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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年2月13日火曜日

あなたは世界を全て色眼鏡で見ている…認知バイアスとは?

人間は色々な物事を捉える時、また何かを判断する時と言うのは、絶対に主観的ですよね。それは誰しも同じです。しかも、同じ景色を見ていたとしても十人十色で、おそらく誰一人として同じ様に受け止めているわけではありません。

『認知』と言うのは、簡単に言うと『外からの刺激に対してどの様に解釈しそれを受け止めるか』と言う事です。

『バイアス』と言うのは『偏り』と言う意味で、元々は統計学などの数学で用いられる用語でした。

今回、話題にする『認知バイアス』と言うのは、平たく言えば『思い込み』と捉えて頂き、ご自身の中にある意思決定をするために必要な判断基準・考え方、と受け止めて考えて頂ければと思います。


皆さんはこれまで、後から考えるとバカな選択をしてしまったと思ったことはあありますか?人間は非合理的な生き物です。どんな人にも、自分勝手な思い込みがある。

繰り返しになりますが、あなたが考える「世界」は完全に主観的であって、自分の中にある「認知バイアス」の影響を色濃く受けています。これは、1972年、心理学者のエイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンが「認知バイアス」という概念を提唱した事から始まります。

認知バイアスとは、合理的な判断の妨げになるような過去の経験、直感、思い込みなどをさします。実はこの『認知バイアス』106種類とも154種類ともあると言われているんです!!



この様に沢山ある認知バイアスの中でも、比較的、みなさんが普段取り入れているような代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。


ハロー効果
ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のことです。例えば、清潔感のあるイケメンは信頼できると感じてしまったり、“〇〇大学教授”のように肩書だけで、その人はとても立派な人間だと判断してしまったり。

ちなみにこの『ハロー』とは“hello”ではなく“halo”ので、聖人の頭上に描かれる光輪のことです。



自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知バイアスのことです。時に人間は、自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまって、都合の悪い情報を無視したり「前例がない」「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどしてしまい、逃げ遅れの原因となります。別名「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言います。

「正常性」とつくので、何だか「良い認知バイアスかな」と思ってしまいますよね。そう思ってしまうのがまさに「認知バイアス」ですよ(笑)


自分の知っていることは、他の人も知っていると思い込んでしまい、そのことについてあまり知らない人の立場を理解することができなくなってしまう認知バイアスのことです。一部の著者によって専門知識の呪いとも呼ばれています。

ビジネスの場において、同じ業界の人間なら「(自分はこの事を)知っているから相手もしっている」と思い込んでしまうことです。


証拠や根拠のない事柄に関する公表物が、頻繁に引用されることにより、個人、団体、または社会一般において、証拠たり得ると誤解される現象のことです。この効果により、事実ではないことが都市伝説やファクトイドとなります。

例えば「夜中に口笛を吹くと幽霊が来る」とか「スイカと天ぷらの食べ合わせは体を壊す」とか。



認知バイアスを調べれば調べるほど、「ああ!そうそう!」とか「これもそうなのか~」と非常に興味深いことが分かります。

ボク自身の事に置き換えますと、ボクは自分のセクシャリティや障害に関して様々な機会で開示しています。公式サイト上でもそうですが、それがいつの間にか「ゲイ専門の心理カウンセラー」とか「マイノリティしか相手にしないカウンセラー」の様な印象を持たれるかもしれませんが、それは全くの誤解です。アナタの『認知バイアス』ですよ(笑)だって、そんな事、どこにも書いてありません。よーく読んでみて下さい。



人はいろんな物事を捉える時、知らず知らずのうちに「自分の都合の良い受け止め方」をしてしまいます。それはいろんな意味で落とし穴があります。一歩引いて、事実を客観的に、俯瞰的に見られるようになると、また、別の受け止め方ができるかもしれません。

2024年2月9日金曜日

自分で自分が信じられない…インポスター症候群!

