得た素晴らしい人だ!」と称賛されても、日本人は「いえいえ。そんなことはございません」と言います。
内心はどうであれ(笑)
ただ、時に本心から「そんな大したことはしたとは思っていない」とか「周りの人は自分を騙して本心から称賛していない」と懐疑的な気持ちになることがあるそうです。
それが『インポスター症候群』と呼ばれます。
インポスター症候群とは…(公益財団法人 日本女性学習財団より一部引用)
他人からの高い評価に対して、「そんな能力はない」「運がよかっただけ」「本当は能力がないと見破られてしまう」などと否定的にとらえる状況をさします。1978年、臨床心理学者のPauline Rose ClanceとSuzanne Imesが「学問的・専門的分野において客観的に成功しているという証拠があるにもかかわらず、本人は虚偽感や無価値観を抱き、知的な面で他者を欺いていると感じる内的経験」を定義したことからきています。
別名「詐欺師症候群」「ペテン師症候群」とも呼ばれます。
端的に言えば「自己評価が極端に低く変化(特に成功すること)に対して恐怖心を感じている」とも言えます。
ではなぜ、その様な感覚に陥ってしまうのでしょう。
まずは下の図をみて下さい。
左はインポスター症候群の人の知識量に関する捉え方。右はそうでない人。
インポスター症候群の人は「他人は自分より秀でている」または「自分は他人より劣っている」と捉えるので、周囲の他人を過大評価します。しかし人間の知識というのは、人それぞれに知っている分野や範囲というのは大小様々で、自分が知っていることと他人が知っていることはオーバーラップしている部分もあればそうでない部分もるはずですよね。
つまりインポスター症候群ではない人は『優劣』で捉えるのではなく『十人十色』で捉えています。けれどインポスター症候群の人はそれができない。
『症候群』と言う名前がついているので、“あたかも病気”の様な受け止め方をされるかもしれませんが『症候群』というのは、あくまで『その様な考え方をしがちな人たちの集団』程度に受け止めていただいたほうが良いかと思います。
大なり小なり、人はその様に考えがちです。
では、どの様な人がインポスター症候群に陥りやすいのでしょうか。
外的要因として…
・成功・優秀・天才、などと必要以上に期待されてプレッシャーを与えられた。
・チャレンジする環境がない、失敗した経験がない。
・学校で成功するように圧力をかけられた。
・家庭で兄弟や姉妹と比較して優秀・劣悪を強調された。
・周囲から優秀・天才と扱われ過度に期待された。
・過度に制御されて自由がない環境。
・完全に失敗しない過保護な環境。
内的要因として…
・完璧主義
・専門家気質
・責任感が強い
・他人本位
こうやってその要因を列挙してみると何となく見えてきませんか?「失敗することへの勇気の欠如」「自分の喜びより他人からの評価」そんなことがキーワードになってきそうですよね。
また、『内的要因』を見てみると適応障害やうつ病に罹りやすい気質とも一致します。
という事はですよ、対処法も何となく見えてきませんか?
・現在に集中して、未来を心配しすぎない。
・自分にも他人にも完璧を求めない。
・自分より優秀だと思う人の中に身を置く。
・褒められたら否定せず受け止める。
・小さな目標を立てて達成したら自分をしっかり褒める。
このような事を実行するためには、やっぱりある程度のトレーニングが必要だと思います。と言うのも、インポスター症候群も、ある意味『自分自身の認知の歪み』が原因なんですよね。
もし、専門的に取り組みたいのであれば『認知行動療法』をオススメします。
2024年2月8日木曜日
楽観的に生きるって?!防衛的悲観主義・戦略的(方略的)楽観主義
ボクは基本、ネガティブシンキングで生きてきました(笑)ホントに。何か自分の身に降りかかる出来事があると、その後のことを予測するのですが、大体の場合『最悪の事態しか』想像できませんでした。
もう、これって、異常ですよ(笑)ホントに。
それが行き過ぎると
「人生終わりだ」
「もう誰からも信頼されない」
「生きていてもしょうがない」
「もう二度とごめんだ」
と言う、極論に行き着いてしまいますので、ネガティブシンキングも考えものです。
でもね…ネガティブシンキングが身に染み付いてしまっている人に「もっと気楽に考えなよ!」とか「そんなの考えすぎだよ」とか言われても「ソレができていたら苦労はしない!!!」と声を大にして言いたい(笑)
だって、そうでしょ?ネガティブシンキングって、ある意味、これまで生きてきて身につけてきた〚LifeHack〛みたいなものだから。それが正しいと思って生きてきたわけだし。
しかし、やっぱりそれはメンタルヘルス上、あまりよろしくないのも事実。じゃあ、心理学的にどんなことが言われているのか、少し紹介したいと思います。
上の図を御覧ください。
横軸に「悲観的⇔楽観的」縦軸に「過去のパフォーマンスが高い⇔低い」を示しています。
