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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年2月15日木曜日

万病の元!!その②「0か100思考」

 メンタルヘルス上、あまりよろしくない性格・性質の第2段。『0か100思考』

いいや~これ、ボクもやってました(笑)「有りか無しか!!」とか「白か黒か!」みたいな思考。もちろん、こういう思考自体がダメ、と言う話ではなくて、「0と100の間を考える」とか「白と黒の間のグレーを考えてみる」とか、そう言うお話です。



『二分割思考』『白黒思考』『全か無思考』『二極化思考』とも呼ばれ、物事を白か黒かと二分して捉える思考のことですが、思い当たる人も多いのでは?

では、なぜ「0か100思考」が良くないのか。一つずつご説明しましょう。


①思考が単調になり、発想力が乏しくなる

自分自身の中での判断基準が「白か黒」の二つしかないため、思考が単純で発想力が低下します。そしてその判断基準を自分で疑ってみたり、他の可能性を考えてみたりと言う事をしなくなってしまい、自分の基準で物事が上手く行かなくなった時に、窮地に立たされます。

今まで、自分の基準を疑ったり他の可能性を考えることをしてこなかったため、「想定外」の事態が発生すると、身動きが取れなくなってしまうんですよね。


②人間関係のトラブルが起こりやすくなる

優劣や善悪をはっきりさせようとするため、争いや恨み、妬みといったマイナスの感情をもちやすくなります。同様に周りの人を好きか嫌いかだけで区別することにも繋がります。

例えば仕事上で何らかのトラブルになった時、一方的にどちらかが“悪い”ことというのは、非常に稀なことですよね。しかし「相手が悪いのか自分が悪いのか決着をつける!」みたいな発想であったり、「あの人は言い方がキツいけど優しい人」の様な人物を評価するときにも多側面から見ることができないため、孤立したり敵を多く作ってしまったりする可能性も高くなってしまいます。


③曖昧な状況での意思決定ができない

『0か100思考』の人というのは、言い換えると『曖昧さを嫌う』傾向にあります。曖昧さを嫌うということは、未知の物事に対して「とにかくやってみよう!」とか「とりあえずココまでやったのだから後は出たとこ勝負!」みたいな感覚を非常に避けてしまいます。

例えば、成功事例をとことん探したりその道筋に沿ったマニュアルを探してしまったりして、「成功する」と言う『確実性』を追求してしまします。

そのためそもそも自分の知らない世界や環境に飛び込んでいく、そしてその時その時に応じて対処していく事を、極力避けてしまう、と言う傾向が強く出てしまいます。


実はこの『0か100思考』というのは『完璧主義』から生まれるものだと言われています。

前回のblog「万病の元!!その①「完璧主義」」でも『完璧主義がもたらす負の影響』と言うことでいくつか挙げていますが、『完璧主義』から生まれる『0か100思考』も、まったく同じ様な傾向があります。


では、これをどうすればよいか。

ボクよく心理カウンセリングを担当させて頂くクライエントによく言うことなのですが「考え方の癖とか認知の歪みというのは、アナタが長年培って出来上がったもの。すぐには変わらないし、変えられないです」とお伝えするんです。しかし、心理カウンセリングでこの様なテーマで自分自身の生活や考え方を振り返った時に、「あの時はあんな風ふ受け止めていた」とか「どうしてあんな事を考えたのだろう」と客観的に考えられるようになると、徐々に自分自身に気付きがえられ、行動変容を起こしていきます。

これからお伝えするととは、「心がけること」として書きますが、正直、それを意識した“だけ”で変わるとは思えません(笑)そんな方は是非、ボクの心理カウンセリングを受けていただきたいと思います。


①失敗を受け入れる

失敗は学びへのチャンスです。これは心構えとして「失敗を避ける努力」ではなく「失敗を受け入れる努力」をするべきだと思います。また、行動を起こす時、恐れを抱いたままでは、100%の実力を出し切ることもできません。