 人はとかく、日本人は尚更「遠慮の美学」がありますよね。あと自分の功績を誇示しないとか「一歩引く文化」というものが根強いと思います。何かを成し遂げた時、周囲から「あなたは本当にすごい人だ!」「素晴らしい業績をなし得た素晴らしい人だ!」と称賛されても、日本人は「いえいえ。そんなことはございません」と言います。

内心はどうであれ(笑)

ただ、時に本心から「そんな大したことはしたとは思っていない」とか「周りの人は自分を騙して本心から称賛していない」と懐疑的な気持ちになることがあるそうです。

それが『インポスター症候群』と呼ばれます。


インポスター症候群とは…(公益財団法人 日本女性学習財団より一部引用)
他人からの高い評価に対して、「そんな能力はない」「運がよかっただけ」「本当は能力がないと見破られてしまう」などと否定的にとらえる状況をさします。1978年、臨床心理学者のPauline Rose ClanceとSuzanne Imesが「学問的・専門的分野において客観的に成功しているという証拠があるにもかかわらず、本人は虚偽感や無価値観を抱き、知的な面で他者を欺いていると感じる内的経験」を定義したことからきています。

別名「詐欺師症候群」「ペテン師症候群」とも呼ばれます。

端的に言えば「自己評価が極端に低く変化(特に成功すること)に対して恐怖心を感じている」とも言えます。

ではなぜ、その様な感覚に陥ってしまうのでしょう。



まずは下の図をみて下さい。


左はインポスター症候群の人の知識量に関する捉え方。右はそうでない人。

インポスター症候群の人は「他人は自分より秀でている」または「自分は他人より劣っている」と捉えるので、周囲の他人を過大評価します。しかし人間の知識というのは、人それぞれに知っている分野や範囲というのは大小様々で、自分が知っていることと他人が知っていることはオーバーラップしている部分もあればそうでない部分もるはずですよね。

つまりインポスター症候群ではない人は『優劣』で捉えるのではなく『十人十色』で捉えています。けれどインポスター症候群の人はそれができない。

『症候群』と言う名前がついているので、“あたかも病気”の様な受け止め方をされるかもしれませんが『症候群』というのは、あくまで『その様な考え方をしがちな人たちの集団』程度に受け止めていただいたほうが良いかと思います。

大なり小なり、人はその様に考えがちです。



では、どの様な人がインポスター症候群に陥りやすいのでしょうか。




外的要因として…
・成功・優秀・天才、などと必要以上に期待されてプレッシャーを与えられた。
・チャレンジする環境がない、失敗した経験がない。
・学校で成功するように圧力をかけられた。
・家庭で兄弟や姉妹と比較して優秀・劣悪を強調された。
・周囲から優秀・天才と扱われ過度に期待された。
・過度に制御されて自由がない環境。
・完全に失敗しない過保護な環境。

内的要因として…
・完璧主義
・専門家気質
・責任感が強い
・他人本位


こうやってその要因を列挙してみると何となく見えてきませんか?「失敗することへの勇気の欠如」「自分の喜びより他人からの評価」そんなことがキーワードになってきそうですよね。

また、『内的要因』を見てみると適応障害やうつ病に罹りやすい気質とも一致します。

という事はですよ、対処法も何となく見えてきませんか?



・現在に集中して、未来を心配しすぎない。
・自分にも他人にも完璧を求めない。
・自分より優秀だと思う人の中に身を置く。
・褒められたら否定せず受け止める。
・小さな目標を立てて達成したら自分をしっかり褒める。

このような事を実行するためには、やっぱりある程度のトレーニングが必要だと思います。と言うのも、インポスター症候群も、ある意味『自分自身の認知の歪み』が原因なんですよね。

もし、専門的に取り組みたいのであれば『認知行動療法』をオススメします。

2024年2月8日木曜日

楽観的に生きるって?!防衛的悲観主義・戦略的(方略的)楽観主義

 ボクは基本、ネガティブシンキングで生きてきました(笑)ホントに。何か自分の身に降りかかる出来事があると、その後のことを予測するのですが、大体の場合『最悪の事態しか』想像できませんでした。

もう、これって、異常ですよ(笑)ホントに。

それが行き過ぎると

「人生終わりだ」
「もう誰からも信頼されない」
「生きていてもしょうがない」
「もう二度とごめんだ」

と言う、極論に行き着いてしまいますので、ネガティブシンキングも考えものです。


でもね…ネガティブシンキングが身に染み付いてしまっている人に「もっと気楽に考えなよ!」とか「そんなの考えすぎだよ」とか言われても「ソレができていたら苦労はしない!!!」と声を大にして言いたい(笑)

だって、そうでしょ?ネガティブシンキングって、ある意味、これまで生きてきて身につけてきた〚LifeHack〛みたいなものだから。それが正しいと思って生きてきたわけだし。

しかし、やっぱりそれはメンタルヘルス上、あまりよろしくないのも事実。じゃあ、心理学的にどんなことが言われているのか、少し紹介したいと思います。


上の図を御覧ください。
横軸に「悲観的⇔楽観的」縦軸に「過去のパフォーマンスが高い⇔低い」を示しています。


一般的悲観主義…
いわゆる「悲観主義」です。ある行動を起こしそのパフォーマンスが悪く、将来的にも同じ様なことが起こるだろう、と言う「真の悲観主義」とも言われています。ボクの言うネガティブシンキングも、この部類でしょうし、みなさんもどんな思考パターンか、容易に想像できるでしょう。

