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オンラインカウンセリング「勇者の部屋」の産業カウンセラー勝水のブログです。セクシャルマイノリティ(ゲイ)・身体障害者(HIV陽性者)・精神障害者(双極性障害)の当事者としての目線と、理学療法士・社会福祉士・産業カウンセラーとしての目線で、今まで経験したことや普段考えていることなど、様々な情報発信をしております。

2024年6月25日火曜日

気をつけて欲しい習慣…“逃げ癖”

 よく、うつ病や適応障害になった時、様々な方が「ゆっくり休んで」「何もしなくていい」「むしろなにかすると余計に悪くなる」「辛ければやめれば良い」などなど、とにかく、『自分がしんどいという物事から離れること』がとても大事なことであると、様々な方が言っておられます。

もちろん、ボクもそのご意見に賛成です!

事実、ボクも何度か経験したメンタルダウンの時、「なにかしたくても何もできない」というのが当事者としての気持ちでした。そして時に『トイレに行くことさえままならない』状態だったり『お風呂に入る、シャワーを浴びることすら億劫になる』というのが事実です。

ですので、ホントにピークの時は「何かをしよう」と思えるようになるまで、ひたすらまち続ける…そう、ホントに待つしかない時期もあります。

問題は、そこから脱し始めた頃のお話。


メンタルダウンから回復し、少しずつでもお仕事ができるようになってきた頃、時々、色んな選択に迫られる事があります。

例えば…
朝の目覚めがとても悪く、なかなか起きれない。けれど、まだ準備して家を出れば始業までには間に合う。どうしよう…

とか

例えば…
新しい仕事を任せられるようになったけど、きっと休職する前だったら何でもないような内容の仕事…でも、今の自分には、仕事を完遂することに自信がない。どうしよう…

など。
思い当たる方はおられませんか?

これね、ホントに迷うんですよ。
どこまで頑張れば良いのか、どこまで無理しない方がいいのか、その境界線って実は自分自身でも判断がつかないことも多く、とても悩ましい(笑)

ボクは経験者ですので、そのお気持ち、非常に分かります。


そもそも、嫌なことから逃げるのは悪いことなのでしょうか? 

逃げ癖というと、逃げること自体が悪いことのように思えますが、何らかのストレスを感じたり困難に直面したりすれば、逃げたいと思うのが自然な反応です。

仕事自体が合わないと感じたときは、辞めて方向転換をするのもいい選択です。過度なストレスで、体調に異変が生じる恐れがある場合も、逃げて自分の身を守ることが大切です。

ただ、逃げることが習慣になると、逃げる選択肢しか見えなくなってしまうことがあります。人間関係がうまくいかない、プレッシャーを感じたくないなど、内面的な理由で嫌なことから逃げていると、問題を先送りしているだけで、環境を変えてもまた同じことが起こってしまう可能性もありますので、状況に応じて適切に対応していきたいものですね。


ここで大事なのは『逃げることが習慣になることによる弊害』を言っています。


じゃあ、どういう心理的要因が『逃げ癖』の原因になっているのでしょうか?


①失敗への恐怖心
逃げ癖の原因となる心理に、失敗への恐怖心があります。失敗したことで自分の評価が下がることを恐れる人もいれば、失敗した自分がかっこ悪くて受け入れられない人もいます。「失敗して傷つきたくない」という強い気持ちが不安を引き起こし、その不安から逃げたくなるのです。

②完璧主義
逃げ癖の原因の1つに、完璧主義があります。「完璧でありたいし周りから良く見られたい」という思いが強いと、少しのミスも許せなくなります。そのため、「ちょっとでもうまくいかない可能性があるのならやらない」という選択になるのです。

③「できるだけ楽をしたい」という気持ち
逃げ癖の背景には、「できるだけ楽をしたい」という気持ちがある場合も。問題を解決するには、考える作業が必要なのですが、それが難しくて面倒に感じてしまうのです。手っ取り早く楽をしたいと思った結果、逃げる選択を取ってしまうのです。