②最低限だけできればいい

「今、自分ができることの最大限」を探すのではなく「今、自分ができることの最低限」を、まずは探してみる、と言うことです。そこから徐々に「最大限」を見つければよいのであって、最初から「自分の最大限」を探そうとすると、早く挫折し、また次、挑戦しよう!と言う気持ちの切り替えも難しくなります。


③そもそも自分の基準は正しいのか、疑ってみる

白黒の線引を決めている、自分の中の価値基準をまずは疑ってみることです。そのためにできることとしたら、様々な人と話しをする、話しを聞く、と言う事です。「自分はこう思うんだけど〇〇さんはどう考える?」「あの人って〇〇だと思うんだけど、あなたはどんなふうに感じる?」など。自分とは違う価値基準の人の考え方を聴いたり、また意見交換するだけでも「目からウロコ」って事もよくある話し。


④自分の基準のルーツを探る

これはちょっと難易度が高い(笑)それこそ、これは心理カウンセラーと共に行うと良いかと思います。基準のルーツって、実は幼少期の親からのしつけだったり家庭環境から受ける影響も大きくて、もちろん、少年から青年、成人へと成長するにつれ様々な人と交流していくことで変わっていくものでもありますが、実は幼少期に身に着けてしまった考え方を、より強固にしてしまう可能性も高くあります。自分の基準のルーツを探ると言う事は、ちょっと精神的にしんどい事もあります。思い出したくないこと、忘れてしまっていたことなどを想起するため、かなり心のエネルギーを使います。

なおさら心理カウンセラーと共に「自分のルーツ探し」をするほうがより安全に、より効果的にできるとボクは思っています。

今回のシリーズは、「万病の元!!」と書いていますが、この様な思考や性格を続けていると、社会生活に疲れ、悩み、心の病の原因になりかねないと思い、ちょっと強い口調で表現しています。

もし、ご自身で少しでも自覚があるのであれば、本当にダウンしてニッチモサッチもいかなくなる前に、心理カウンセラーの門を叩いてみることをオススメします。

2024年2月14日水曜日

万病の元!!その①「完璧主義」

 メンタルヘルス上、好ましくない性格や性質について語られる時、大体、以下の3つは挙げられることが多いですよね。

完璧主義
0か100思考
他人軸

今回から3回に分けてこの様なメンタルヘルス上、よろしくない(笑)性格や性質について解説し、どうしたらそれらから脱出できるのか、ボクのちょー持論を展開したいと思います。

今回は「完璧主義」についてお伝えしますね。


①完璧主義が生産効率にもたらす負の影響

・失敗に対する恐れからストレスが過剰になりすぎて疲弊しやすい。
・他者からのフィードバックを受ける機会を損失させ結果的に作業が達成できない。
・自分のこだわりを周囲に押しつけて、周りの人々も疲弊させやすい面がある。
・目標が高過ぎて、結局達成ができず、燃え尽きてしまう可能性がある。
・完璧を求めるあまり、作業が長期化しやすい。

などが挙げられると言われています。

いや~分かりますよね(笑)ボクも以前はかなりの完璧主義だったので。例えば、他部署とチームを組んでプロジェクトを始めたとします。そうすると、そのミーティングの場で「ボクの部署はこういう役割だから、〇〇についての資料を作って、あれもフォローして…もしかしたら他の部署の人達は✕✕について知らないかもしれないからこの資料も用意して…」とか何とか考えだしたら、もう、ものすごい作業量(笑)

それで作業量が多くて作業時間も長くなることは分かっているから、まあ、人よりかは作業に取り掛かるタイミングは早かったと思う。

だから最終的に未完成、と言うことはなかったけど、どれだけ準備しても準備しても安心できない、満足できないと言う精神的ストレスは大きかったかな(笑)

ある時、同僚に「トライ・アンド・エラー(try & error)でいいじゃん」って言われて、ハッとしたこともあったっけ。


じゃあどうする?