非現実的楽観主義…
これこそ真の「楽天主義」でしょうか(笑)。過去のパフォーマンスが悪かったにも関わらず、将来における希望は楽観的なわけですので「根拠のない自信」と言い換えても良いかもしれません。

防衛的悲観主義
過去のパフォーマンスが高いけれど将来への不安が強い、と言うことは「自分自身のパフォーマンスに対しての期待値は低くて、そのために将来へのあらゆる想定できる対策を取る」と言う思考パターンです。「備えあれば憂いなし」といったところでしょうか。

戦略的楽観主義
過去のパフォーマンスが高く、将来のパフォーマンスに対しても期待値を高く見積もっているので、将来に対する準備は最低限にする、と言う思考パターンです。「案ずるより産むが易し」といったところでしょうか。


悲観主義・楽観主義の思考パターンはこの4つに分類されると言われています。

ただし、前述の二つ『一般的悲観主義』『非現実的楽観主義』はよいパフォーマンスを産みません。感覚的に分かりますよね?その理由は。両者はともに過去のパフォーマンスが低い、と言う事実があります。つまり『失敗した事実がある』と言うことなのですが、それが『悲観主義』になると過度な緊張や気分の萎縮など、更にパフォーマンスを落とす原因になります。また、『楽観主義』になると、過去の失敗があるにも関わらず、それに対して何も対処しなかったり、方策を練らなかったりするわけですから、当然、悪いパフォーマンスになるのは見え見えです。


では後者の二つはどうでしょうか。

実は、心理実験において、防衛的悲観主義も戦略的楽観主義も、将来的なパフォーマンスの低下は起こらない、とされています。つまり、過去に成功体験があれば、将来のことを悲観的に考えても楽観的に考えても、同じくらいの高さのパフォーマンスが得られる、とう言うことなのです!



さあ、ここで考えなければならないのは、「過去に成功体験があれば」と言うことがキーになることがお分かりですね?

つまり同じ様な経験、同じ様な出来事に対してはこの理論が適応されるのです。

じゃあ初めての経験や体験は?と言うと…これは人間誰しも、「未知のものに対する恐怖心」と言うものがあります。これは「生物としての本能」なので抑えることはできません。

諦めて下さい(笑)


未知のものに対する恐怖心や不安感への対処法については、機会を改めて設けるとして、今まで経験してきたことを振り返った時に、まずは、ネガティブな側面だけでなくポジティブな側面も含めて全体を、キチンと客観的に捉える、と言う思考過程が必要になってくると思います。「良い」「悪い」と言う判断も必要かもしれませんが、「何がどの様に良い」「何がどうして悪い」その部分に着目することで、「感情・気分」の部分で変化があると思います。



楽観的・悲観的というのは、ある種、生まれ持った気質みたいなものもありますが、考えようと言うか受け止め方次第のところもあるんですよね。

ちょっとご自身を振り返ってみて、思考過程を見直してみて下さい。


2024年2月7日水曜日

大人の発達障害とは?グレーゾーンとは?

 近年、本当に多くなりましたよね。『発達障害』または『大人の発達障害』と言う言葉を耳にする機会が。

ボクが子供の頃(約40年近く前の話です)発達障害という言葉はそれほどメジャーではありませんでした。いわゆる『知恵遅れ』と言う障害はあったし「知的障害」と言う言い方も何となく記憶しているのですが、『発達障害』と言う言葉は聞いたことがなかったような気がします。



また、理学療法の養成校時代『発達障害』と言うと、運動機能メインの話で、いわゆる『正常発達』から逸脱した身体機能的な障害を『発達障害』と言っていたと思います。



今、話題になっているのは『“精神の”発達障害』ですよね。どんなものがあるのか、今一度、整理してみましょう。



自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害(自閉症スペクトラム):ASD

幼少期より認められる、人との相互的なコミュニケーションに困難があったり、興味が特定のことに極端に偏っていていたり、こだわりが強く、変更がきかない、感覚の過敏さがあるなどで診断されます。幼児期には、目と目が合わない、指さしをしない、微笑みかけても微笑みかえさない、あとおいがみられない、人見知りがない、同世代のほかの子どもに関心をしめさない、言葉の発達が遅い、こだわりが強くて自分の決まりを変更させようとするとかんしゃくを起こすといった様子がみられます。保育所や幼稚園に入り、一人遊びが多い、集団活動に入れない、分離が難しい、友達と交流しないことなどで気づかれることもあります。(中略)就職してから仕事が臨機応変にこなせないことや対人関係などに悩み、家庭生活や子育ての悩みを抱え、病院を訪れる人もいます。不安やうつなどの精神的不調を伴うこともあります。また。成人期になってから日常生活、家庭、職場などで困難を抱え、精神的な不調を伴い支援を必要とすることもあります。