一般的悲観主義…
いわゆる「悲観主義」です。ある行動を起こしそのパフォーマンスが悪く、将来的にも同じ様なことが起こるだろう、と言う「真の悲観主義」とも言われています。ボクの言うネガティブシンキングも、この部類でしょうし、みなさんもどんな思考パターンか、容易に想像できるでしょう。
非現実的楽観主義…
これこそ真の「楽天主義」でしょうか(笑)。過去のパフォーマンスが悪かったにも関わらず、将来における希望は楽観的なわけですので「根拠のない自信」と言い換えても良いかもしれません。
防衛的悲観主義…
過去のパフォーマンスが高いけれど将来への不安が強い、と言うことは「自分自身のパフォーマンスに対しての期待値は低くて、そのために将来へのあらゆる想定できる対策を取る」と言う思考パターンです。「備えあれば憂いなし」といったところでしょうか。
戦略的楽観主義…
過去のパフォーマンスが高く、将来のパフォーマンスに対しても期待値を高く見積もっているので、将来に対する準備は最低限にする、と言う思考パターンです。「案ずるより産むが易し」といったところでしょうか。
悲観主義・楽観主義の思考パターンはこの4つに分類されると言われています。
ただし、前述の二つ『一般的悲観主義』『非現実的楽観主義』はよいパフォーマンスを産みません。感覚的に分かりますよね?その理由は。両者はともに過去のパフォーマンスが低い、と言う事実があります。つまり『失敗した事実がある』と言うことなのですが、それが『悲観主義』になると過度な緊張や気分の萎縮など、更にパフォーマンスを落とす原因になります。また、『楽観主義』になると、過去の失敗があるにも関わらず、それに対して何も対処しなかったり、方策を練らなかったりするわけですから、当然、悪いパフォーマンスになるのは見え見えです。
では後者の二つはどうでしょうか。
実は、心理実験において、防衛的悲観主義も戦略的楽観主義も、将来的なパフォーマンスの低下は起こらない、とされています。つまり、過去に成功体験があれば、将来のことを悲観的に考えても楽観的に考えても、同じくらいの高さのパフォーマンスが得られる、とう言うことなのです!
さあ、ここで考えなければならないのは、「過去に成功体験があれば」と言うことがキーになることがお分かりですね?
つまり同じ様な経験、同じ様な出来事に対してはこの理論が適応されるのです。
じゃあ初めての経験や体験は?と言うと…これは人間誰しも、「未知のものに対する恐怖心」と言うものがあります。これは「生物としての本能」なので抑えることはできません。
諦めて下さい(笑)
未知のものに対する恐怖心や不安感への対処法については、機会を改めて設けるとして、今まで経験してきたことを振り返った時に、まずは、ネガティブな側面だけでなくポジティブな側面も含めて全体を、キチンと客観的に捉える、と言う思考過程が必要になってくると思います。「良い」「悪い」と言う判断も必要かもしれませんが、「何がどの様に良い」「何がどうして悪い」その部分に着目することで、「感情・気分」の部分で変化があると思います。
楽観的・悲観的というのは、ある種、生まれ持った気質みたいなものもありますが、考えようと言うか受け止め方次第のところもあるんですよね。
ちょっとご自身を振り返ってみて、思考過程を見直してみて下さい。
2024年2月7日水曜日
大人の発達障害とは?グレーゾーンとは?
近年、本当に多くなりましたよね。『発達障害』または『大人の発達障害』と言う言葉を耳にする機会が。
ボクが子供の頃(約40年近く前の話です)発達障害という言葉はそれほどメジャーではありませんでした。いわゆる『知恵遅れ』と言う障害はあったし「知的障害」と言う言い方も何となく記憶しているのですが、『発達障害』と言う言葉は聞いたことがなかったような気がします。
また、理学療法の養成校時代『発達障害』と言うと、運動機能メインの話で、いわゆる『正常発達』から逸脱した身体機能的な障害を『発達障害』と言っていたと思います。
注意欠如・多動症:ADHD
12歳以前から、発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があり、そのことによって家庭、学校、職場などの複数の場面で困難がある場合に診断されます。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。(中略)大人になると、計画的に物事を進められない、そわそわとして落ち着かない、他のことを考えてしまう、感情のコントロールが難しいなどといったことが見られます。子どもの時に比べて、大人になると、落ち着きのなさなどの多動性-衝動性は軽減することが多く、そのため多くの困難を経験していても、その症状は目立ちにくくなります。また、不安や気分の落ち込みや気分の波などの精神的な不調を伴うことも少なくありません。
2024年2月5日月曜日
グルグルグルグル グルグルグル ドッカァーン!!