②「遅いベスト」よりも「早いベター」を

これはどんな仕事を誰に対してするのか、と言う問題にも関わることなのですが、もし同じ社内、同じチーム内での話であれば、自分自身が提供できる知識やデータには限界があります。最終的にはミーティングや打ち合わせをしてブラッシュアップしていくものであれば『そこそこの物で良い』ぐらいの感覚で取り組んで、ミーティングや打ち合わせの席で完成させたり、また次回への課題として持ち帰って、そこからまた着手すれば良い。それくらいで良いのかな、と。

自分一人の頭で考えれることや、自分ひとりの体でできる作業なんて、たかが知れています…よ。


③「ホウレンソウ」で仕上げる

「ホウレンソウ」懐かしいですよね(笑)。社会人ならば、新入職員になった時にまずは教えられる言葉、求められる行動ですよね。「報告・連絡・相談」のことです。ボク自身は完璧主義なんだけど、職場の後輩に何か課題を出した時にこの「ホウレンソウ」を伝えていました。けれど、どのタイミングで相談してくればよいのか、迷う人もいました。ですのでボクは3つの事をお伝えしていました

「迷ったり悩んだりしたらまず相談する。その時にもし、もう少し自力で頑張ってほしいと思っているなら、その様にボクが伝える」

「全体の30%・50%・80%くらいの完成度のタイミングで報告する」

「どうしても行き詰まった時は、何がどう行き詰まっているのかを明らかにして相談に来る」

もちろん最初に、大体のタイムスケジュールを決めてから取り掛かってもらうのですが、それプラス上記の様な話しをお伝えしていたと思います。


④実はいちばん大切なのは「リカバリー能力・レジリエンス能力」

完璧に何かを仕上げて、非の打ち所のない仕事をしていたとしても、一番怖いのは「想定外」です。自分自身では「完璧」と思い込んでいても、人間のすることですから何かしらの欠陥があったり欠落があったりするもの。しかしそれに気付かずに完成としたものに対して、大なり小なりなにか想定外の問題が出てくると思うんです。

その時、どれだけ迅速にかつ的確に対応できるかって、かなり重要なことだと思うんですよね。自分では「完璧」だと思っているわけだし。

しかも、今まで「完璧」に仕上げた仕事に対して大きなトラブルに見舞われていないとすると、尚更「リカバリー能力」というのは低いまま、来ているわけだし。

だから多少の穴があるくらいの出来栄えで、その都度リカバリーする事に対して恐怖心を捨て、その経験の数をこなす事で、その能力が上がっていくんではないのかな、と思っています。

完璧主義のボクからみたら、おそらく④が一番大切なことだと思う。

もちろん、作業時間を短縮させたり燃え尽きを防いだりって大事なことだとは思うけど、咄嗟の対応力やリカバリー能力が低下するって、ホントに困る。

まあ、ボクが元々医療従事者だから、突発的なできごとの繰り返しだから、それにいちいちビクビクしていたらやってられないって言うのもあるけど、ボクはビクビクしていた(笑)とても。20年以上、理学療法士やってて、何だかいつも緊張感に溢れていて、それに疲れたってのもあるかも…

もちろんそこで「完璧主義」を辞められていれば違ったのかもしれないけど…さ。


ま、何にせよ、完璧主義は万病の元ですよ~

2024年2月13日火曜日

あなたは世界を全て色眼鏡で見ている…認知バイアスとは?