注意欠如・多動症:ADHD

12歳以前から、発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があり、そのことによって家庭、学校、職場などの複数の場面で困難がある場合に診断されます。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。(中略)大人になると、計画的に物事を進められない、そわそわとして落ち着かない、他のことを考えてしまう、感情のコントロールが難しいなどといったことが見られます。子どもの時に比べて、大人になると、落ち着きのなさなどの多動性-衝動性は軽減することが多く、そのため多くの困難を経験していても、その症状は目立ちにくくなります。また、不安や気分の落ち込みや気分の波などの精神的な不調を伴うことも少なくありません。


限局性学習症・学習障害:LD

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の学習のみに困難が認められる状態をいいます。字を書こうとしても、およその形しか思い出せなかったり、偏が書けても旁が書けない、一本多かったり少なかったりする、書字に関わる動作としての記憶ができず、正しく書き順で書けない、形態的に似ているかなや漢字の誤りが多いなどの特徴があります。 算数障害では、数の大小や順序などがわからない。簡単な計算ができなかったり、繰り上がり、繰り下がりができない。(後略)


診断名としては上記に示した通り、色々とあるのですが、実は、専門医でもその区別は難しいと言います。
それぞれの障害に濃淡があり、また、医療機関を訪れるときというのは、その発達障害の症状よりも、発達障害が原因で学校や職場でのストレスなどの影響による適応障害や抑うつ症状などがメインであることもよくある話。

そして、学校や職場での様子、子供の頃の生活状況などを紐解いていくうちに、実は発達障害だった、と言うケースは良く聞きます。

一方で、『発達障害の子供が増えた』と言う認識をされる方もいいかと思います。
これは、昭和大学附属烏山病院院長の岩波 明氏もあるインタビューで答えていたのですが、「発達障害の発生割合は以前も今もさほど変わらない。ただ、認知数が増えている」と述べています。

ボクもその意見に賛成です。

診断方法や診断名がある程度、確立してきている今だからこそ、認知され一般化されるようになったため、『増えたように思える』だけだと思います。

それともう一つ。同氏がおっしゃられているのですが、『グレーゾーンはあるかないか』と言う問いに対する答えです。それは『ない』とのこと。
確かに、発達障害の中でもどの障害か、と言う判断は非常に難しく、オーバーラップしている部分もあるため、そう言う意味では診断は難しいのですが、『白と黒の中間はない』と思います。

つまり『発達障害かそうでないか』この二つだけだと思います。

医療における『診断』とは言い換えると『病名をつけること』であって、その病名をつけるために医師は、様々な検査をするわけです。

それは発達障害も同じ。

例外的に言いますと、まだ、キチンと検査が行われる前で、でもお薬を処方したりするために「〇〇の疑い」みたいな診断名を書くことがありますが、それはあくまでも確定診断するまでの間の話し。



発達障害は原因は分かっていません。またキチンとした治療法が確立されているわけでもありません。ですので、診断され障害名が分かっても「じゃあどうするの?」と言う話になります。

先にも述べました通り、発達障害は色々ありますが、その区別は非常に難しい。難しいので「まずは、その人その人の特性をよく理解する」事から始まります。その特性を把握し理解した上で、周囲の人々や環境をどの様に設定するのか、と言うことと、発達障害と診断された本人が、どの様に気を付けて生活していくか、そう言う『LifeHack(仕事や日常生活で役立つ、ちょっとしたアイデアやテクニックのこと)』を身に着けていくことが重要となります。



今回は、発達障害についての入門編をお伝えしました。
もし、周りにそのような方がおられたりしたら、あなたご自身ができうる限りの配慮と協力をしてみて下さい。「ちょっと変わっている人」「なんだか反応の薄い人」と遠巻きにせず、当事者の方との触れ合いの中で生まれる『繋がり』を感じられるようになれば、きっとお互いにとって、彩りある人生にしてくれるとボクは思っています。

2024年2月5日月曜日

グルグルグルグル グルグルグル ドッカァーン!!