この言葉を書くと、どうしても「篠原ともえ」さんを思い出すんです(笑)。
今の若い方は、「篠原ともえ」さんというと、デザイナーとかアートディレクターとか、そんなイメージかも知れませんが、彼女、ずっと前は「天然キャラアイドル」だったんですよ(笑)想像できないかもしれませんが。
今回は、篠原ともえさんのお話ではありません(笑)
人は悩んでいる時、知らず知らずのうちに「ぐるぐる思考」になっていることがよくあります。「あ~でもないこ~でもない」「あ~すればこ~すれば」⇒グルグルグルグル
そのうちドッカーン!となりますね。
これを『反芻(はんすう)思考』と言います。
反芻(はんすう)とは…
ウシやキリンなど一部の動物にみられる、胃に入った食べ物をもう一度口に戻す行為を指す言葉で、ぐるぐる思考が反芻思考と呼ばれる由来となっています。ぐるぐる思考の例として、「あのとき、もう少し言い方を変えればよかった」など、過去の発言を後悔することなどがあげられます。
思考するのは悪いことではありませんが、何度もネガティブなことを考えすぎると、不安感が高まり、次第に気分が落ち込みやすくなってしまいます。
気分の落ち込みが続くと、心身の健康を崩す原因にもつながりかねないため、適切に対処することが大切です。
実はこの『グルグル思考』2種類あると言われています。
「リフレクション(Reflection)」とは、ネガティブな思考がよぎったときに、失敗の原因は何なのかを考える思考方法のことです。原因を分析する方法のため、ぐるぐる思考のなかでもポジティブな側面から自分を振り返ることができます。また、未来に向けて対策を検討できるようになるため、同じ失敗を繰り返さないための工夫にもなります。
まさにこれが『グルグル思考』の真骨頂(笑)
「ブルーディング(Brooding)」とは、ネガティブな思考がよぎったときに、自分の性質や環境が悪いと考えることです。たとえば、「自分が成功できないのは周りのせいだ」「自分が失敗するのはなんの能力もないからだ」というふうに考える例があげられます。ブルーディングは、ぐるぐる思考のなかでも、ネガティブな側面に注目しがちな思考方法です。理不尽な感情や不満感が募りやすくなる考え方のため、精神面での不調が出やすくなります。
いわゆる「あ~でもないこ~でもない」と考えてしまい、その答えを得ることができず、思考が止まらなくなることです。
多かれ少なかれ、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
ブルーディングしてしまう人というはうつ病傾向の強い人と言われていて、以下のような性格の人が陥りやすいと言われています。
・繊細なところがある
・一人で抱え込んでしまうことが多い。
・完璧主義である。
ドキッとしたあなた、そこのアナタですよ!
実はボクもブルーディングし易い傾向にありました。でも対処法がいくつかあります。
・別のことで気をそらす
・身体を動かす
・自然に触れる
・マインドフルネス瞑想に取り組む
・原因から距離を置く
・誰かに話を聞いてもらう
端的に言えば「ジッと頭を抱えて考える状態から離れる」と言うことです。
ボクがよくやることなのですが、例えば勉強会やセミナー、講演会の講師をする時、スライドや配布資料を作成します。もちろん、話の流れに沿って作っていくわけですが、作り込めば作り込むほど「こっちが見やすいかな?」「この言葉の言い回しはどうかな」と不安になって、何度も何度も書き換えたり作り直したり(汗)
ボクは、それを止める方法として、そんな思考や行動に陥っていると気づいた時点で、パソコンの電源を落とします。そして「明日の朝までデータを開かない」と決めて他ごとをするようにします。
例えば家事をしたりシャワーを浴びたりTVを見たり映画を見たり。
時には外出して買い物に行ったり、カフェでのんびりしたり。
いわゆる『行動療法』的な手法を用いるのですが、これが案外、効果的で(笑)翌朝、もう一度見直してみると、思いもよらないアイディアが浮かんだりして、ブラッシュアップできることもしばしば。
それともう一つ。
人間は「考えないようにしよう」とすればするほど「それを考えてしまう生き物」なのです。
有名な例えですが、例えば「これから30秒間、バナナの事考えないで下さい」と言われて、一瞬たりともバナナの事を考えない人はいません。「考えてはいけない」と考えれば考えるほど、考えてしまう(笑)もうパラドクス(笑)
人間は考える動物です。
しかし、「考え方」や「考え過ぎ」に注意が必要とも言えるでしょう。
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