人間は色々な物事を捉える時、また何かを判断する時と言うのは、絶対に主観的ですよね。それは誰しも同じです。しかも、同じ景色を見ていたとしても十人十色で、おそらく誰一人として同じ様に受け止めているわけではありません。

『認知』と言うのは、簡単に言うと『外からの刺激に対してどの様に解釈しそれを受け止めるか』と言う事です。

『バイアス』と言うのは『偏り』と言う意味で、元々は統計学などの数学で用いられる用語でした。

今回、話題にする『認知バイアス』と言うのは、平たく言えば『思い込み』と捉えて頂き、ご自身の中にある意思決定をするために必要な判断基準・考え方、と受け止めて考えて頂ければと思います。


皆さんはこれまで、後から考えるとバカな選択をしてしまったと思ったことはあありますか?人間は非合理的な生き物です。どんな人にも、自分勝手な思い込みがある。

繰り返しになりますが、あなたが考える「世界」は完全に主観的であって、自分の中にある「認知バイアス」の影響を色濃く受けています。これは、1972年、心理学者のエイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンが「認知バイアス」という概念を提唱した事から始まります。

認知バイアスとは、合理的な判断の妨げになるような過去の経験、直感、思い込みなどをさします。実はこの『認知バイアス』106種類とも154種類ともあると言われているんです!!



この様に沢山ある認知バイアスの中でも、比較的、みなさんが普段取り入れているような代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。


ハロー効果
ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のことです。例えば、清潔感のあるイケメンは信頼できると感じてしまったり、“〇〇大学教授”のように肩書だけで、その人はとても立派な人間だと判断してしまったり。

ちなみにこの『ハロー』とは“hello”ではなく“halo”ので、聖人の頭上に描かれる光輪のことです。



自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知バイアスのことです。時に人間は、自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまって、都合の悪い情報を無視したり「前例がない」「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどしてしまい、逃げ遅れの原因となります。別名「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言います。

「正常性」とつくので、何だか「良い認知バイアスかな」と思ってしまいますよね。そう思ってしまうのがまさに「認知バイアス」ですよ(笑)


自分の知っていることは、他の人も知っていると思い込んでしまい、そのことについてあまり知らない人の立場を理解することができなくなってしまう認知バイアスのことです。一部の著者によって専門知識の呪いとも呼ばれています。

ビジネスの場において、同じ業界の人間なら「(自分はこの事を)知っているから相手もしっている」と思い込んでしまうことです。


証拠や根拠のない事柄に関する公表物が、頻繁に引用されることにより、個人、団体、または社会一般において、証拠たり得ると誤解される現象のことです。この効果により、事実ではないことが都市伝説やファクトイドとなります。

例えば「夜中に口笛を吹くと幽霊が来る」とか「スイカと天ぷらの食べ合わせは体を壊す」とか。



認知バイアスを調べれば調べるほど、「ああ!そうそう!」とか「これもそうなのか~」と非常に興味深いことが分かります。

ボク自身の事に置き換えますと、ボクは自分のセクシャリティや障害に関して様々な機会で開示しています。公式サイト上でもそうですが、それがいつの間にか「ゲイ専門の心理カウンセラー」とか「マイノリティしか相手にしないカウンセラー」の様な印象を持たれるかもしれませんが、それは全くの誤解です。アナタの『認知バイアス』ですよ(笑)だって、そんな事、どこにも書いてありません。よーく読んでみて下さい。



人はいろんな物事を捉える時、知らず知らずのうちに「自分の都合の良い受け止め方」をしてしまいます。それはいろんな意味で落とし穴があります。一歩引いて、事実を客観的に、俯瞰的に見られるようになると、また、別の受け止め方ができるかもしれません。

2024年2月9日金曜日

自分で自分が信じられない…インポスター症候群!

 人はとかく、日本人は尚更「遠慮の美学」がありますよね。あと自分の功績を誇示しないとか「一歩引く文化」というものが根強いと思います。何かを成し遂げた時、周囲から「あなたは本当にすごい人だ!」「素晴らしい業績をなし得た素晴らしい人だ!」と称賛されても、日本人は「いえいえ。そんなことはございません」と言います。

内心はどうであれ(笑)

