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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極症)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年8月1日木曜日

身体の不調→メンタルの不調②甲状腺機能亢進症

 「内蔵や臓器が原因で起こるメンタルの不調」第2弾です。『甲状腺機能亢進症』と言う疾患があるのですが、日本人の場合、人口1000人あたり0.2~3.2人程度と報告されていて、特に女性に多く、男女比は1:3~5くらいと言われています。年齢は20~30代の若い女性に多い病気です。

ただ、症状が軽度であったり他の病気と間違われたりしてしまって、正確な診断に繋がらなかったケースもあるようで、そのために長年、病気に苦しめられた、と言う方もおられるようです。


甲状腺というのは上の図のような部位に位置していて、甲状腺ホルモンというホルモンを生産、分泌する大切な臓器のうちの一つ。では甲状腺ホルモンにはどんな働きがあるのでしょうか?


・新陳代謝の促進: 体内のエネルギー消費を活発にし、体温を維持する働き。

・成長の発育: 特に、胎児や小児の成長に欠かせないホルモン。

・神経系の発達: 脳の発達や神経系の機能に深く関わっている。

・心拍数や血圧の調節: 心臓の働きを活発にし、血圧を上昇させる働き。


『甲状腺機能亢進症』と言うぐらいですから、甲状腺の機能が過剰に働いてしまう、つまり甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されてしまう病気です。

では、具体的にどの様な病気があるのかと言うと…


・バセドウ病: 自身免疫疾患の一種で、甲状腺を刺激する抗体ができてしまい、過剰にホルモンが分泌される状態。

・甲状腺炎: 甲状腺に炎症が起こり、一時的にホルモンが過剰に分泌される。

・甲状腺腫瘍: 甲状腺に腫瘍ができ、ホルモンを過剰に分泌する場合がある。

・薬剤性: ヨウ素製剤やある種の薬剤が原因となる場合もある。


バセドウ病などは比較的有名で、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

では、甲状腺機能亢進症になるとどの様な症状がでるのか。主な症状を挙げてみますね。


①全身症状:
・動悸、息切れ
・手足の震え
・多汗
・暑がり
・体重減少
・食欲亢進
・下痢
・頻尿
・月経異常

②神経症状:
・イライラ感
・不安感
・不眠
・集中力の低下

③眼症状:
・眼球突出
・まぶしさ
・目のかゆみ


特に③眼症状の眼球突出と言うのは、この病気の特徴としてよく知られています。

そして②神経症状にもあるように、一見すると精神疾患の様な症状を引き起こすことも…冒頭で『症状が軽度であったり他の病気と間違われたりしてしまって、正確な診断に繋がらなかったケースもあるよう』とお伝えした通り、この②神経症状が顕著で他の症状が軽症であったがために、甲状腺機能亢進症であると言う確定診断が遅れてしまった、と言うケースもよく耳にします。

ただ、下の写真の様に眼球突出のように見た目にわかる症状もあるため、そこから病気が見つかった、と言うこともよくあるようです。


また、甲状腺機能亢進症を発症したことを公言している有名人、芸能人の方々もおられますね。

X JapanのYOSHIKIさん


立川志らくさん


絢香さん


愛内里菜さん


中には、この病の発症を期に芸能界を引退された方もおられますが、正確な診断を受け適切な治療を続けていれば、特に恐れる病気ではありません。


先にもお伝えしました通り、精神症状がメインで出現することもあるので、精神科や心療内科での治療があまり功を奏しない様な場合は、一度、甲状腺機能亢進症の様な内蔵臓器の病気を疑ってみるのもいいかと思います。

ここで大切なのは、主治医とのコミュニケーションです。例えば、何らかの精神症状をきっかけに精神科や心療内科などを受診し、服薬などの治療を開始し、ある程度の時間、同じ治療を続けても、あまり大きな効果を感じられなかったり、逆に症状が悪化するような印象を持った時に、ありのままの事実をキチンと主治医に報告・相談できる関係性を作っておくことです。

もちろん、主治医のキャラクタもあるかもしれません。それに医師も人間です。合う合わないもあるかと思いますが、「医師とうまく付き合う方法」を見つけておくことも、治療を行う上で大切なことだと思います。

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