④「問題を先延ばしにしたい」という気持ち
逃げ癖の背景には、「問題を先延ばしにしたい」という心理が隠れていることも。嫌なことに直面した時に生じるネガティブな感情を受け入れられないと、目を背けて問題を先延ばしにしようとする場合があります。逃げることで一時的な安心感を手に入れようとするのです。


「これから逃げよう」とする人にとっては、これらの心理が複雑に絡まって、どれか一つの要因だけで「逃げるかどうかが決まる」訳では無いと、ボクは思っています。色々な原因が濃淡ありながら、『逃げる』と言う決定を下すわけです。

あまりにも『逃げる』事が多くなってしまうと、ご自身の自己肯定感が下がるとともに、下手をすれば、職場内での信頼関係や信用問題にまで発展しかねません。それは特に『逃げ癖』がついてしまうと、自分を正当化する言い訳をする事が多くなるためです。


じゃあ、どうしたらよいのでしょうか?


①感情に向き合う
逃げ癖の背景は、人によっていろいろなパターンがあるため、「自分はどんな感情が嫌で、何を恐れているのか」に向き合ってみるのが改善への第一歩になります。「本当は自分はどうなりたいのか?」についても想いを巡らせてみるのもいいでしょう。

②相談できる人を持つ
自分ひとりで考えていると、ネガティブになりがちですが、話すことで客観的に自分の現状を捉えられるようになります。相談できる人を持つことは、中長期的な視点で自分の人生を見ていくのに効果的です。カウンセラーなど専門家にサポートしてもらうのも良い方法です。

③逃げたときのデメリットを考える
逃げた場合、どんなデメリットがあるのかを考えてみることも大切です。「この仕事を断ったら一時的には楽になるけど、主要メンバーからは外されてしまう」など、具体的にイメージしてみると、今踏ん張った方が良いと思うこともあるかもしれません。

④失敗は受け入れる
逃げ癖のある人は、自分を正当化する言い訳をして、気持ちを誤魔化す傾向があります。うまくいかなかったときに、前向きに気持ちを切り替えていくためには、失敗を素直に受け入れるステップが必要になります。

⑤自分の癖を変えてみる
自分の内面に原因があることは、逃げても問題が先送りになるだけで、また同じことが起こる可能性が高いです。例えば、いつも言いたいことを言えない癖があるのなら、意見を伝えられる自分になるなど、自分の癖を変えていくことが近道です。

⑥自信をつける
日頃から小さな成功体験を積み重ねて、自信をつけていくことも大切です。苦手な人がいるなら、「まずは挨拶から」→「話すときは、少し大きな声で」など、小さな目標を少しずつ実践していくのがポイント。逃げずに向き合えたら、自分をいっぱい褒めてあげてくださいね。


ボクがここで強調したいのは②と③です。

②の様に、「誰かに相談する」ということを、とても苦手としている方が、結構おられる印象です。何を隠そうボクもそうですから(笑)意外に人って他人に寛容で、人間関係を築く事を恐れなくても大丈夫、とボクは今、思っています。それに、職場内に一人ぐらいは、何でも相談できる同僚や上司(ときには後輩)を持つほうが良いでしょう。

③に関しては、「どっちの選択をしたら自分は後悔するだろう?」と自問自答することです。もちろん、もし10回選択をしなければならない場面があったとして、7~8割くらい『逃げない選択』ができれば、万々歳だと思います(笑)。

毎回は…キツイですからね。まずは7~8割くらいから、で。


一度、逃げ癖がつくと、なかなかそこから脱することが難しくなります(経験済み)。もし、これを読んだあなたが「あ!自分、逃げ癖がついてるかも…」と思えたのであれば、今がチャンスです!!!

ご自身を変える努力をしてみてはいかがですか?



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