ただ、時に本心から「そんな大したことはしたとは思っていない」とか「周りの人は自分を騙して本心から称賛していない」と懐疑的な気持ちになることがあるそうです。

それが『インポスター症候群』と呼ばれます。


インポスター症候群とは…(公益財団法人 日本女性学習財団より一部引用)
他人からの高い評価に対して、「そんな能力はない」「運がよかっただけ」「本当は能力がないと見破られてしまう」などと否定的にとらえる状況をさします。1978年、臨床心理学者のPauline Rose ClanceとSuzanne Imesが「学問的・専門的分野において客観的に成功しているという証拠があるにもかかわらず、本人は虚偽感や無価値観を抱き、知的な面で他者を欺いていると感じる内的経験」を定義したことからきています。

別名「詐欺師症候群」「ペテン師症候群」とも呼ばれます。

端的に言えば「自己評価が極端に低く変化(特に成功すること)に対して恐怖心を感じている」とも言えます。

ではなぜ、その様な感覚に陥ってしまうのでしょう。



まずは下の図をみて下さい。


左はインポスター症候群の人の知識量に関する捉え方。右はそうでない人。

インポスター症候群の人は「他人は自分より秀でている」または「自分は他人より劣っている」と捉えるので、周囲の他人を過大評価します。しかし人間の知識というのは、人それぞれに知っている分野や範囲というのは大小様々で、自分が知っていることと他人が知っていることはオーバーラップしている部分もあればそうでない部分もるはずですよね。

つまりインポスター症候群ではない人は『優劣』で捉えるのではなく『十人十色』で捉えています。けれどインポスター症候群の人はそれができない。

『症候群』と言う名前がついているので、“あたかも病気”の様な受け止め方をされるかもしれませんが『症候群』というのは、あくまで『その様な考え方をしがちな人たちの集団』程度に受け止めていただいたほうが良いかと思います。

大なり小なり、人はその様に考えがちです。



では、どの様な人がインポスター症候群に陥りやすいのでしょうか。




外的要因として…
・成功・優秀・天才、などと必要以上に期待されてプレッシャーを与えられた。
・チャレンジする環境がない、失敗した経験がない。
・学校で成功するように圧力をかけられた。
・家庭で兄弟や姉妹と比較して優秀・劣悪を強調された。
・周囲から優秀・天才と扱われ過度に期待された。
・過度に制御されて自由がない環境。
・完全に失敗しない過保護な環境。

内的要因として…
・完璧主義
・専門家気質
・責任感が強い
・他人本位


こうやってその要因を列挙してみると何となく見えてきませんか?「失敗することへの勇気の欠如」「自分の喜びより他人からの評価」そんなことがキーワードになってきそうですよね。

また、『内的要因』を見てみると適応障害やうつ病に罹りやすい気質とも一致します。

という事はですよ、対処法も何となく見えてきませんか?



・現在に集中して、未来を心配しすぎない。
・自分にも他人にも完璧を求めない。
・自分より優秀だと思う人の中に身を置く。
・褒められたら否定せず受け止める。
・小さな目標を立てて達成したら自分をしっかり褒める。

このような事を実行するためには、やっぱりある程度のトレーニングが必要だと思います。と言うのも、インポスター症候群も、ある意味『自分自身の認知の歪み』が原因なんですよね。

もし、専門的に取り組みたいのであれば『認知行動療法』をオススメします。

2024年2月8日木曜日

楽観的に生きるって?!防衛的悲観主義・戦略的(方略的)楽観主義

 ボクは基本、ネガティブシンキングで生きてきました(笑)ホントに。何か自分の身に降りかかる出来事があると、その後のことを予測するのですが、大体の場合『最悪の事態しか』想像できませんでした。

もう、これって、異常ですよ(笑)ホントに。

それが行き過ぎると

「人生終わりだ」
「もう誰からも信頼されない」
「生きていてもしょうがない」
「もう二度とごめんだ」

と言う、極論に行き着いてしまいますので、ネガティブシンキングも考えものです。


でもね…ネガティブシンキングが身に染み付いてしまっている人に「もっと気楽に考えなよ!」とか「そんなの考えすぎだよ」とか言われても「ソレができていたら苦労はしない!!!」と声を大にして言いたい(笑)