 この言葉を書くと、どうしても「篠原ともえ」さんを思い出すんです(笑)。

今の若い方は、「篠原ともえ」さんというと、デザイナーとかアートディレクターとか、そんなイメージかも知れませんが、彼女、ずっと前は「天然キャラアイドル」だったんですよ(笑)想像できないかもしれませんが。




今回は、篠原ともえさんのお話ではありません(笑)


人は悩んでいる時、知らず知らずのうちに「ぐるぐる思考」になっていることがよくあります。「あ~でもないこ~でもない」「あ~すればこ~すれば」⇒グルグルグルグル

そのうちドッカーン!となりますね。

これを『反芻(はんすう)思考』と言います。

反芻(はんすう)とは…
ウシやキリンなど一部の動物にみられる、胃に入った食べ物をもう一度口に戻す行為を指す言葉で、ぐるぐる思考が反芻思考と呼ばれる由来となっています。ぐるぐる思考の例として、「あのとき、もう少し言い方を変えればよかった」など、過去の発言を後悔することなどがあげられます。

思考するのは悪いことではありませんが、何度もネガティブなことを考えすぎると、不安感が高まり、次第に気分が落ち込みやすくなってしまいます。

気分の落ち込みが続くと、心身の健康を崩す原因にもつながりかねないため、適切に対処することが大切です。


実はこの『グルグル思考』2種類あると言われています。


リフレクション

「リフレクション(Reflection)」とは、ネガティブな思考がよぎったときに、失敗の原因は何なのかを考える思考方法のことです。原因を分析する方法のため、ぐるぐる思考のなかでもポジティブな側面から自分を振り返ることができます。また、未来に向けて対策を検討できるようになるため、同じ失敗を繰り返さないための工夫にもなります。


ブルーディング

まさにこれが『グルグル思考』の真骨頂(笑)

「ブルーディング(Brooding)」とは、ネガティブな思考がよぎったときに、自分の性質や環境が悪いと考えることです。たとえば、「自分が成功できないのは周りのせいだ」「自分が失敗するのはなんの能力もないからだ」というふうに考える例があげられます。ブルーディングは、ぐるぐる思考のなかでも、ネガティブな側面に注目しがちな思考方法です。理不尽な感情や不満感が募りやすくなる考え方のため、精神面での不調が出やすくなります。


いわゆる「あ~でもないこ~でもない」と考えてしまい、その答えを得ることができず、思考が止まらなくなることです。

多かれ少なかれ、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?

ブルーディングしてしまう人というはうつ病傾向の強い人と言われていて、以下のような性格の人が陥りやすいと言われています。
・繊細なところがある
・一人で抱え込んでしまうことが多い。
・完璧主義である。

ドキッとしたあなた、そこのアナタですよ!


実はボクもブルーディングし易い傾向にありました。でも対処法がいくつかあります。

・別のことで気をそらす
・身体を動かす
・自然に触れる
・マインドフルネス瞑想に取り組む
・原因から距離を置く
・誰かに話を聞いてもらう

端的に言えば「ジッと頭を抱えて考える状態から離れる」と言うことです。


ボクがよくやることなのですが、例えば勉強会やセミナー、講演会の講師をする時、スライドや配布資料を作成します。もちろん、話の流れに沿って作っていくわけですが、作り込めば作り込むほど「こっちが見やすいかな?」「この言葉の言い回しはどうかな」と不安になって、何度も何度も書き換えたり作り直したり(汗)

ボクは、それを止める方法として、そんな思考や行動に陥っていると気づいた時点で、パソコンの電源を落とします。そして「明日の朝までデータを開かない」と決めて他ごとをするようにします。

例えば家事をしたりシャワーを浴びたりTVを見たり映画を見たり。
時には外出して買い物に行ったり、カフェでのんびりしたり。

いわゆる『行動療法』的な手法を用いるのですが、これが案外、効果的で(笑)翌朝、もう一度見直してみると、思いもよらないアイディアが浮かんだりして、ブラッシュアップできることもしばしば。


それともう一つ。

人間は「考えないようにしよう」とすればするほど「それを考えてしまう生き物」なのです。

有名な例えですが、例えば「これから30秒間、バナナの事考えないで下さい」と言われて、一瞬たりともバナナの事を考えない人はいません。「考えてはいけない」と考えれば考えるほど、考えてしまう(笑)もうパラドクス(笑)



人間は考える動物です。

しかし、「考え方」や「考え過ぎ」に注意が必要とも言えるでしょう。

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