だって、そうでしょ?ネガティブシンキングって、ある意味、これまで生きてきて身につけてきた〚LifeHack〛みたいなものだから。それが正しいと思って生きてきたわけだし。

しかし、やっぱりそれはメンタルヘルス上、あまりよろしくないのも事実。じゃあ、心理学的にどんなことが言われているのか、少し紹介したいと思います。


上の図を御覧ください。
横軸に「悲観的⇔楽観的」縦軸に「過去のパフォーマンスが高い⇔低い」を示しています。


一般的悲観主義…
いわゆる「悲観主義」です。ある行動を起こしそのパフォーマンスが悪く、将来的にも同じ様なことが起こるだろう、と言う「真の悲観主義」とも言われています。ボクの言うネガティブシンキングも、この部類でしょうし、みなさんもどんな思考パターンか、容易に想像できるでしょう。

非現実的楽観主義…
これこそ真の「楽天主義」でしょうか(笑)。過去のパフォーマンスが悪かったにも関わらず、将来における希望は楽観的なわけですので「根拠のない自信」と言い換えても良いかもしれません。

防衛的悲観主義
過去のパフォーマンスが高いけれど将来への不安が強い、と言うことは「自分自身のパフォーマンスに対しての期待値は低くて、そのために将来へのあらゆる想定できる対策を取る」と言う思考パターンです。「備えあれば憂いなし」といったところでしょうか。

戦略的楽観主義
過去のパフォーマンスが高く、将来のパフォーマンスに対しても期待値を高く見積もっているので、将来に対する準備は最低限にする、と言う思考パターンです。「案ずるより産むが易し」といったところでしょうか。


悲観主義・楽観主義の思考パターンはこの4つに分類されると言われています。

ただし、前述の二つ『一般的悲観主義』『非現実的楽観主義』はよいパフォーマンスを産みません。感覚的に分かりますよね?その理由は。両者はともに過去のパフォーマンスが低い、と言う事実があります。つまり『失敗した事実がある』と言うことなのですが、それが『悲観主義』になると過度な緊張や気分の萎縮など、更にパフォーマンスを落とす原因になります。また、『楽観主義』になると、過去の失敗があるにも関わらず、それに対して何も対処しなかったり、方策を練らなかったりするわけですから、当然、悪いパフォーマンスになるのは見え見えです。


では後者の二つはどうでしょうか。

実は、心理実験において、防衛的悲観主義も戦略的楽観主義も、将来的なパフォーマンスの低下は起こらない、とされています。つまり、過去に成功体験があれば、将来のことを悲観的に考えても楽観的に考えても、同じくらいの高さのパフォーマンスが得られる、とう言うことなのです!



さあ、ここで考えなければならないのは、「過去に成功体験があれば」と言うことがキーになることがお分かりですね?

つまり同じ様な経験、同じ様な出来事に対してはこの理論が適応されるのです。

じゃあ初めての経験や体験は?と言うと…これは人間誰しも、「未知のものに対する恐怖心」と言うものがあります。これは「生物としての本能」なので抑えることはできません。

諦めて下さい(笑)


未知のものに対する恐怖心や不安感への対処法については、機会を改めて設けるとして、今まで経験してきたことを振り返った時に、まずは、ネガティブな側面だけでなくポジティブな側面も含めて全体を、キチンと客観的に捉える、と言う思考過程が必要になってくると思います。「良い」「悪い」と言う判断も必要かもしれませんが、「何がどの様に良い」「何がどうして悪い」その部分に着目することで、「感情・気分」の部分で変化があると思います。



楽観的・悲観的というのは、ある種、生まれ持った気質みたいなものもありますが、考えようと言うか受け止め方次第のところもあるんですよね。

ちょっとご自身を振り返ってみて、思考過程を見直してみて下さい。


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